快速130㎞運転
7月9日に実施されるダイ改で、快速列車の130㎞/hが常磐線で導入されようとしている。快速の130㎞/h運転は全国的に初めてのことだ。
会社の「平成17年度7月ダイヤ改正について」という提案資料では次のように説明されている。
8月末に「つくばエクスプレス」が開業する等、常磐線エリアにおける交通市場競争は一層激化することとなる。このような状況を見据え……収入の確保を図ることとする。 具体的には、……一部130㎞/h運転を行い、速達サービスにより対抗輸送機関との競争力強化を図ることとし、………。 |
要するにJR東日本という会社は、107名もの生命を奪ったあの大惨事を前にしながら、何ひとつ顧みず、教訓化しようともせず、ひたすらスピードアップと競争原理、利益確保に突っ走ろうとしているのだ。
私鉄との競争にかつことを一切に優先させ、無理にスピードアップを強行し、そして非人間的な管理強化によって運転士を競争に駆り立てたことが、尼崎事故に行き着いたのは、衆目の一致するところだ。
それが社会的に問題視されている最中に、この提案は常軌を逸しているとしか言いようのないものだ。
人体実験?
しかも、これまでの規程=「列車運転速度表」では、この130㎞/h運転はできなかったものを、わざわざ一項目つけ加え、規程「改正」までしてこれを強行しようとしている。
E531系という新型車両の投入を理由としているが、データイムの列車に限って130㎞/h運転をするというのだ。一体何の意味があるというのか。しかもカーブやポイントの制限速度は従来のままだという。運転士には急減速が強いられる。恐らくこれは乗客を乗せての人体実験なのだ。これでしばらくやって事故がなければ、全国的に快速列車の130㎞/h運転を拡大しようという考えだと思われる。
実際JR東日本は、数年前に在来線160㎞/h運転をめざすプロジェクトを立ち上げ、検討を行っている。
車両が吹き飛ぶ!
尼崎事故をあれほどの犠牲者をだす大惨事に至らしめたのは、コスト削減とスピードアップのための車両の極端な軽量化であった。考えて見れば、それ自体が、事故が起きたときのことなど何も考えず、何も検証しないままペラペラな車両を作り、人体実験をしていたようなものだったのだ。そして尼崎事故に行き着いたのである。
あれは脱線事故ではない。車両が横転し、そのままマンションに向って中を飛んで突っ込んでいったのである。
今回の130㎞/h運転も軽量化車両だ。一体、尼崎事故をどう考えているのか。
ブレーキの効かない列車が走る!
しかも、常磐線では、尼崎事故の直後、4月30日に「フレッシュひたち36号」が、水戸駅進入の際、直通ブレーキ1~6ノッチが効かなくなるという現象が発生している。しかしJR東日本は、その後同じ現象が出なかったこと、「GWの稼ぎ時だから」ということを理由に、原因不明のまま営業運転を続けさせた。そして、5月2日に今度は「スーパーひたち22号」で、また同じことを起こしている。
ブレーキの効かない恐れのある列車を走らせていたのだ!これがJR東日本の現実である。
見せしめで解雇!
JR東日本は、尼崎事故など関係ないと言わんばかりに競争原理で突っ走る一方、尼崎事故以降、職場への徹底した締めつけだけを強めている。
尼崎事故にも係わらず、安全を無視してこれまでと何ひとつ変わらず突き進む。これが企業というものの本質だ。喉元過ぎれば、昨日までと全く同じことが繰り返されるのだ。そして、一人ひとりの労働者を締め上げることだけが徹底して強化される。
千葉運転区での懲戒解雇は、まさに見せしめだ。尼崎事故がなければこんな無茶苦茶な解雇など絶対なかったはずだ。「携帯電話の使用」でいきなり懲戒解雇など絶対に通用するはずもないことだ。許せない。職場には怒りの声が渦巻いている。運転保安確立に向けて闘いぬこう。
第53回定期委員会に集まろう! ▼6月26日 13時 ▼DC会館 |