久留里線・久留里~上総亀山間の廃線阻止!
住民団体・自治体と連携し、どこの路線も廃線にさせない取り組みを進めよう!
桜井徹・日大名誉教授が講演ー分割・民営化以降、地方では交通サービスの維持・確保が困難になっているなど民営化の問題点を指摘!
7月5日、館山市・南総文化センター大会議室において、内房線と地域を守る会の第10回定時総会が開催された。
総会は、内房線と地域を守る会の会員や内房線沿線のOB、日本大学の桜井徹名誉教授の講演を聞くために集まった市民など50名が参加して開催された。
今回の総会は、JR東日本が、久留里線・久留里~上総亀山間の廃線申請を3月に行うなど、非常に重要な時期での総会となり、あらためて内房線と地域を守る会、外房線と地域を守る会、久留里線と地域を守る会が連帯して廃線申請の撤廃に向け取りて組むことを確認した。
総会は、最初に梅沢和子代表のあいさつがおこなわれ、「内房線と地域を守る会も結成から10回目の総会を迎えた。これまで毎年JR千葉支社への要請行動を行い、ワンマン運転の安全性確保等の声を上げてきた。一方、JR東日本は、久留里線の一部区間を来年3月末で廃線にしようとしている。地元の人の声を無視するやり方は間違っている。バス転換は運転士の確保など問題が多く、継続できるのかも不安がある。鉄道がなくなったら通勤・通学や観光にも大きな影響が出る。交通の不便ないところに人は住まない。鉄道と地域を守るために運動を大きくしていきたい。ご協力を願いします」との訴えが行われた。
「交通空白地区」が、日本全体の約3分の1まで拡大!
次に、桜井徹日大名誉教授から、「ローカル線を巡る状況と内房線存続の課題ー久留里線一部区間廃止を踏まえてー」と題して、約1時間の講演が行われた。
講演では、まず、政府の「第3次交通政策基本計画」に触れ、国鉄分割・民営化以降のの民営化と規制緩和で大都市の交通は利便性が向上したが、地方では人口減少等を背景にして交通サービスの維持・確保が困難になったとして、「民営化」の問題点を指摘した。
次に、「交通空白地区」が25年度と比較して892自治体(+175)に増え、日本の面積の32・8%(前年26・7%)=約3分の1が「交通空白地区」になっていると強調した。
そして、20年のコロナ禍による赤字を口実にして内部補助をやめてローカル線廃線化に動き出してきたことに触れ、そもそも内部補助でローカル線を運営することは分割・民営化時の約束であること、政府のアンケートでもローカル線沿線住民の7割以上が鉄道存続を求めていることを明らかにした。
久留里線廃線の問題点として、久留里~上総亀山間だけを区切って「赤字」だといっている点を弾劾するとともに、地元の君津市長の姿勢にも問題があることを訴えた。
一方、久留里線の輸送密度の比率が大きく増加し、営業係数も3分の1まで減少しており廃線にする必要がないことを示した。
さらに鉄道の社会的価値に触れ、久留里線は、房総地域における大きな観光資源であり、久留里~上総亀山間は最も景観が良く、バス代替では実現しない存在だと訴えた。
そして、内房線の存続の課題に触れ、君津~安房鴨川間で見れば乗車人員は3000人を超えるなど全く問題ないことからJRへの要請や関係自治体への訪問等が重要になっていることを訴え講演を終了した。
公共交通ー人が自由に鉄道を利用し移動できるようにすべき!
講演に対する質疑応答を終えた後に総会が再開され、来賓あいさつが行われた。外房線と地域を守る会・早川会長は、「線区区分の問題で、外房線も茂原~安房鴨川間で計算すると3600人になることからJR千葉支社を追及してきた。また経費についてもJR東日本の平均と比較すると外房線は約2倍、内房線も1・5倍にもなるが、JRは具体的な回答ができない状況だ。いすみ鉄道の問題では夷隅郡市の自治体を訪問して懇談してきた。今後も内房線の会の皆さんと共に頑張りたい」と訴えた。
久留里線と地域を守る会・都築事務局長からは、「5月末に4回目の総会を開催して久留里線・久留里~上総亀山間の廃線阻止に向けて運動を進めていきたい。あらためて協力をお願いします。5月27日には久留里線廃線に関する意見聴取が行われ、久留里の会7人と労働組合1団体が久留里線存続を訴えた。公共交通は、利益の問題ではなく人々が自由に鉄道を利用し移動できるようにすべきだ。今後も闘いますのでご支援をおねがいします」と決意を語った。
総会に寄せられたメッセージの紹介が行われた後、議事に入り、25年度経過報告、会計報告、会計監査報告、26年度活動方針案、予算案が提案され、質疑応答が行われた。
幹事会からの答弁を経て全体の拍手で一括採択された。
新役員の選出では、全員が留任となった。
そして最後に、「JR東日本は住民の反対の声に耳を傾けず、廃線届を提出した。これに抗議するとともに廃線届撤回を求める。地域の住民団体、自治体と連携してどの路線も廃線にさせない取り組みを進める」との総会アピールを全体で確認し、第10回内房線と地域を守る会総会は成功裡に終了した。


