九州労の集団脱退や坂入拉致監禁事件一JR総連による革マル派の告訴というかたちであらわになったJR総連革マルと革マル本体の抗争はまさに泥沼化しようとしている。
革マルの内部抗争は泥沼化
昨年12月、JR総連革マルは、警察への告訴のみならず、革マル派学生の顔写真を掲載して「彼らが拉致・監禁の犯人だ」とする指名手配書のようなビラをつくって駅頭や革マル派の事務所周辺で配布するにまで至った。
他方、革マル本体の側は「わが同盟の戦闘宣言」という文書をだし、「JR総連本部執行部ならびに九州労残存北執行部を階級敵と断罪し、これを打倒するこ とを宣言する」としたのだ。その論理は、「党内問題を直接的に組合問題として外化することは党規約違反だ」というものだ。要するに「革マル党員のくせに革 マルを権力に売り渡したから打倒する」ということだ。
受け入れを拒否
また12月20日、JR連合の九州労組は、JR総連九州労からの737名の大量脱退について加入届を返却することを決定している。その理由は「拉致され た坂入が仕組んだ大量脱退はJR革マル派が仕組んだもぐりこみ戦術だと暴露している以上受け入ればできない」というものだ。
これに対して集団脱退した側は、「約束不履行だ」として抗議声明をだしたり、署名運動を行ったり、「約束を守らせる会」なるものまでつくって、JR連合九州労組への加入を求めるという異常な対応を行っている。
坂入の自己批判
さらに、革マルに拉致された坂入は未だ行方不明だが、その坂入名で「私を利用し、革マル派を権力に売り渡すJR総連の一部指導部を弾劾する」という自己批判書が革マルの機関紙に掲載され、また様々な所に送付されている。その内容は、「私は拉致・監禁などされていない。党内議論をしているだけだ。私が革マ ルをJR連合にもぐり込ませるために組合員を九州労から脱退させたり、会社から迫られて革マルとは一線を画すという指導を行ったことを自己批判する。自ら の誤りに気づいた私はJR総連の執行部を許すことができない。告訴や捜索願を直ちに取り下げよ」というものだ。
この文書が、坂入本人の意志によるものなのか、革マルに強制して書かされたものなのかは知るよしもないが、JR総連は、これに対抗する文書を乱発し、泥沼のような抗争を続けている。
事態は明確だ!
こうした一連の事態から明らかなことは、①坂入を拉致・監禁した側も、それを告訴したJR総連の執行部側も、どちらもゴリゴリの革マ ルであること、②権力や資本の側からJR総連に対して「革マルと根本的に手を切れ」という圧力がかかるなかで、革マル本体とJR総連革マルの矛盾が激しく なり、JR総連革マルが革マル本体から集団脱党する事態が起きたこと、③JR総連革マルは、松崎を先頭に、権力や資本との癒着をより一層懇願しつつ、革マ ルのファシズム的体質をそのまま維持して、「JR総連革マル党」「第二革マル」のようなかたちで、必死の生き残りを画策していること、なのである。
松崎がついに口を開く
こうした事態のなかで、卑劣にも沈黙しつづけていた松崎が、12月9日のJR東労組全支部委員長会議のなかでついに、「私は、かつて革マルの活動をやっ ていたことがあるが、今は完全に手を切っている。私を組織に止めておけば資金の提供も十分にしてもらえると思い、われわ}れに対抗するような新聞などを、 投げ込んで、私を苦しめているんだと思う。私は彼らの考えているようなことは絶対にしないつもりだ。革マルの攻撃から会社を守っていこうではありません か」と発言する至つた。
松崎は口を開くや、これまで組合費などJR総連のカネを革マルに横流ししていたことまで認めたのだ。そして松崎は「革マルの攻撃から会社を守る」と称し て、これからも一部の革マル役員と会社の癒着・結託体制を維持するためには何でもすると宣言したのだ。ここにあるのは徹底した組合員不在の思想だ.。大事 なのは自らをはじめ一部の革マル役員が会社と癒着して旨い汁を吸い続けることができるかどうかだけだ。
これからも、組合費は会社とめ結託体制を維持するためだけに使われ、合理化や労働強化はこれまで以上にすべて容認し、組合員は虫けらのように扱われて、 労働者にとって何ら関係ない革マルの内部抗争や、JR連合・国労解体のためにだけ動員されることは間違いない。だから先の講演でも「われわれの敵は革マル だけではない。われわれの組合を民主化しようと攻撃している弱小組合がある」などと称して、革マルの醜悪な内部抗争と同じレベルで国労などを攻撃するので ある。
決別しよう!
JR総連の革マル支配は、もはや腐りきって末期症状を呈している。革マルと手を結ぶことで成立していたJRの労務政策は今や完全に破たんした。JRに本物の労働組合を創り直そう。