「場内に対する進行の指示運転」で団体交渉を行う(12/12)
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回答文書では「信号の現示に係わらず停止位置まで進行させる」としながら、異線現示等の場合には一旦停止して指令に連絡せよとの、全く矛盾した回答を行う |
動労千葉は、12月12日、「場内に対する進行の指示運転」に関する団体交渉を、千葉支社との間で行った。
「場内に対する進行の指示運転」(以下「指示運転」)については、すでに11月1日から実施されているが、取り扱いをめぐっては各運転関係職場において混乱が発生したいる。とくに、場内信号機が複数ある場合の取り扱いについては、訓練内容についても各区で違う内容が指導されている。ある運転区では、実施前に行われて訓練では、第1場内が故障し、その内方に複数の場内信号機がある場合は、信号現示に関係なく進行(結局、信号を無視)するように指導されていたが、実施以降にはこの内容ではなく、停止や異線現示などがあった場合は停まって指令に連絡するように指導が改められている。しかし、他の運転区では未だに改められていないという区もある始末だ。
また、ある区では、組合員が今後の指導方法について、絶対信号機の概念をどのように教育するのかを質したところ、「私は『絶対信号機』という言葉は、これまで使ったことはない」などと発言する指導員があれわれる始末だ。
「絶対信号機という概念はない」「(複数の場内信号機がある場合、第2、第3場内信号は)見なくていい」などと平気で発言する本社の回答等に関する見解及び「指示運転」に関する取り扱い、教育等について千葉支社との団体交渉を行った。しかし千葉支社は、場内信号機が複数ある場合の取り扱いに関して回答不能に陥り、この日の団体交渉は打ち切りとなった。
「絶対信号機」という概念はあった
組合 本社は、絶対信号機という概念はないと回答していいるが、これまで運転士は現場において「絶対信号機」ということについて特に厳しく脅威行くされてきた。それが「ない」といわれても納得できない。
支社 「閉そく指示運転」を導入して以降は、指導センター等では「絶対信号機」という言葉は使ってこなかった。
組合 「絶対信号機」については、一歩間違えば衝突、脱線などの大事故につながることから、意味があって教育してきたのではないのか。
支社 信号を無視すれば事故につながるわけで、動労千葉の言っている考え方を否定するものではない。信号を見る、守る、従う、という考え方は全く変わらない。
組合 現場では、「絶対信号機」という言葉は使ったことがないと平気で指導が発言している。こういう状況の中で教育を受けていることについて千葉支社はどう考えるのか。
支社 「絶対信号機」という概念があったことは否定しない。これについては、言葉の遊びとは違うので、現場を指導する。
場内等の取り扱いを誤った場合は極めて重大な事態になることは会社も考えており、場内、出発、入信の重要性については今後も教育する。
支社回答は信号を見 る、守る、従うに違反
組合 本社は、場内信号機が複数ある場合、第2、第3場内については「見なくてよい」と回答しているが、千葉支社はどのような見解をもっているのか。
支社 信号機を見ると言うことは当たり前のことだ。本社の回答は、信号機の取扱を回答したということだと考えている。
組合 現場では指示があったら所定位置まで進行する教育が行われたが、もしも間違っていたらどのような取扱になるのか。
支社 ルートの開通と列車等の支障がないことを確認して進行の指示を出すが、何か不審なことがあったら一旦停止し、指令に連絡してもらいたい。
組合 現場では当初第2、第3場内信号機を無視して行くように指導していたが、停止や異線現示の場合の取扱を後日改めて言い出してきた。こういう教育自体問題ではないのか。しかも回答では「第2、第3場内信号機の現示に係わらず停止位置まで列車を進行させる」と回答していることと矛盾する。この回答自体、信号を見る、守る、従うということを否定するものだ。
支社 ・・・。一旦本社と整理し、改めて回答したい。
以上のとおり千葉支社との団体交渉は、開始から1時間半で支社側が回答できないという状況となり、一旦中止となった。
「場内に対する進行の指示運転」に関する取扱で、支社が回答できないという状況の中では、現場段階ではなおさら明確な回答ができるはずがないのだ。
また、武蔵野線新座ターミナル駅で11月18日に進行の指示運転が行われたが、第2場内で停まれとの指示が行われ、このため列車が大幅に遅れた。そしてその約1週間後にも北府中で場内信号機故障が発生したが、この時は代用手信号による誘導が行われているという状況だ。
結局、取り扱う指令員すら指示運転ができないということだ。
運転保安闘争を強化しよう。