JR東日本が5月18日に提案した「乗務員勤務制度の見直しについて」なる提案は、乗務員勤務制度の抜本的な解体を狙う重大な攻撃だ。
その主な内容は、①「育児・介護との両立」を口実にして朝夕のピーク時間帯にも短時間行路を設定、②支社課員、当直、指導員に定期列車への乗務を指定、③短時間行路は乗務割交番から外し、④乗務割交番内の勤務は実乗務の割合を増やす、というものだ。
乗務員勤務制度〝解体〟攻撃ゆるすな
これは、乗務員勤務制度の改悪というレベルに留まらず、乗務員についての考え方の根本的な転換・解体を孕む内容だ。
早朝に短時間乗務してから支社に出勤して勤務する。早朝に乗務して当直業務をやり、また夕方に乗務する。そんな勤務を組むというのだ。さらに、指導員の場合は短時間行路だけでなく、長時間行路も指定できる提案内容になっている。しかも、その際の勤務指定は乗務員勤務ではなく「日勤」「変形」「交代」とするというのだ。
乗務労働を「片手間でできる仕事」「資格さえ持っていれば誰でもいい」と扱おうということだ。まさに乗務員勤務制度そのものの解体につながる大攻撃だ。
乗務員ではなく〝保安要員〟に
千葉支社では2020年までに内房線・君津以南、外房線・上総一ノ宮以南、鹿島線のワンマン化強行が狙われている。ピーク時間帯を支社課員や当直などで回し、ワンマン化を進める。そうすれば、当面起きることは乗務員、とりわけ車掌の極限的な削減だ。
さらに、提案資料の図では、「現在」の部分では「乗務員」「運転士」「車掌」とされているが、「将来」では「輸送サービススタッフ」とされている。つまり、その先には乗務員という考え方そのものをなくしてしまおうと企んでいるのだ。
ある本社幹部は、「すでに無人運転ができる技術が開発されているのだから乗務員を特別扱いする必要はない。乗務員手当など廃止する」と公言している。そして、この提案と同日に発表された深澤社長声明では「自動運転技術の開発」と露骨に打ち出されている。この提案は、そうした発想の下につくられたものだ。
ワンマン運転拡大に続き、自動運転や無人運転を拡大し、列車に乗るのは運転士でも車掌でもなく、単なる「保安要員」。それが会社の最終的な狙いだ。
全JR・関連会社の未来かけた闘い
こんなことで鉄道の安全が守れるはずがない。しかも、乗務員勤務制度や乗務手当は、全JR労働者の権利破壊の歯止めになってきた。それが破壊されるということは、全JR・関連会社で働く労働者の権利の根本的な破壊、分社化・転籍への突破口が開かれることを意味する。
この攻撃を許すことは絶対にできない。今こそ職場から声をあげるときだ。不利益変更は職場の過半数の労働者が容認しなければ絶対にできない。声をあげれば必ず事態を動かすことができる。乗務員勤務制度〝解体〟攻撃を許すな! すべての仲間は動労千葉に結集し、ともに闘おう。
*職場討議資料の活用を
乗務員勤務制度改悪提案に対して、職場討議資料を作成しました。職場の仲間との討論に活用し、現場からの反撃をつくりあげよう。
6/23第79回定期委員会に結集を!
6月23日の第79回定期委員会は、乗務員勤務制度改悪、外注化・別会社化―転籍、検査体制縮小、ワンマン運転―ローカル線切り捨てといった「第3の分割・民営化攻撃」と対決する闘争方針を確立する場となる。大結集で成功させよう。
日時:6月23日13時~ 場所:DC会館にて