乗務員の労働時間を削り取るな!
10月22日、動労総連合は「乗務員の業務等の見直し」提案に対する申し入れ(申第18号)を行った。
この提案は、実際に乗務員の仕事は変わらないのに、机上の論理だけで乗務員の労働時間を削りとるものだ。そして、さらなる労働強化、ロングランを強制する攻撃だ。
「労働時間をつけなくても乗務員は早目にいかざるを得ないから、早目出場の3分を労働時間から削る」というやり方は「業務見直し」と呼べるものでさえない。「起床後の付加時間5分を廃止」も、業務は何一つ変わらないのに労働時間だけを削り取るものだ。仕事の実態とは何の関係もない。
ジョブローテーションや融合化・職名廃止など、乗務員がこの間の攻撃の焦点になっている。こんな形で労働時間だけを削り、乗務員の労働条件をさらに切り下げるなど絶対に許すことは出来ない。
会社は「乗務員の業務等の見直し」をただちに撤回しろ!
- 「乗務員の業務等の見直し」については、安定輸送を脅かし、旅客の利便性を低下させるとともに、働きやすさに繋がるものとは言い難いことから次の点について明らかにすること。
- (1)出勤予備の労働時間を、乗務員勤務の一日当たりの労働時間とした理由について。
- (2)エンド交換等において「注意」するとしているが、「等」とは何を示すのか。また、終着まで車両状態を確認する必要はないとはどのような考えなのか。
- (3)発車看視における状態注視は、モニタでの把握ができないもの(パンタへの異物付着等)がほとんどであるが、発車看視時に発見できる事象に対し、モニタできる走行中の状態把握とは何を指すのか。
- (4)車掌に対する知識習得が期待できるとしているが、車両状態に注意することとなることから、責任が伴うことになるのか。
- (5)点呼箇所と休養室間の移動時間の取り扱いについて、一部労働時間として扱っている例があるとは、どれくらいの例があり、どのようなケースがあるのか。
- (6)「ワンマン運転を見据え、運転士の声を反映しやすくすることが期待できる」とは、どのようなことなのか。
- 発車看視の見直しについては、乗り継ぎ時点における列車(車両)状態の注視は安全の確保に重要な位置を占めており、車両に対する安全や安定輸送を損なうことから、中止すること。
- 今回の施策は、拘束時間内における労働時間を削減することのみを目的とし、安全を損ねるものであることから、施策を中止すること。
- 「車両の性能向上により、モニタ等で車両の状態を今までより把握できるようになってきている。」としているが、モニタで把握できるものとできないものがあり、今回、見直しポイントとしている項目においては、把握できるとは言い難いことから、関連項目について施策を中止すること。
- 早目出場の見直しについては、「3分前出場の本質は変わらない」としているが、指示はしないとしながら、ノーペイの時間での暗黙の強制をしていることから、中止すること。また、会社としての、早目出場についての考え方を明らかにすること。
- 入区点検の見直しについて、「留置手配」に変更し、項目を指定し、「車両の留置に必要な取扱いはこれまでどおり」としているが、これに関して、会社の考え方を明らかにすること。また、不測の事態に遭遇した場合の対応も想定されることから、中止すること。
- 起床点呼後の付加時分の見直しについて、見直し後は、行先地における点呼時分内での点呼が求められることとなるが、点呼時分内で収まらなかった場合、その後の作業推移も含めて、考え方を明らかにすること。また、十分な時間を確保する観点からも逸脱する施策であることから中止すること。