1.出向とは
在籍出向は、形態としては労働者供給事業に該当するため、これをJRが行うことは違法だ。しかし、これが違法にならない条件が3点ある。①労働者の解雇を回避するために関係会社において雇用機会を確保するものであったり、②職業能力開発の一環として行われる場合、③グループ会社内での人事交流を目的とする場合、などだ。検修・構内外注化による出向は、どう考えてもこの条件に当たらない。明白な違法行為だ。
2.出向には労働者の合意が必要!
出向の場合、労働契約の一部が出向先に移るということで、誰から指揮命令を受けるのかという根本的な違いが生じるという点では、相当に重要な労働条件等の変更になる。だからそんなに簡単に、しかも一方的に会社が「出向に行ってくれ」と要請しても、労働者が「わかりました」と言わない限り、出向命令は有効ではないというのが大前提だ。
そもそも出向条件については、就業規則等でかなり具体的に定め、どこに行くのかという範囲や、行った場合の労働条件、出向の期間、その後どうなるのか等まできちんと定めていなければならない。就業規則に一般的に「出向があり得る」ということだけが書かれていても、それだけでは出向命令の根拠にならないということが判例だ。
3.出向命令は拒否できる。
就業規則の他に、特に問題になるのが労働協約だ。出向協定を結んで認めてしまうと、出向命令が有効とされる可能性が高い。だから東労組の組合員は、拒否しても出向が有効となってしまう。
はっきりとした就業規則もない中で、出向協定も締結していない動労千葉の組合員には、出向命令を出すことが有効だということにはならないわけだから、はっきり拒否して争うことができる。それに本当に必要性がある出向なのか、「権利の濫用」ではないのか、という問題もあるのだ。
闘えば阻止できる。外注化阻止で共に闘おう!
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