春闘速報 歴史的な転換点!
雇用と賃金の解体を許すな!
大幅賃上げ獲得!ベアゼロ回答打破! 差別・能力給の導入を許すな! 腹の底から怒りの声を!3・28〜31ストに起とう!
「労組側総崩れ。日本の賃金制度は歴史的な転換点を迎えた」・・・3月13日、金属大手(自動車・電機・鉄鋼・造船重機)の集中回答が行なわれた。回答は殆どの企業がベアゼロである。しかも経営側は、「将来にわたってベア論議が復活することはありえない」と宣言している。 また、電機などはでは定昇に手がつき賃下げが強行された。定昇を維持した企業もほとんどが来年に向けて、定昇制度を軸とした年功制賃金そのものを抜本的に見なおすとしている。日経連の号令のもと、各企業は資本の本質を剥出しにして、終身雇用制を解体し、労働者の雇用・賃金・労働条件、そして生きる権利そのものをを根こそぎ破壊する攻撃に全面的に打ってでたのだ。
史上空前の利益をあげる「トヨタ」がベアゼロ回答 「一人勝ち」と言われ、1兆円という史上最高の経常利益をあげているトヨタまでもがベアゼロ回答を強行した。以下の企業はトヨタのベアゼロを基準としてどれだけ賃金を引き下げるのか「引算春闘」だなどと言われている。 これは資本の側がこれまでの構えを根本的に変えたことを意味する。利益があがろうが、あがるまいが、ベアをはじめ、これまでの賃金と雇用の在り方を全てつき崩すということだ。
JR西日本・東海がベアゼロ!・・・「今後はベアの考え方はもたない」 翌14日には、JR西日本がベアゼロ回答を強行した。しかもベアゼロというだけではない。「今後はベアの考え方はもたない」という回答だ。 JR西日本はすでに年功制賃金を解体し、「年令給」と「職能給」からなる差別・能力給賃金制度を導入している。「年令給」は40歳過ぎから下がりはじめ、「職能給」は5ランクに評価づけされる。昇給も評価によって大幅な差が生じる制度だ。そして今度はベアという考え方そのものを廃止するというのだ。 14日には東海もベアゼロ回答を行なった。貨物に至っては、日貨労のベア要求放棄を受け、今春等で賃下げ−定昇に手をつけ、来年には差別・能力給制度の導入を強行しようとしている。
電機は一斉に賃下げ! 電機最大手の日立製作所は「ベアゼロ、定期昇給維持」との回答を行い、労働組合側はこの攻撃に屈服し、集約の方向で調整に入った。ところが会社側は、同日その直後に「春闘とは切り離した業績回復のための緊急措置」と称して、グループ企業を含む傘下33万人の労働者の賃金を5%切り下げるという提案を行なった。 そもそも電機は労組自身がベア要求を放棄したが、電機各社は定昇は維持すると回答し、その直後に「春闘とは別の提案」と称して賃下げを提案するという労働組合の存在自体を根本から否定されたに等しいやり方で賃下げを強行したのだ。組合が闘いを放棄したら一体どのような事態が労働者を襲うのかを如実に示している。
鉄鋼・造船・私鉄・NTT その他、鉄鋼でも一斉に賃下げが強行され、造船関係も住友重機は全従業員の年収を15%削減するとの攻撃をめぐって交渉が継続中だ。私鉄でも転籍や賃下げの嵐が吹き荒れている。そして何よりもNTTでは、14万人中11万人の転籍・出向、賃金を15%〜30%削減するという重大な攻撃が強行されようとしている。
事態は激変−歴史の転換 02春闘を契機として、すべての労働者が不安定雇用、非正規雇用につき落とされようとしている。日経連は終身雇用は全労働者の一割でいいと言うのだ。この間も正規雇用の労働者が減り、非正規雇用労働者が増え続けているが、資本の側は一挙に終身雇用制の解体に踏みだした。すでに「終身雇用を見なおす」としている企業が54%、「定昇を廃止する」という企業は60%に及ぶ。労働者と労働運動をめぐる情勢は、今春闘を契機として否応なく激変しようとしている。終身雇用の解体は、戦後半世紀にわたる労働者支配の仕組みを資本・権力の側から大転換することを意味する。まさに歴史的な転換点だ。 しかも終身雇用という社会の土台が覆れば、社会保障制度、税制をはじめ、戦後の社会の在り方すべてが根本から覆る。闘わなければ生きていくことができない時代が到来しようとしている。労働組合の存在価値が問われている。もっと腹の底から怒りの声を!
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