「融合化」提案と闘おう!(下)

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(「上」から続く)

「融合化」提案と闘おう!(上)
5月26日、「現業機関における柔軟な働き方の実現について」 提案が行われた。「現業機関の職名をすべて廃止」「駅、乗務員等の業務の融合を進める」という重大な攻撃だ。この攻撃を許すわけにはいかない。すべての仲間は、ともにこの攻撃に反対し、闘いに...

●「融合化」提案の狙い

5月26日に出された「融合化」攻撃は、こうした各系統における大合理化攻撃を一つにたばねて一気にエスカレートさせるものだ。

現業機関の職名を全て廃止し《駅》《乗務員(運転士・車掌)》《店舗等生活サービス事業》《一部支社機能》を融合化した「新たな現業機関―(営業)統括センター」をつくるという。

それは単なる「融合」ではない。何よりも全社員の3割を占める乗務員の大リストラを狙ったものだ。まずは車掌が、発令通知すら必要とせずに「今日は駅」「今日は除草」「今日は店舗」と使われることになる。新現業機関=統括センターに支社課員が下ろされて、ハンドルを握ることが拡大されていけば、運転士も同じことになる。

現時点で会社は、「店舗の売り子として立ったり、委託駅の改札に立ったりすることはない」と言っている。だが、グループ会社内であれば労働者を自由自在に使えるという既成事実をつくり、「偽装請負」等の規制をなし崩し的に解体していくことも狙っていると見て間違いない。

●隠されていること

最大の狙いは、JR―グループ会社の大再編=水平分業を一気に進めることにある。それは労働者の転籍を伴う大規模な外注化・総非正規職化攻撃に他ならない。

「融合化提案」「駅の変革」等で一番奇異なことは、現実にはガンガン進行している攻撃でありながら、最も肝心な点が隠されていることだ。

  • 駅などをどこまで外注化するつもりなのか
  • 直営に残る現業はあるのか、残るとしたらどの範囲なのか
  • 水平分業というが何をどうするつもりなのか
  • 水平分業で現場の労働者はどうなるのか
  • 駅外注化によって運転士に養成する要員が居なくなろうとしているが、この矛盾をどう解決しようとしているのか
  • 乗務員以外の現業は外注化がガンガン進められているが、乗務員はどうする気でいるのか
  • 融合化提案と外注化との関係はどう考えているのか

などの問題だ。JRは、こうした肝心なことは全部隠したまま、“融合化だ!”“付加価値創造だ!”と言って労働者を鞭で打ち続けている。こんなやり方は絶対に許されない。

●「水平分業」のペテン

大再編はすでに始まっている。『NEW DAYS』や駅そば、駅弁、『AQUA』等の生活サービス事業等を運営する子会社4社が合併され、「JR東日本クロスステーション」という大企業が作られている。会社内に4つの“社内社”(リテールカンパニー、フーズカンパニー、ウォータービジネスカンパニー、デベロップメントカンパニー)を置くカンパニー制度がとられている。トヨタや商社などが、競争と自己責任を煽るために採用しているものだ。

また、JR東日本メディアはJRの子会社から外されて、「東日本企画」の子会社になっている。

JR東日本は「水平分業」とキレイ事を言うが、それは何層もの子会社に垂直に突き落としていくことを当然含むものだ。大規模な外注化―労働者の総非正規職化・低賃金化攻撃に他ならない。

「クロスステーション」で働く膨大な労働者はそのほとんどが非正規職だ。現業の職名全廃攻撃の背後には、将来的には鉄道部門で働く労働者もそうした地位・処遇に落としたいという意図が隠されている。

●競争は幸福を生まない!

JR東日本は、“職名全廃”というショックドクトリンをもって、鉄道の様々な職種・仕事の専門性・技能、経験など“何の価値もないもの”“評価に値しないもの”として扱おうとしている。労働者の誇りを打ち砕き、際限のない競争に駆り立てようとしている。

“それは社員と家族の幸福のためだ”と言っている。だが、“競争こそ豊さの源泉だ”が真っ赤なウソだったことは、この30年余りの経験が教えている。生み出されたのは「2千百万人の非正規職」「超格差社会」「ワーキングプア」だった。幸福どころか人々の生活はなぎ倒されていった。

それは労働組合を潰すことによって可能になった。こんな社会はもう沢山だ。声をあげよう。あきらめたらその時点で“試合終了”だ。動労千葉に結集し、ともに闘おう!

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