『戦後労働運動の軌跡と国鉄闘争』(中野洋著)
出版記念パーティ開催
90名を越える参加者国鉄闘争勝利へ向けて交流
4月28日、東京・亀戸文化センターにおいて、中野委員長著「戦後労働運動の軌跡と国鉄闘争」の出版記念パーティが労働組合関係者をはじめ各界から九〇名を越える参加者が集い開催された。
この記念パーティは十二名の呼びかけ人の呼びかけにより、この間の国鉄闘争や首切り反対闘争などを共に闘ってきた仲間が一同に会して語り合おうということで企画された。
パーティは、勝浦市議の水野正美氏の司会で始まり、冒頭呼びかけ人から早稲田大学名誉教授・佐藤昭夫氏、東京東部労組・足立実氏、元千葉県高教組委員長横堀正一氏があいさつされた。
佐藤さんは、「戦後の五〇年を自ら闘ってこられた中野さんがその歴史を書かれ、現在のなかに国鉄闘争に焦点をあててどうすべきかを明らかにされた。大変 学ぶところが多いし、ますます運動を強めていこうと思っている」と述べ、とりわけ一〇四七名問題で「四党合意」を受け入れた国労本部が大会決定に反して裁 判闘争を取り下げるという動きの中で、闘争団の人たちが「本部が闘いの旗を投げ捨てても、自分たちがその旗を拾って闘う」ということで、佐藤さんも代理人 の一人となって訴訟の申し立てをしたことが報告された。
足立さんは「われわれの先輩が闘った階級闘争を総括し、何を堅持し何を克服しなければならないかをはっきりさせることは、今後、労働運動が勝利を勝ち取 るうえでやらなければならない作業であり、中野さんが真正面から取り組んだということに敬意を表したい。この本は、徹底して実践家の立場で総括し、論陣を はっているということと、語り口で書いていてとても読みやすいと感じた。自分がやっている労働学校のなかで薦めて読んでもらっている」とあいさつされた。
横堀さんは中野委員長との出会いを振り返りながら「この本は国鉄闘争を中心に労働運動再建の課題を論じており、今日的課題に適合した著作である」と述べ られ、「闘う運動を再建するために、知恵を寄せ合ってなお一層スクラムを組んでいきたい」と今後の闘いの展望を語られた。
中野委員長あいさつ
つづいて中野委員長は「この本は中野洋著になっているが、共に闘ってきてくれた動労千葉の組合員や様々な援助をしてくれた人たちの集大成として、無数の 労働者が作った本だと思っている。動労千葉が闘ってきたことを後輩や多くの労働者に知ってもらいたいという気持ちと、国鉄闘争が日本の労働運動のなかで決 定的な役割を歴史的にも現在においても果たしているということ、国鉄闘争の勝利的展開を通して日本の労働運動を再生させていくということを、動労千葉の組 合員、国労の闘争団をはじめ、多くの労働者に理解してほしいという思いをこめて出版した」と意義を述べた。そして小泉内閣の登場という情勢に触れ「小泉は バックに中曽根、森、石原がいて、戦後歴代内閣のなかで最も極右の政権だ。問題は日本を変えるというのは本来なら労働運動がやらなければならないことだ が、それを自民党のなかの連中がやったということについて非常に危機感をもって受け止めた。結論は労働者が団結し、闘う労働運動の新しい潮流をつくって、 これを迎え撃つということをやらなければいけない、その軸になる国鉄闘争が闘う労働運動を実現させていかなければならない。そういった思いで動労千葉は一 二〇時間のストライキを闘いぬいた。
労働者は今こそ団結しなければいけない。そのためには学習しなければいけない。この激動下に闘いぬける労働者の組織を作っていかなければいけない。この本が少しでも役に立てば幸いだと思っている」とあいさつした。
中野委員長自身による鏡開きの後、呼びかけ人の葉山岳夫弁護士の音頭で乾杯を行ない、港合同から取り寄せた地ビールを飲み歓談に移った。
呼びかけ人の関生支部・武委員長、特殊法人労連・柳沢議長、
港合同田中機会支部・大和田委員長からのメッセージが読み上げられた。
この後、東京東部労組・小野塚不二夫書記長、東京管理職ユニオン・設楽清嗣書記長、中江昌夫氏、鈴木達夫弁護士、旭染色労組・佐保誠委員長、ス労自主・山川博康書記長、三一書房労組・三角忠委員長をはじめ多くの方々からお祝いのことばやあいさつを受けた。
最後に動労千葉の布施副委員長が閉会のあいさつを行ない、団結ガンバローで終了した。