「『復旧・復 興』や東京五輪が喧伝されている一方で、福島では甲状腺がんで苦しんでいる子どもたち、そしてその家族がいるわけだよね。それはもう耐えがたい欺瞞ですよ。常磐線全線開通はその最大の目玉として位置づけられている。常磐線全線開通との闘いは、福島で覆い隠されている虚構を全部ぶっ飛ばす力を持った闘いです。」 |
JR東日本は12月10日、東日本大震災によって不通となっていた常磐線の浜吉田―相馬間の運転を再開し、仙台―小高間を直通させようとしている。来年春には小高―浪江間の開通をも狙っている。被曝と帰還を強制する常磐線開通を阻止しよう。
「被曝か貧困か」を迫る避難指示解除
安倍政権は、帰還困難区域を除く避難区域について、来年3月までに避難指示解除を狙っている。
今年6?7月には、葛尾村や南相馬市小高区など居住制限区域を含む避難指示が解除された。しかし、実際に地元に戻った住民はどこの自治体でも約1割しかいない。
政府は、来年3月で「自主」避難者への住宅の無償提供を打ち切ろうとしている。さらなる生活の破壊か被曝の強制かの選択を迫っている。
労働者と乗客の命を踏みにじるJR東
8月、自民・公明の復興加速化本部は、「将来的に帰還困難区域のすべてを避難指示解除し、復興・再生に責任をもって取り組む決意」と表明した。大部分が帰還困難区域となっている双葉町や大熊町をはじめ7市町に「復興拠点を設定し、整備する」というものだ。
年間50㍉シーベルトを超える高線量地域への住民の帰還の強制、それに先立つ除染労働者、自治体労働者やインフラ整備を担う労働者への被曝の強制は殺人的暴挙だ。
すでにJRは帰還困難区域での試験除染を開始している。JRが線路上の空間線量について発表している資料でも、年間150㍉シーベルトに達する区間がある。このような超高線量地域に列車を通すなど絶対に許してはならない。
11月22日早朝に起きた福島沖地震では、北茨城からいわき市内の海岸付近の列車は津波警報解除まで半日間放置された。乗客は避難誘導されたが、高線量地帯の場合どこに誘導するのか。
オリンピックのために避難者切り捨て
復興加速化本部はまた、東京オリンピックまでに「住宅や学校など市街地にある黒いフレコンバッグの汚染土壌をできるだけ早く中間貯蔵施設に搬出」が実現できれば「世界中の人たちが評価してくれる」「風評の払拭(ふっしょく)につながる」と述べている。東京オリンピックという巨大利権のために震災・原発事故をなかったことにし、被災者・避難者を切り捨てることなど絶対に許してはならない。
JRは仙台―小高間の直通運転再開で「震災は終わった」として、外注化を一挙に進めようとしている。JR東日本は、鉄道職場をバラバラに外注化・分社化し、鉄道の安全よりもカネもうけにひた走っている。
11月24日、JR東日本本社は「1047名解雇撤回の当事者ではない」と団交を拒否してきた。常磐線開通反対闘争を、1047名解雇撤回に向けた抗議闘争としても闘いぬこう。大結集でJR本社に怒りの声を叩きつけよう。
12・10常磐線開通反対闘争
仙台 13時 JR仙台支社包囲デモ
福島 12時 原ノ町運輸区抗議行動
東京 12時 JR東日本本社抗議行動