シニア制度差別地労委第9回審問(11/8)新たに4名が救済を申し立て

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「シニア制度差別」地労委第9回審問開催(11月8日)

新たに4名が救済を申し立て
伊藤 詔一さん、斎藤 勇さん、前田 八束さん、後藤 光良さん

 11月8日、千葉地労委において、「シニア制度差別事件」の第9回審問が行われ、前回組合側証人として、JR東日本の不当な差別の実態を証言を行なった申立人本人である浅野さんに対する会社側の反対尋問が行なわれた。

63歳までの雇用は確保されていた
 審問の中で会社側は、出向先での63歳まで継続雇用しているという約束の内容、面談での労働組合の確認が行なわれたかどうかの確認、「シニア制度」導入以降の東京メディアサービス内での会社役員の対応などについて確認してきた。
 これに対して浅野さんからは、63歳までの継続雇用の約束については、出向先会社の入社式ではっきり聞いたことであること、「シニア制度」の面談の中では所属組合が確認され、「動労千葉だと関係書類は、送らないかもしれない」とまで担当者に言われたこと、更に東京メディアサービスの所長ですら試験制度に疑問を抱いていること、エルダースタッフへの登録ができないなど、明らかにJRからの圧力があることなどを明らかにし、JR東日本による不当な差別を糾弾する証言を行ない、浅野さんの証言を終了した。

4名の組合員が新たに申し立て
 動労千葉は、今回の審問に先立って、すでに今年度に行なわれた「シニア制度」よる再雇用先の紹介を動労千葉であるということだけで拒否され、関連会社が行なう採用試験への応募も、試験も受けることができないという不当な差別を受けている伊藤詔一さん、斎藤 勇さん、前田八束さん、後藤光良さんの4名について、新たに救済申し立てを行なった。

採用試験の応募も拒否する会社
 今回申し立てを行なった4名の組合員に対して会社側は、4月9日から5月11日までの間に行なわれた再雇用の希望を把握する面談の中で、いずれも担当者から組合所属が確認され、4名の組合員が「動労千葉に所属している」と答えると、担当者からは「シニア制度は協定により行なうので、動労千葉組合員でるあなたには適用がない」とそれぞれが言われるなど、あからさまな組合差別の発言が行なわれている。
 そして、8月20日以降には、動労千葉以外の組合員には再雇用先一覧や応募用紙が送付されているにもかかわらず、動労千葉の4名には送付されないという不当な扱いが行なわれ、さらには、関連会社が行なう採用試験が10月1日以降に行なわれ、10月末までにはその合否についての通知が行なわれている状況だ。
 動労千葉は、こうした「シニア制度」による不当な差別を打ち破るために、浅野さん、三平さん、羽鳥さんに続いて、伊藤さん、斎藤さん、前田さん、後藤さんの4名について申し立てを行なったものである。

検修・構内業務の外注化と一体
 一方、JR東日本は、保守部門の全面的な外注化に向けた攻撃を強行しようとしている。
 電気・信通部門については、11月1日付けで委託を強行し、保線部門においても12月1日実施を強行しようとしている。しかし、検修・構内業務の委託に関しては、東京、八王子、横浜、高崎などですでに提案されているにもかかわらず、千葉においては未だに提案できていない状況だ。
 これは、業務の委託を行なう場合の要員確保が確実にできていないということから発生していることは確実だ。とくに、浅野さん、三平さん、羽鳥さんを先頭にした闘いは、「シニア制度」の不当性を明らかにし、しかも「シニア制度」と保守部門の外注化が一体であることが余すことなく明らかとなった。これにより「シニア制度」の対象者になる人たち中からも「現職で働いている人の職場は奪えない」「60歳を過ぎてからでは検修はできない」「自分は清掃を希望する」という声が次第に大きくなってきているのも事実だ。

拍手で送り出すべきが本来の姿
 年金制度の改悪を利用して 「シニア制度」などという制度を持ち込み、40年間も間鉄道業務一筋で働き続け、鉄道輸送の安全を支えてきた労働者に対して、60歳を目前にして差別するなどということは、絶対に許せないことだ。本来であれば、第二の人生の出発点として、感謝の気持ちと、これまでの苦労をねぎらい盛大な拍手で送り出すべきところだ。これすらできないJR東日本という会社の姿勢こそ徹底的に糾弾されなければならない。
 動労千葉は、こうした会社の姿勢を改めさせるためにも、浅野さん、三平さん、羽鳥さんの闘いを引き継ぎ、伊藤さん、斎藤さん、前田さん、後藤さんの申し立てた新たな労働委員会闘争の勝利をかちとるために、全力で闘いぬくものである。

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