2月10日、3月ダイ改に関する基本要求に基づく千葉支社との団体交渉を行った。
○「系統分離」隠した千葉支社
まず、ダイ改提案において千葉支社が、「系統分離」と言う言葉を使わなかったことについて追及した。
組合から、「本社が使っているのに、なぜ『系統分離』という言葉を使わなかったのか。今回の内房線の君津折り返しや列車削減は、『系統分離』の考えに基づいたものではないのか」と追及したところ、千葉支社は、「内容としては系統分離の内容」と認めた。その上で、「列車が折り返し、乗り換えになるという意味。内房線を分離して切り捨てるということではない」と回答した。
結局、「系統分離」という言葉を使うことで現場から内房線切り捨てに対する怒りがわき上がることを恐れ、あえて「系統分離」と言わずに事の本質を隠そうとしたのだ。
○内房線関係
内房線の乗車人員の推移について、千葉支社は分割・民営化時を100%として、アクアラインが開通して料金が800円になった09年以降は40%ほどだと回答した。
また、削減を提案した東京―館山間の特別快速1往復について、下りの降車人数は君津で80人、館山で20人、上りの乗車人数は館山で30人、君津で80~100人程と回答した。
同じく削減を提案した2番、3番列車の乗車人数について、館山で8人、君津で30~40人と回答した。
特別快速は木更津で切離しを行い、木更津~館山間は4両で運行されている。館山~君津間の他駅での乗り降りも含めて考えれば、どちらも決して少なくない乗降人数だ。
そもそも乗降人数の回答が館山と君津のみで、その間の駅でどれだけ乗り降りがあったのかは調べられてもいない。はじめから君津での分離を考えているから、そうなるのだ。
また、特別快速は特急列車削減の代替として新設されたはずだ。それもわずか2年で廃止された。会社が君津以南の分離と全面的な切り捨てを狙っていることは明らかだ。
○外房線関係
外房線での「系統分離」について千葉支社は、「外房線に入れる217系車両が足りないため、今のところはできない」と回答した。
また、鴨川運輸区では車掌11名減という大幅な人員削減が提案されている。千葉支社は、「内房線の列車削減が理由で、一時的なもの」「基地の縮小や再編は現在のところ考えていない」と回答した。
しかし、どちらの回答もあくまで「現時点で」計画がないというものにすぎない。この間会社は、「選択と集中」を掲げて首都圏70㎞圏外の切り捨てを進めてきた。外房線でも系統分離とローカル線切り捨てを狙っていることは間違いない。
○派出関係
派出関係では、①千葉派出は現状のまま存続、②線区終端には必要性があるとして、派出の縮小や廃止の計画はないと回答した。
○乗務員用トイレ設置要求
昨年、トイレを理由に組合員が減給処分にされた上にCTSへの強制出向まで命じられた。こんな処分は絶対に許せない。二度とこのような事態を繰り返させてはならない。
全駅への乗務員トイレ設置を要求したところ、千葉支社は、「全駅にある方がよい」と認めた。その上で具体的には、各支部の要求に基いて議論を行うこととなった。
そもそも、会社が長大行路を次々に設定していることが根本原因であり、乗務員トイレは絶対に必要だ。この問題は何一つ終わっていない。これからが本当の闘いだ。絶対に曖昧にせず最後まで闘おう。
○DL冷房設置関係
千葉支社は、冷房のついていたDE10が2編成とも故障していたが、1編成を廃車に、もう1編成を修理して使えるようになったことを明らかにした。この車両は、3月ダイ改でその車両が大宮から高崎に移管になる。それについて、「千葉の業務に回すよう手配は努力する」と回答した。また、臨488行路の分割については、「現状では検討できていない」とし、継続して議論することを確認した。
DLへの冷房設置に関しては、昨夏に指名ストを闘った。これは今夏にむけて再び焦点になる問題だ。DL業務の労働条件確立へ全力をつくそう。