「現業廃止」・全面外注化を阻止しよう
組織・人事賃金制度・労働条件の抜本的改悪提案は、「現業・非現業の区別をなくす」などという。その本質は、資本にとって利益が上がるものだけを「価値がある」とし、現場で培われてきた技術や経験、現場の仕事を徹底して「価値のないもの」とみなして切り捨てていく攻撃だ。
そんなことをすれば、労働者の権利や鉄道の安全は必然的に失われ、恐ろしい事態を生み出す。そのことはすでに示されている。
再び仲間が犠牲にされた!
究極の形でそれを示したのが、幕張車両センターで再び現場の仲間が犠牲にされた事態だ。CTSの管理者さえ、自分たちが外注化した業務がさらに丸投げされていたことも、労働者確保のためにスキマバイトまで使っていることも知らなかった!
この信じがたい無責任体制―何重もの下請け構造とスキマバイトの労働者の犠牲は、JR・CTSがグルになり、徹底したコスト削減・要員削減を現場に強制したからこそ生み出された。これはJR・CTSによる「殺人」だ。絶対に許すわけにはいかない!
そもそも、JRが鉄道業務を徹底して軽んじていけば、こうしたことが引き起こされるのは必然だ。JR東が掲げる「ヒト起点」なる言葉のウソとペテン、醜悪さがハッキリ示されている!
この計画は、鉄道を動かす要員さえ確保できないところから出発している。それを下に下に丸投げしていけば、さらに労働者を集めることは困難になる。スキマバイトの利用に行き着いたことも、この攻撃がもたらす必然的な結果だ。そして、JR・グループ会社の仲間全体を「スキマバイト」のように扱い、現場の命を犠牲にして金儲けをしようというのが「現業廃止」であり、職名廃止・融合化攻撃であり、全面外注化攻撃だ。どこまでも許しがたい!
犠牲にされた仲間の無念、救命措置に駆けつけた仲間をはじめとした職場全体の無念と怒りを胸に、怒りの声をあげ、闘いにたとう!
「鉄道崩壊」の現実
「現業廃止」攻撃がどれほど恐ろしい事態を生み出すか。「絶対にやってはならないことだ」ということは、JRの持てる技術の粋を集めたはずの新幹線において重大事故が相次いでいること、架線など基本的な構造物が全部おかしくなっていることで、すでに示されている。
東北新幹線で繰り返される事故
- 24年1月23日
上野~大宮間で停電・感電事故 - 24年3月6日
郡山駅で停止位置を約500㍍オーバーラン - 24年4月2日
福島駅構内で工事車両のエンジンオイルが漏れて故障 - 24年9月19日
走行中の列車が分離 - 25年2月19日
パンタグラフ損傷で3時間半の運転見合わせ。運転再開後、台車異常で緊急停止し1時間半の運転見合わせ。上下61本が運休。 - 25年3月6日
走行中の列車が再び(!)分離 - 24~25年 パンタグラフの損傷が相次ぐ
- 25年6月17日
回送中の最新型・E8系新幹線が突如として走行不能に。86本が運休、約5万4700人に影響。当該車両は納車直後で2度目のテスト走行中。さらに、同日にE8系の別の3編成でも同様の装置の故障が相次いでいた。
だが、会社はこの破綻と矛盾にも関わらず、逆に「現業」を根こそぎ切り捨てようとしているのだ。「現業・非現業の区別を無くす」「経営の立場にたて」といい、出向の原則5年への延長、転籍制度化を打ち出して全面外注化に踏み出している。
実際に鉄道の安全を守り、運行を支えているのは現場の経験と技術力だ。自動運転やCBMなどではない。だが、こんなことを進めれば現場の技術力やそれを支える経験をもった労働者は完全に失われていく。
団結しともに闘いにたとう
現場の命と安全を犠牲にして金儲けを続けるJR・CTSを許すことはできない!
今が声を上げるときだ。鉄道を動かす力、労働者の権利を奪われるわけにはいかない。鉄道の安全を守るためにも、自分と仲間の命を守るためにも、自ら声を上げ、職場から闘いにたちあがろう。
必要なのは、闘う労働組合の力だ。すべての仲間に訴える。鉄道の安全と仲間を守りぬくために、動労千葉に結集しともに闘おう。現業廃止、全面外注化攻撃を粉砕しよう。