ともにストライキに立ち上がろう!
もう黙っていることはできない
すでに「日刊」でふれたとおり、貨物会社は、この春闘交渉のなかで「定期昇給について議論させてもらう」と、正面きって、定昇4号俸の見直し=圧縮・廃止を主張している。
また、財界の号令のもとに、定昇の全廃や圧縮という賃下げ攻撃が全産業で吹き荒れている。
定期昇給の見直しという問題は貨物だけのことではない。労働組合が黙っていれば、東日本も含め、定昇廃止攻撃が襲いかかることは間違いない。
定昇見直しとは
われわれの賃金は毎年4号俸の定期昇給(昇給率は2%弱)と、賃金全体を底上げするベースアップでなりたってきた。この間、労働組合の屈服によって、昨 年の春闘以降は、全産業でベースアップは「ゼロ」が当然のようにまかり通る状況に、労働者は落とし込められてしまっている。
そして、そうなったとたんに今度は定期昇給などという制度は廃止するというのだ。
定昇の廃止とは、簡単に言えば、高卒初任給が退職まで上がらなくなるということだ。まさに賃下げである。現在高卒初任給はJR貨物でわずか14万円、東日本でも約14万1千円だ。
「まさかそんなことが!」と思うかもしれないが、昨年末、財界は「国際競争力を強化するために、日本の労働者の賃金水準を発展途上国並まで引き下げる」と宣言している。
企業が生き延びるために、労働者が虫けらのように犠牲にされる時代が来ようとしている。
賃金はどうなる
世間では、定期昇給の完全廃止を明らかにした企業が幾つもあり、財界は明らかにそうした方向に突き進んでいるが、仮に定期昇給4号俸の内、2号俸だけは 維持されたという前提で、今年3月に高校を卒業して、貨物会社に4月に採用された者の賃金がどうなるかを計算してみると次のようになる。東日本でも、初任 給が千三百円ほど良い等わずかの差はあるが、基本的に同じだ。
初任給 140000円
30歳 約184000円
40歳 約215000円
55歳 約259000円
ちなみにこれは、最短で指導職試験、主任職試験に合格したことを前提にして計算したものである。55歳以降賃金はダウンになるから、仮に定期昇給が2号 俸だけは維持されたとしても、最高額に達する55歳で、26万円程度の基本給!まさに食っていけなくなるということだ。
こんな現実をつきつけられているのに、会社の言うがままにベアゼロを認め、定昇見直しを認めてしまうような労働組合はもはや労働組合ではない。
第二基本給とは
さらに「第二基本給」という問題がある。入社してから賃金が増加した分の30%は「第二基本給」という位置づけになって、その分は退職金の計算からは外 されるという制度だ。しかもそればかりではない。知っているだろうか。「入社時第二基本給」というのがある。初任給14万円のなかの11190円は、入社 時点で始めから第二基本給にされてしまっている。
どういう計算かというと、JR発足時の1987年の初任給(102700円)と現在の初任給の差額の30%が、始めから第二基本給にされるという制度になっているのだ。
結局、先の例でいくと、退職時の第二基本給は約47000円で、それを引くと、退職金計算の基礎額は約212000円。退職金も幾らにもならない。
JR総連・革マルやJR連合は、第二基本給制度も含め、こんな現実をすべて容認してきたのだ。組合幹部と会社の蜜月を続けるために現場の労働者と家族の生活をすべて売り渡そうというのである。
賃金制度見直し
会社も組合も「そんなことにはならない」と言うかも知れない。「定昇の見直しだけでなく、賃金制度自体を白紙的に見直し、成果主義に変えようと今準備しているところだ。これは頑張れば頑張っただけ報われる良い賃金制度だ」と。
だがこれは真っ赤なウソだ。すでにJR西日本がこのように言って賃金制度を変えたが、定昇(相当)率はわずか1・3%になっている。貨物も東日本も、現在の定期昇給率は約1・9%である。
一部のゴマすりが成果主義で高いランクの賃金を受け取っているとすれば、大半の労働者は1・3%以下、つまり現在の貨物や東日本の半分位しか賃金が上 がっていないということだ。これが「成果主義賃金」の現実だ。会社は、総額人件費を抑えるために賃金制度を変えようとしているのである。こんなことは絶対 に許せない!
ともに闘おう!
労働組合が会社の手先となって賃下げをすべて認めてしまうような現実をこれ以上許しておいたら大変なことになる。今こそJR総連と決別し、団結して起ちあがろう。スト破りを拒否し、ともにストに起ちあがろう。