改憲をめぐる情勢が切迫しています。安倍首相は年頭の会見で「今年こそ憲法のあるべき姿を示す」と表明しました。3月25日の党大会までに自民党案を一本化し、秋の臨時国会で改憲を発議する、そして来年春には国民投票を実施するというのです。5月1日の新天皇即位、その秋に行なわれる即位の礼、大嘗祭の過程を「静かな環境」で迎え、2020年に新憲法を施行するには、改憲国民投票のタイミングは来年春しかないと判断したのです。
事態は風雲急を告げています。戦後70余年にわたって阻んできた改憲の扉が開け放たれようとしています。憲法9条に「自衛隊保有」を明記することは、金魚鉢に青酸カリを投げ込むに等しいことです。それは、戦争放棄・戦力不保持を定めた9条が戦争を合法化する条項に変わることを意味します。
そして、「敵基地攻撃能力の確立」を掲げた大軍拡が推し進められています。財界は「防衛産業を成長戦略の柱に」と要求する意見書を政府に提出し、兵器開発や軍事研究に大企業や有名大学が競い合うように参加し始めています。
戦争法を制定し、共謀罪を制定し、Jアラートなど、朝鮮半島をめぐる戦争の危機を煽り立てることそのものが、憲法改正の事前の準備として意図的に作られているのです。マスコミと教育に対する激しい攻撃をかけ、戦争の危機がすぐそこにあるかのように、国民全体の意識をもっていこうとしています。
闘いの最も重要な原点
「改憲だけは絶対に許してはならない」「二度と戦争をしてはいけない」「教え子を再び戦場に送らない」は、戦後、焼け野原の中から再出発した日本の労働組合、民衆の闘いの最も重要な原点でした。それは、1987年に中曽根首相(当時)が、「総評・社会党をつぶし、お座敷を綺麗にして立派な憲法を安置する」と言って、国鉄分割・民営化を強行した後も30年、改憲に手をつけることができない力関係を形成した無形の力でもありました。また、沖縄、広島・長崎、福島、三里塚における営々たる闘いがその土台を支えてきました。安倍政権はそのすべてを解体し、この国を「戦争のできる国」に変えようとしているのです。
なにが戦争を生み出すのか
安倍の成長戦略・アベノミクスと言われる滅茶苦茶な経済政策は、とにかく政府が国債を発行し、それを全部日銀が引き受けて、それに株まで引き受ける、年金の資金を株に突っ込んで、市場に金を膨大に出して行くという形で成立してきました。戦費を調達するために戦時国債を発行し、それを全部日銀が引き受けて戦争を支えてきた歴史があります。その戦争の反省から、財政法の5条で国債を日銀が直接引き受けるというのは禁止されています。だから、いったん市場に出したという形をとって、時間差で買っているだけで、実際上は直接引き受けているのと同じことなのです。
毎年80兆円の国債を買い続けているという状況の中で、日銀が抱えている国債は500兆円に達しています。臨界点は国内総生産を超えた時だといわれています。これが今年、GDPを超えます。これが破綻したときに、日本の経済は、財界はどうなるのか、こうした出口のない危機が戦争を生み出しているのです。
自民党大会に大デモを!
すべての組合員のみなさん!「東労組崩壊」情勢の中で第3の分割・民営化攻撃=全面外注化・転籍攻撃と対決し、18春闘勝利、3月ダイ改阻止、組織拡大の闘いに全力でたちあがろう。
そして、労働者の誇りにかけて、改憲と戦争に反対する。秋の国会で改憲発議をさせない闘いを開始しよう。「改憲案」をまとめる、3・25自民党大会を許さない大デモへ!
9条改憲発議絶対反対! 3・25大行進
3月25日(日)午後1時~3時 日比谷野音
主催 改憲・戦争阻止!大行進 実行委員会