先週の大手企業の集中回答に続き、CTS(千葉鉄道サービス)を含む中小の春闘は今週から4月上旬にかけて本番を迎える。動労千葉は、社員については4万円の賃上げ、契約・パート社員については一律1500円への時給引き上げを求めて申し入れ書を提出した。これは絶対にゆずれない要求だ! 職場から声を上げ、何としても大幅賃上げをかちとろう。
ふざけるな!株主には 赤字でも巨額配当
JRーCTSはコロナ禍を口実として、2年間にわたってベースアップなし、夏期手当・年末手当の減額を強行してきた。
クリーン事業部では、約2年にわたって新規採用を止め、どの事業所も要員はぎりぎりの状況だ。退職者が出ても要員は補充せず、65歳を迎えたエルダー出向者の雇用延長も拒否し、残った仲間への労働強化や、超勤、休勤ではじめて職場が回っているのが現実だ。
JR東日本はCTSに「3年で10%のコスト削減」を求め、そのすべての矛盾が現場にしわ寄せされきた。
他方でJRは昨年末、株主に対しては1株100円、総額377億円もの株主配当を実施した。今年度末も、同程度の配当を予定している。こんなふざけた話があるか! コロナ以前にJR東日本は、毎年のように最高益を更新し、その分け前を株主に還元し山分けしてきた。赤字が出たなら、その矛盾も株主がかぶるのが当然ではないのか。
コロナ感染の危険にさらされながら、現場を守りぬいてきたのはわれわれだ。JRーCTSは大幅賃上げを行え!
生活防衛のため物価上昇分の賃上げを!
諸物価の値上がりは、ギリギリの低賃金で暮らす者にとっては危険水域だ。
昨年の後半以降、毎日のように値上げのニュースが流れているが、別表にあげたように、1年前と比べると大変な額になっている。「今年は寒かったから電気代、ガス代が高かった」ということではない。
これに加えて食料品の全面的な値上げが続き、今後も、ロシアーウクライナ情勢を背景に、小麦・小麦製品をはじめ世界的な食料危機すら予想されている。今春闘では、ベースアップに加えて物価上昇分の賃金引上げが絶対に必要だ。
■東京電力(標準的な家庭で)
2021年3月 約6000円
2022年3月 約8000円
1年で約3割の値上げ!
■東京ガス 1年で26%の値上げ!
■ガソリン(レギュラー全国平均))
2021年3月 約 143円
2022年4月 約 171円
1年で約22%の値上げ!
働き続けることさえ困難な現状
動労千葉が実施した職場アンケートでは、「生活費は足りていますか」という問いに対して78・2%が生活費の不足を訴えている。また、その穴埋めについては「生活費を切り詰める」「家族からの援助」「夏期手当・年末手当」の回答が多数で、生活費をぎりぎりまで切りつめ、夏冬のボーナスでなんとか穴埋めしている現状が浮きぼりになった。とりわけ日勤勤務者は、この職場で働き続けることさえ困難な現状であり、あらゆる物の値上がりが続く中、待ったなしに基本賃金の大幅な引き上げが求められていることは明らかだ。
住宅手当を全社員に出せ!
また職場アンケートでは、「住宅手当を社員全員に支給を」「支給範囲が狭すぎる」「住宅手当が出ないと一人暮らしができない」「はっきり言って福利厚生は全くないのと同じ」「数十年後を考えると不安を抱かざるをえない」「休日勤務をやっても生活が苦しい。介護・子育てができる給与じゃない」「基本給が低すぎる」「昇給額について深く失望」「ある程度、賞与の月数は出ているがベースが低い。賞与でごまかされていると感じる」等々、会社への怨嗟の声があふれている。
検修・構内業務のCTSへの外注化から9年が経つが、すでに約3分の1の若者が退職し、その流れは止まっていない。入社してはみたものの労働条件があまりに低い、将来展望もないことがその最大の原因だ。
これはCTSに限った話ではない。JR東日本がすすめる現業部門の全面外注化(グループ会社への業務委託)は、そのグループ会社で労働条件のあまりの悪さから必要な要員が集まらず、後進の育成や技術継承もままならず、駅でも検修部門でも全面的に破たんしようとしている。低賃金で人をこき使い、コストを削減して利潤を上げようというやり方は通用しないのだ。
格差是正は時代の要請
さらにCTSでは、契約社員・パート社員が約7割を占めている。現場で同じ仕事を担っていても、基本賃金、夏冬のボーナス、昇給制度、退職金制度、住宅手当支給基準など、正社員と契約・パート社員の賃金格差はあまりにも大きい。今春闘では、格差是正の観点から、正社員と契約・パート社員の格差を解消することは避けることができない時代の要請であることは明らかだ。
CTSは抜本的な賃金・労働条件の改善を行え! 団結して闘わなければ、日々の生活も、将来展望もつかめない時代が到来している。CTSで働くすべての仲間は動労千葉に加入し、ともに22春闘を闘おう!