国鉄闘争全国運動6・8全国集会報告②
国鉄闘争の新たな発展を!
3労組・全国運動呼びかけ人からアピール
最高裁闘争に勝利しよう
全国金属機械労組港合同 中村吉政 委員長
98年、関西地区生コン支部、動労千葉、港合同が闘う労働組合の全国ネットワークをつくろうと11月集会を開催しました。その契機は組対法反対闘争と、国鉄1047名問題に対する東京地裁の95年5月28日反動判決に対する闘いでした。国家総ぐるみの不当労働行為を開き直り、労組法、労働委員会制度を否定する判決でした。こんなものがまかり通ったら不当労働行為、組み合いつぶし、首切りもやりたい放題になる。強い危機感と怒りが3組合の呼びかけの出発点になりました。
以降粘り強い闘いで10年4月9日の和解を許さず、今日まで全国運動という形で発展させ、闘いを貫いてきたみなさまがたに心から敬意を表したいと思います。6・29東京地裁判決、9・25東京高裁判決で不当労働行為を認めさせてきました。闘いを続けてきたからです。いよいよ最高裁です。何が何でも勝利させなければなりません。
国鉄分割・民営化から27年間、闘いぬいてきた成果が必ず実るであろうと確信をしています。私たち自身も逝去した故大和田事務局長に、本当に勝利したよと伝えることができるよう、みなさんとともにこれからも闘いぬきます。
大阪の現状について報告をしたいと思います。一昨年の橋下市長はまさに飛ぶ鳥も落とすという勢いで、刺青アンケート、職員基本条例、政治活動規制条例など労働者の団結破壊を公然と行いました。関係する労組はそれに対して大きな反撃をすることなく沈黙しました。
しかし橋下の人権侵害に敢然と立ち上がり、闘いぬいている仲間がいます。刺青アンケートを拒否した職員、「君が代」不起立で闘った教員、いずれも懲戒処分攻撃を受けて闘いぬいています。何より大阪都構想を実現するといっていた橋下の方針は崖から落ちるように崩れかけています。闘えば成果があると実感しています。
鈴コンの仲間がほんとにすばらしい判決を勝ち取り、闘えば必ず勝利すると教えてくれました。自信をもって、これからも困難な中ともに闘いを進みましょう。港合同も闘います。平和のために、働くものが本当に社会の主人公になるために、ともにがんばりましょう。
階級的運動広め勝利する
連帯労組関西地区生コン支部 柳 充 副委員長
関生は14春闘を政策闘争と名づけて今年も昨年同様、1万円の賃上げを勝ち取りました。
我々の業界でも外注化・アウトソーシングによって、そこで働く労働者がどんどん非正規化されていっています。そこで近年、非正規労働者の賃上げを果敢に上げていっています。今年も昨年同様、本勤労働者と同じように1万円の賃上げを獲得しました。
そのために今年も4日間ストライキをしました。セメントメーカーに、生コン価格の値上げや、関連業種の賃金底上げの妨害するな、運動を邪魔するなと闘いました。今年は昨年よりも大きな陣地を築けたと確信をしています。
本集会について、階級的労働運動をと、われわれもしっかり受け止めて支援しています。関生は共に前進して、運動全体を盛り上げていきたい。
情勢がものすごい勢いで変化しています。多くの労働組合が情勢の変化になかなかついていけてない。よくあるのが、要求を出さなくなる。要求を出しても、それに責任を持たなくなる。現状がしんどいから現状にあわそう。当然、賃金や労働条件は下がってしまう。職場の中の自治権が縮小し、運動がしぼむ。労働組合が弱体化してしまう。
ですからわれわれは一切妥協しない。われわれの業界の陣地はわれわれで守るんだと。生コン業界は中小企業が中心です。彼らが1万円を上げる原資がないというのは全然うそ。「ゼネコンやセメントメーカーといった背景資本の収奪を弱めるような政策をともにわれわれと歩め」「賃上げの原資は当然大企業からとるんだ」と中小企業を組織しています。
われわれはこの運動が一番普遍的に広がる、爆発的に広がる絶好のチャンスであると自負し、運動を展開しています。労働運動の再生には、この運動体を大きくすることも必要です。また、労働組合自らが自分たちの拠点をつくり、実例を作っていくことです。あちこちでストライキをやって、階級的運動を労働運動の中で広めていく。そうすれば、多くの人から共感を得られます。関西からどんどん戦域を広げて、階級闘争に勝利します。ともに闘いましょう。
新段階に入る全国運動
国鉄闘争全国運動呼びかけ人 伊藤晃さん(日本近代史研究者)
私たちは1047名解雇反対闘争を中心にした闘いと、分割・民営化を起点にして社会に蔓延している解雇、賃下げ、外注化、非正規化に対する闘争を結びつけようと活動してきました。それは大きな共感を呼び、高裁署名運動の成功に結びつきました。最高裁署名も5万筆を超え、全国運動は新段階に入りつつあります。
外注化や非正規化への怒りが全世界で広がっています。ある種の絶望感の中に、なにか闘いたいという願望が潜んでいる。表に出てこないのは、その受け手になるべき労働組合が何もしないからです。
1047名闘争は、もう何をやってもだめだという敗北思想に対して、労働者の力を結集することで何事かができるという思想がつくりあげたものです。それへの共鳴が署名に集まった。われわれとともに闘いたいという意思が署名ひとつひとつにこめられている。
わたしたちの運動は、こうした希望が夢・幻でないことを示してきました。鈴コン闘争は非正規労働者5人の闘争です。非正規労働者は、自分で団結をつくって力をもち、企業に対抗できると示した。闘わなければ不戦敗でした。しかし、資本と権力が社会全般に作りだしている「何もできない」という常識を打ち破っている。
動労千葉の5月2日のCTSでのストライキは、組合員だけでなくCTSの労働者全員を守るためのものです。外注化・非正規職化は、正規と非正規、本工と下請け労働者、大企業と中小企業といった仕切りをとりはらった。打ちのめされた立場に全労働者の生活と意識を突き落とす方向にです。これに対し、こちらからもJRとCTS労働者の仕切りを取り払おうと。労働者の共同と連帯に向かって。労働者全体が本来そうであるべき権利と生活に向かって。われわれは資本と権力の思い通りにはならない。
JR水戸の竜田延伸反対、国労郡山工場での闘い、新津工場での闘い。民衆を無力な存在に押し戻そうとする資本と権力に対して、そうではないと示しています。
怒りがわれわれの力への確信、明確な意思と結びついて絶望感を克服してきた。怒りの質が変わってきた。
まだ社会全体の流れを変わったとはいえない。しかし、私たちは流れを変えるきっかけをつかんだ。流れは変わるのではなく、変えるのだ。その主体としてわれわれは登場していく。
全国運動は引き続き、そういう全国の労働者の意識を結集し、経験の交流の場として働き続けたい。10万人署名をぜひ達成しましょう。最高裁に解雇撤回判決を出させましょう。
国鉄闘争の新しい出発点に
国鉄千葉動力車労働組合 田中康宏 委員長
国鉄闘争は30年近い闘いになります。最高裁の10万人署名運動も5万筆をこえました。全国の仲間たちの努力の結晶であり、大変な力を持ったものだと思っています。
4年前、国鉄闘争の火が消されようとする中で国鉄闘争全国運動を立ち上げました。孤立無援の中、どこまで全国の労働者の怒りに届き通用するのか。先が見えなくても闘い続けなくてはいけないという決意で始めました。
そうしたら全国の仲間がこの運動に力を与えてくれました。そして、これまでの国鉄闘争の現状を大きく乗り越え、東京地裁6・29判決や9・25の東京高裁判決まできました。労働運動の歴史に新しい1ページを築く大きな勝利が、この運動の力の結晶として勝ち取られた。
闘いはいま最高裁です。6月末の書面提出以降、いつでも判決がおろせる状況になります。しかし、判決は敵がおろすもので、闘いと運動はわれわれ自身がつくるものです。国鉄分割・民営化を通して後退し続けてしまった日本の労働運動が力を取り戻すまで闘います。
その時はきたと思っています。セウォル号事件で殺された300人の高校生の命をよみがえらせたい。日本ではJRの安全崩壊の現実。新自由主義、資本主義の最後の姿が世界中で労働者を殺しています。世界の支配者たちは戦争をしても生き延びようとしている。
こんなことを起こしたのは資本主義、新自由主義であり、規制改革、民営化、外注化をやった連中です。みんながその本質をわかってきた。韓国ではパククネ政権打倒の闘争になり、トルコではゼネストになっています。
ここに必要なのは団結した闘いで無数の労働者の怒りに展望を見えるように示すことです。それが国鉄全国運動の役割だと思っています。
私たちも職場から新しい挑戦を始めました。5月2日、CTSでストライキに入りました。外注化が安全を崩壊させ、下請けで苦しむ労働者が犠牲にされようとしている。だから絶対にCTSの仲間たちを守ると掲げました。下請けの労働者を貫いて、全職場に動労千葉を組織する決意です。そうすれば外注化は粉砕できるとストライキから教えられました。
動労水戸は、政府が推進する原発推進・輸出に真正面から立ち向かいました。福島県民を見殺しにされていいのかと、自らの職場・生産点からストライキでたちあがった。これも日本労働運動史に新しい1ページを記す闘いです。必ずすべての怒りの声をつなげて団結させる。
これらすべては、国鉄分割・民営化という戦後最大の労働運動の解体攻撃に負けなかったから実現できました。国鉄分割・民営化の結果、どれだけの労働者がひどい目に合い、団結を破壊されたのか。この怒りの声を体現して国鉄分割・民営化で失ったものを取り戻す。
そのために、ぜひ国鉄闘争全国運動に力を貸してください。この闘いで、僕たちは日本の労働運動の弱さ、限界を乗り越えてみせる。その新しい出発を今日果たしましょう。