尼崎事故2周年の汽笛吹鳴行動に監視・弾圧
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伝え聞くところによれば、貴組合は尼崎事故2周年の取り組みとして、4月25日9時19分に「汽笛吹鳴」行動を計画しているようであるが、かかる行動は、勤務時間中の組合活動に当たるとともに、行動の場所と対応によっては、お客さま及び沿線住民の方々にご迷惑をおかけする恐れがあるなど、決して行なってはならない行為である。 したがって、会社は貴組合が行なおうとしている「汽笛吹鳴」行動について中止を早急に検討するよう強く求めるとともに、仮にこのような行為を行なった国鉄千葉動力車労働組合の組合員に対しては、厳重に対処せざるを得ないことを申し添えるものである。 |
しかも、同時刻に運転する動労千葉の組合員に対し、運転台に2名の管理者を同乗させて監視したのである。
組合つぶしや労働者を監視するためにこれだけ膨大な管理者を動員できるなら、なぜ安全確立のために動員しないのか。尼崎事故を何と思っているのか。107もの生命を奪ったことを何と思っているのか。一体なぜこんなことをしなければならないのか。もはや怒りや憤りを通りこしてなさけない気持ちで一杯だ。JRという会社はここまで堕ちてしまったのだ。「闘いなくして安全なし」。改めて、運転保安確立に向けた闘いの決意を固めよう。
鉄建公団訴訟第11回公判報告
求釈明に答えよ!
大口弁護士が更新意見
4月25日、東京地裁で、1047名(動労千葉9名)の解雇撤回に向け、鉄建公団(鉄道運輸機構)訴訟第 回公判が開かれた。
この日の公判は、右陪席の裁判官が交代したため、更新意見の陳述(裁判の要点を改めて述べること)から始まった。
大口弁護士がたって、国鉄分割・民営化の矛盾が噴出していること、その最たるものである1047名の採用差別事件について皮相な形式論だけで切り捨てるようなことがあってはならないここと、この訴訟の進行にあたって、われわれが提出した何通もの求釈明書に対し、旧国鉄・鉄道運輸機構側が認否を拒み続けるという異常な対応が続いていることについて、怒りを込めて意見を陳述した。
具体的な事実を認否せよ
「求釈明書」とは、採用差別が不当労働行為であることを立証する前提として、採用差別の過程で起きた様々な事実関係について、旧国鉄側が、何を認め、何を認めないのか、またどの点について争おうとしているのかを具体的に明らかにするよう求めたものである。
例えば、われわれは、「停職6ヵ月以上、または停職2回以上の処分を受けた者」という、名簿不搭載=不採用の「基準」を決めたのはいつだったのか、裁判や労働委員会の過程でも、そうした基準で選別したことを何年も明らかにしなかったのはなぜなのか等を明らかにするよう求めてきたが、旧国鉄側は、こうした求釈明への答弁を何開廷にもわたって拒否し続け、この間の公判は、こうした不誠実な対応への弾劾に費やされてきたのだ。
この日の公判では、前回公判での裁判所側からの指示もあり、ようやく一部についての認否がされたが、またも核心的な問題については何も答えようとしない。弁護団が次々に立ってこの不当な対応を弾劾する。しかし、旧国鉄側の弁護士は、「必要なことはすでに答弁している」「これ以上答える必要はない」と言ってまともに答えようとしない。
不当な対応を裁判所が容認
本来ならば、指揮権をもつ裁判長が、全項目についての認否を指示すれば済むことである。しかし、裁判長までが「どうしましょうか。あのように言っているので、これまで答弁されたことを前提として進めるわけにはいきませんか」と、旧国鉄側の不当な対応を容認する始末だ。
この裁判で裁かれているのは、1047名の不当解雇を強行した旧国鉄やJRだけではない。裁判所も裁かれているのだ。なぜならば、この20年余りの間、誰も否定することのできない不当労働行為に目をつむり、国鉄改革法の超形式的な解釈だけで、われわれの必死の訴えを切り捨ててきたのは裁判所だからだ。これ以上こんなことをまかり通らせてはならない。
この日の裁判は、こうした旧国鉄と裁判所の不当な対応を弾劾し、次回公判に改めて準備書面を提出することをつきつけて終了した。
1047名闘争は、全体が政治解決路線に埋没する状況のなかで、深刻な分岐点にたっている。今こそ原則にかえり、闘いを強化しよう。
次回公判は、7月4日 11時?
東京地裁710号法廷