派出業務解体・業務融合化やめろ! 9/20 首都圏本部団交

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申第21号「駅派出検査体制等の見直しに関する申し入れ」

会社は駅派出業務の本区との融合化を10月1日から強行した。これに先立ち、9月20日に首都圏本部との団体交渉を行った。交渉概要は以下の通り。

対応できない業務が出る

組合 各派出の出動件数、内容は?

会社 23年度(23年4月~24年3月)の実績としては、
品川派出は1436件(日平均3・9件)
千葉派出は774件(日平均2・1件)
西船橋派出は523件(日平均1・4件)
東京派出は1427件(日平均3・9件)

内容は、座面交換、カーテン不具合の対応、貫通自動ドアの動作不良対応、車内表示不良対応、乗務員室の出入扉錠の不具合対応、乗務員室・客室設備修繕、添乗検査、倒木後の処理対応、人身事故等の対応、踏切事故対応、トイレ不具合の対応等。

組合 千葉派出と西船橋派出における、日中時間帯の出動件数はどうか。

会社 10~17時で23年度の数値を出した。千葉派出は298件、西船橋派出は251件。

組合 千葉派出で言えば、幕張車両センターから千葉まで出動する際の想定時分はあるのか?

会社 決まったものはない。

組合 幕張から千葉なら30分くらいだ。実際にあった例で言えば、17時5分着の車両の対応をしてくれという連絡が、指令から16時半過ぎにきた。アプリで連絡を受けたのが40分ころ。列車到着まで25分しかない。5分、10分前に来る依頼もある。対応できないものがでてくる。

会社 千葉駅折り返し場面では本区からの出動になって時間がかかる。幕張の場合、検修当直に指令から要請が来て、作業する場所を検討することができる。千葉駅に限らず対応する。事象によっては運用変更もありうる。

組合 NEXは津田沼には止まらない。乗り込んでくれとなった時、「千葉で乗り込めないから津田沼で臨時停車させて乗り込む」ということも想定しているのか。

会社 あまりないと思うが、事象によっては指令の判断でありうる。必要に応じて検査対応で臨時停車の可能性はある。

「昼は技管が対応」となるのでは?

組合 京葉車両センターの場合、業務用携帯を応急処置班に持たせて指令から直接連絡が行く。幕張の場合だと検修当直経由だ。違いは?

会社 幕張と京葉で車両センターの考え方、環境等も含めて判断している。京葉の場合は技術管理室の配属だ。本線対応班の2名が業務用携帯を常に持って、技管業務等を行いながら対応を受けたら出動する。

組合 その判断は首都圏本部が行っているのか?

会社 首都圏本部も入って各区とも話して決めている。京葉の場合、技管業務は、企画業務へのステップアップを視野に入れている。派出対応する者も、企画業務へのステップアップを視野に、技管業務の一部にも対応できるようにする。幕張の場合、保全グループが臨時修繕に入っていれば技管から出動することもある。

組合 考え方が別ということか。

会社 各車両センターの考えもあるが、全く別ではない。現状の派出検査は、千葉と西船橋の在勤指定が固定されている。硬直的な働き方、業務ではなく、様々な経験をし、活躍フィールドを広げてもらう。本線対応を多くの人が経験して技術力を高めていくということは同じだ。

組合 幕張の場合、応急処置班は臨検詰所にいて、指令から仕事が来れば検修当直から連絡が来る。ただ臨検に入っていたら、その仕事を途中でやめて行くのか。中途半端に作業するのは ミスに繋がるということで、基本的に作業中断しないはずだ。

会社 作業中断は基本的にはしない。業務の采配の段階で配慮はする。作業中で中断できない場合、技管から出動することもある。

組合 「迅速に対応することが可能」と回答しているが、基本的に庁舎に詰めていて連絡があれば出られるのは技管だ。基本的に技管が行くとなるのではないか。

会社 そうなるケースは多いと考えている。

組合 「本区の人の本線対応経験が少ない」というが、結局「経験させる」のは技管ということだ。

会社 応急処置班も出動できる状況なら出る。

組合 応急処置班と直接連絡できない。戻ってきてから出動となれば、それだけで時間がかかる。「早いのは技管から」となる。

会社 行きやすいのは技管だがケースバイケースだ。それも含めて管理者等が采配する。

組合 スカート修繕、LCUの基盤交換、何らかの立ち会いなどが入ったりする。応急処置班とは名ばかりになる。昼間は技管が本線対応で、夜だけ派出に詰めるとなるのではないか。

会社 作業の運用で配慮する。日勤帯が丸々対応できない状態になるとは考えていない。日中時間帯は本区の業務がある。夜間は大体 当直業務のみになる。日勤の業務を伸ばしながら対応していくという趣旨だ。

組合 派出でやっていた本線対応を「技管にやらせればいい」とならないか。幕張も、京葉と同じ体制にするとなりかねない。説明でも「スキルアップ」「ステップアップ」などと言っている。

会社 箇所によって判断の仕方が違うことはある。京葉の場合、技管、企画業務を強化したい。幕張の場合は、臨修業務がある。

組合 臨検の人が足らないからではないのか。

会社 そうではない。幕張の方が臨修業務が多い。本区と融合すれば、本区業務の補助、対応ができる。

応急処置班の指定は?

組合 応急処置班はいつ決まるのか?

会社 勤務指定で決める。

組合 会社は「副業」を進めている。「副業に支障がある」ということが指定に影響するのか。

会社 副業は仕事内容の考慮には入らない。本業優先が前提だ。

組合 派出で泊まる場合も出退勤は本区。退勤時も直帰にはならないということか。

会社 そうだ。携帯電話やIP無線など指定物品も本区での管理になり、持ち帰ってもらう必要がある。移動時間も業務時間で、派出退勤は考えていない。

「生産性向上につなげる」

組合 本区に入区させて直すだけではないから派出がある。

会社 本線対応は基本的に応急処置だ。

組合 応急処置ではない。基本的に直す。本線で異常がある車両が走っているなら、例えば「蛍光灯一本でも本区に入れて直す」とすべきところを派出がカバーしている。本区と融合化して技管をやらせたり、臨検をやらせたりして、何かあったら出動とするより、派出を置いたほうがいろんな箇所で対応できる。

会社 車両は壊れづらくなっている。壊れた時も運行可能にする処置を乗務員が基本的にできるようになってきている。一方で、壊れやすい部分もあり、外部要因の故障もある。本線対応業務がなくなるということではない。

組合 だからこそ、派出を残すべきだ。

会社 件数を見れば手待ち時間はある。そこを有効活用して業務にあたってもらい生産性向上につなげる。

組合 待機は遊んでいるわけではない。道具の整理、事象の共有などもしている。派出の手待ち時間にどんどん仕事をやらせようということなのか。

会社 道具の準備や事象の共有、引き継ぎ等は必要だ。さらに有効的に時間を使ってもらうということだ。

組合 なぜ本区にいるのが日中帯なのか。昼も夜も何かあれば出動することに変わりない。

会社 例えば車両センターにいれば、車両センターで実施している教育や打ち合わせ等も時間があれば参加できる。また本区で直接知識の共有も可能だ。

組合 本区との共有はすでにしている。経験しないとわからない。融合化は結局、「昼間は技管、夜は派出から」となる。

会社 応急処置班に指定するからには臨時検査班から出られるように配慮する。

組合 京葉のように携帯を持たせているから、連絡があればすぐに出動できるというならまだ分かる。しかし、検修当局を経由するなら早いのは技管だ。

会社 作業中に電話がかかってくると集中が切れて危険なことがある。携帯については検修当直が持つ。作業中に電話応対がないようにする。

派出体制の強化が必要

組合 会社はモニタリング装置導入なども進めている。今後、派出見直しをさらに考えているのか。

会社 車両の改良で運行体系等は変わる。運行体系、車両故障の発生件数、車両センターの立地条件などに応じて検討していく。

組合 自然災害等も増えているし、千葉は獣害も多い。木更津派出は臨検に特化しているわけではない。鴨川、一宮、銚子と派出があって臨検や入換をやっていたものを廃止・縮小している。房総方面で実際に動けるのは千葉派出しかなくなった。その中での融合化。外周区も含めて派出体制を強化すべきだ。

会社 過去に比べて車両が新しくなり、故障は減っている。運行状況、対応時間、発生件数で検討する。

組合 車両故障が減っても外的要因の方が多い。内房・外房の対応も千葉から出動できた。今までできた対応ができなくなる。

会社 車両センターから出動する体制は整っている。運転再開に処置が必要なものには駆けつける。それを含めた体制見直しだ。

組合 移動時間が余計にかかる。その間に何かあれば、本来なら出動できたとなる。

会社 その分、本区での業務をやってもらう。急遽のものについても対応箇所は検討し、できるところで対応する。

組合 5分、10分前に連絡が来ることもある。今の派出を残すべきだ。支社管内の派出体制をずっと縮小してきた中での体制見直しだ。改めて外周区を含めて派出体制を強化すべきだ。

以上

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