新春インタビュー ― 幕張山田支部長に聞く

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外注化阻止闘争の第2ラウンドへ! 


山田支部長

■ 幕張支部は去年10月の外注化で20数名もが強制出向させられ、組合員がJRとCTSに分断され、支部長として大変な苦労をされていると思いますが。
山田 私自身10月1日を過ぎた頃は、出向に行かされた人の怒りをJRに残った者が持っているのか、本当に苦労を分かっているのかと悩みました。でも充電して元気になって、今年は第2ラウンドで絶対借りは返すし、全員組合員を戻すと決意しています。
青年部が全員出向に出されているんで、支部長としては、若い人が元気にこれから闘いをやっていくんだという気になっていれば勝負は勝っていると思うんで、彼らが元気が出ることに重点を置いて今日までやってきました。
でも、外注化によってこうも仕事がやりづらくなるとは思わなかったですね。それが会社側の狙いでもあるんでしょうが、CTSはこういう仕事はやらないとか、逆にJR側がやるとかやらないとか、外注化になった途端、現場どうしで利害が衝突させられるようになった。みんな怒りはもっているし、JRもCTSもなく闘う気持ちなんですが、そういう部分で職場闘争の方針を立てるのもなかなか難しくなったですね。

組織拡大で支部が一致団結―外注化を止めてきた最大の力
■ 外注化阻止闘争は、シニア制度との闘い以来幕張支部が牽引してきたと言っても過言ではないと思います。13年間闘いぬいて、全国の検修職場で怒りの声が噴きだす状況もつくり出しました。ありとあらゆる組織破壊攻撃を受けながら闘い続けることが出来た力や団結はどこから生まれたのでしょうか。
山田 組織拡大を実現することが外注化を止める道だと訴えてずっとやってきて、まだ少数ですが、幕張支部が一番始めに青年を組織拡大できたことが一番大きかった。3人の青年が入ったことで、組合員全員が外注化を止めよう、若い人たちが転籍にならないようにがんばろうという気持ちになった。外注化を止めてきたのはやっぱり組織拡大の力が一番です。かつて、脱退者も出るような状況の中で、田中委員長とシニア制度粉砕のオルグをやりぬいたことが土台みたいになって、青年部が3人来たことで一気に全部がまとまったという感じです。会社側も幕張には高卒新採を配置しないようにしたり当局の警戒も厳しかったですけどね。
幕張はそれなりに人数が多いので、中には意見が合う人も合わない人もいますが、組織拡大ができて若い人の面倒を見るという点では支部全体が一本になれた。これからも組織拡大で団結していくしかないと思うんですね。本当は外注化が強行される時にもっと組織拡大が出来ると思ってやってきたんですが、なかなか難しかった。でも、まだ全力を出しきれていない感じなんで、今年も組織拡大第一でやっていきたいと思っています。 


昨年の外注化阻止闘争。職場にのりこむ組合員(10/1)

おかしいことはおかしい
■ 去年10月の外注化強行をめぐる闘いの時、支部長は「とにかく一人一人の組合員が徹底して職場で闘えるスト戦術にしてほしい」と訴え続けていましたが、その時の思いはどんなことだったのですか。
山田 まだ外注化は止められると思っていましたし、だからこそ組織拡大しかないと思っていました。しかも、これは誰が見たっておかしい攻撃で、他労組だって誰も出向に行きたい人などいないわけですから、そのためには職場で平成採に対し「おかしいことはおかしい」と訴え、動労千葉が外注化を止める闘いをどう闘うのかを見せて、組織拡大につなげたいと思ったんです。ストライキをやっても、俺たちが職場にいない状態になったら意味がないという気持ちでした。
残念ながらその時点では組織拡大はできなかったんですが、そうやって闘うこところを見せたことは必ず今後につながると思っています。普段あまり言わないような組合員まで、本気でおかしいことをおかしいと言ってくれて、毎日毎日、CTSの説明から道具一つに至るまで、当局を追及して闘いました。彼らは何も答えられなかった。
他労組の組合員も言いたかったこと

があったと思うんですね。全部偽装請負ですから。出向に出されたことも誰一人納得していない。全部が声をあげていたらあの時点でも止められたし、これからも止められると思うんですね。今も、例え小人数だっていかにアタリを出すかということを日々、考えています。でも、本当にいい闘いが出来たと思っています。一番の反省は、そこで組織拡大できなかった事。いい闘いだけで終わらせずに今年は絶対組織拡大して、外注化を止めたいと思っています。

 このままでは重大事故が起きる
■ 外注化後の職場の状況はどうですか?
山田 CTS側もJR側もとにかく日々の仕事が回ればいいと様子を見ているだけで、どっちも責任を持とうとしていない。無責任な雰囲気が職場にまん延しています。現場当局だって、こんな外注化のやり方は誰も納得していないんでやる気を失っているのが現状です。このゆるみが絶対に事故につながると思います。外注化というのは職場をガタガタにしてしまうものなんだということを改めて感じています。今は現場がみんなベテランだから仕事は回っているけれど、これは恐いことだと思います。構内の内規もJRの頃とは違う。これまでの検修のルールもバラバラにされて、何をどうするのか全部があいまいで、誰もはっきりしたことを言えない状態です。間違いなく安全が崩壊する。いつか必ず取り返しのつかない重大事故が起きます。そんなことを許さないためにも闘わなきゃいけない。

労働組合つぶしを絶対に許さない!
■ 去年12月26日に強制出向の無効を訴える裁判を起こしました。外注化粉砕に向けて、労働者の酷い現実に一石を投じるような重要な裁判になると思いますが、この闘いにかける思いを。
山田 弁護士の先生も難しい裁判だと言っていますが、私は本来勝って当たり前の裁判だと思っています。就業規則に書いてあるからなんでもやれるというのは労働組合なんか全部否定するということです。シニアの時は、協定を結んでいないから再雇用はありませんと言って先輩方を解雇して、便宜供与の裁判の時も協約を結ばないから掲示板も無いんだと言っておいて、今回は出向協定も結んでいないのに強制的に出向に行かせられるのか。経営者としてそんなことが通用するのか。こんなのが通用したらまともな会社じゃないですよ。組合潰しのためなら何でもありなんて企業は潰れますよ。「就業規則にあれば仕方ない」ということになれば、何ヵ月かけて団交やったって何の意味もなくなる。労働組合があったってしょうがないということになっちゃうような現実は絶対許してはいけない。だから、勝てるんじゃないかと思っています。いったん外注化された職場で、闘って戻したというのは今までにないので、絶対勝たなければいけないと思います。裁判闘争に勝利して偽装請負だと認定させ、組合員を絶対JRに戻す。勝って組織拡大につなげたいと思います。

 幕張支部
山口 徹さん(53歳)
が加入!

 幕張支部に新たな仲間が結集しました。
「2月1日付けで動労千葉に加入しました。幕張車両センターに来て3年になります。JRに戻るためにも頑張りますので、よろしくお願いします。」

新たな仲間が結集!
―支部全体が本気になったとき組織拡大はできる
■ 新年早々、幕張支部では新たな組合員が加入しました。外注化強行後初めての組織拡大です。最後に、あらためて組織拡大に向けた決意をお願いします。
山田 組織拡大というのは、支部長とか役員が一生懸命やったからといってできるものではないんですね。やっぱり一般の組合員、支部全体が本気になったとき組織拡大は実現できると思います。今回加入してくれた人もそうですが、この間動労千葉に加入してくれた人たちは、役員でも何でもない一般の組合員が、仲のいい人とかを日常的にオルグをやってくれて、それが大きな力になっています。今回の加入も、私が知らないような所でもどんどんオルグを進めてくれていた。外注化が強行された後も頑張ってくれています。
職場はみんな元気があるし、怒りがあるし、全然負けたとは思っていない。これからも組織拡大をがんばっていきたいと思いますし、だからこそ裁判闘争にも勝利したい。
これからもよろしくお願いします。
■ ありがとうございました。

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