復旧が遅れた原因は、外注化と要員削減だ!–台風15号災害と復旧等に関して千葉支社と団交

 11月15日、動労千葉は、9月の台風15号に伴う各線区の被害状況及び復旧体制の問題、出勤・退勤に伴う指示や勤務の取り扱い、バス代行の問題、さらに、10月の台風19号により増水が予想されていた佐倉乗務員泊にわざわざ乗務員を宿泊させた問題等について、千葉支社との団体交渉を行い、追及した。
 団体交渉の概要は、以下のとおり。

100カ所以上で被害ー 外周は復旧拠点もない!

【台風15号関係】
組合 台風15号による被害状況を線区別に明らかにすること。
会社 詳細には回答できないが、おおむね次のとおりである。

◇総武本線 東千葉駅の屋根損壊による架線支障。倒木及び飛来物による架線支障。
◇成田線 倒木及び電化柱の折損。
◇外房線 倒木による架線切断。
◇内房線 倒木、倒竹による架線支障。
◇久留里線 倒木及び軌道盛土の流出。
◇鹿島線 倒木による支障。
◇空港線 倒木による支障。
◇総武快速線、緩行線 西船橋駅スレート 屋根の飛散による支障。
◇京葉線、武蔵野線 風による規制。
◇東金線 被害なし。

  全体として100カ所以上で倒木、倒竹等の被害が発生した。
9月13日に一部の運転を再開し、14日には久留里線の久留里~亀山間を除く区間で運転を再開した。久留里線は10月11日に久留里~亀山間を再開した。
組合 復旧が大幅に遅れた原因は何か。
会社 台風15号が最大級という状況により被害が大きすぎた。車で復旧に向かうにしても、倒木で道路が寸断され、現場まで入れない状況だった。さらに、東電の停電により給電できなかったことも復旧の遅れにつながった。会社としてはできることは最大限行ったと思っている。
組合 業務外注化により設備関係の拠点が外周地域にない中で、災害復旧体制が崩壊している状況があるのではないか。
会社 保線関係では、千葉、新小岩、西船橋、大網、成田に技術センターがある。さらに津田沼、木更津、勝浦、銚子に派出があり、JR、パートナー会社、協力会社含めて総体で対応した。
組合 事前の対策は行ったのか。
会社 事前に倒木の危険があるところは対策を行ったが、それ以上に台風の影響が強かった。
組合 千葉以東にほとんど拠点がない中で到底十分な対応ができるとは考えられない。
会社 千葉方面から事前に要員を送るなどの対応を行っている。
組合 こうした災害は来年以降も続くと考えられることから、体制の強化が必要だ。
会社 現行の体制で問題ないと考えている。

倒木や停電でバス代行できずー今後もバス代行は行う

組合 この間会社は、団交の中で「千葉以東は復旧よりバス代行を優先する区間」と回答してきた。しかし、今回も含めてバス代行はほとんど行われていない状況だ。台風15号の時のバス代行はどうだったのか。
会社 バス代行については、発生した事象毎に判断している。今回もバス代行を計画し、バス会社に打診した。しかし、倒木や飛来物による被害があり、さらに停電で道路の信号が停電したためバス会社から対応できないとの回答があり、今回はバス代行はできなかった。一部、久留里線で、久留里~亀山間のバス代行を行った。
組合 バス代行を行う場合の判断はどのように行うのか。
会社 以前「千葉以東は復旧よりバス代行を優先する区間」と回答しているが、線路内での支障が発生し、列車運行ができない場合にはバス代行で対応できると考えている。
組合 バス代行については取りやめたということではないということでいいのか。
会社 バス代行については、これまでと変わりなく対応していく考えである。

災害時の出勤・退勤の指示は明確に行うことを確認

組合 台風等の災害時に、出勤・退勤時の指示が曖昧になっている部分があり、混乱しているとの報告が職場から上がっている。たとえば、台風で列車の計画運休が予定されている中、どう対応するか電話連絡したら管理者に「社会人としての対応をとってほしい」と言われた。そのため本人は早めに出勤した。災害が予想される状況の中で、曖昧な指示は2次災害等を招くことになる。
会社 台風に際して、事前に指示を明確にするように各区への指導を行った。しかし、詳細まで指示できていない場合もあったと聞いている。
組合 台風の状況や列車の運行状況等を確認し、「自宅待機」や「タクシー利用」等明確に指示を行ってもらいたい。
さらに、退勤時の場合だが、出勤を指示され出てきたにもかかわらず、帰りの手段がないため、どうしたらいいのかを質したにもかかわらず、ここでも明確な指示が行われていない状況があった。帰れずに運輸区に2泊3日した者もあった。
会社 出勤を指示し、帰る際に電車が動いていない場合、タクシー、バス等を利用するように指導している。また、自家用車での出勤を指示した場合は、ガソリン代を出すようにしている。
組合 災害時における出勤・退勤の指示については明確にし、必要によりタクシー、バス等の利用を具体的に指示すること。
会社 了解した。

浸水の危険がある乗泊への宿泊は行うべきではない!

【台風19号関係】
組合 台風19号に際して、佐倉市のハザードマップでも浸水の危険性が指摘されている佐倉の電留線にある乗務員宿泊所に、わざわざ乗務員を宿泊させたのはどのような理由か。
会社 会社として問題意識は持っていた。翌日の出区との関係もあり、佐倉乗務員泊での宿泊所での宿泊という形になった。
組合 会社として、浸水の危険地域になっていたことは把握していたのか。
会社 把握はしていた。しかし、電留線までは増水しないと判断していた。
組合 しかし、浸水した場合、通路も狭く、避難することができなくなり、孤立する。しかも、9月の台風15号では、停電も発生し、エアコンも使えない状況になっていた。携帯も使えなかった。こうしたことが想定される中、孤立するような場所への宿泊は中止し、運輸区等での待機にすべきだ。
会社 今回は結果的に問題なかった。
組合 10月25日の大雨の災害の時はどのような対応を行ったのか。 
会社 佐倉市と連携をとり、水位計の情報などを確認しながら対応した。今回の大雨の場合も、結果的に水位はあがらず、浸水被害はなかった。
組合 「今回は問題なかった」等と回答しているが、それはあくまで結果であり、災害が予想される場合には最大限の予防措置をとるべきだ。危険な箇所には行かせないことが会社としての判断基準になるのではないか。
会社 結果論として回答したわけではないが、災害に対しては、会社総体で対応していきたい。
今回、団体交渉の中で組合側から指摘された意見、問題点については、会社としても今後検討させてもらいたい。
組合 今後、温暖化が進むといわれる状況の中で、今回と同じようなことが想定されるが、乗務員を含め労働者への危険がないように対処してもらいたい。
会社 意見は検討させてもらう。