90・3スト支配介入事件 中労委が命令
この反動命令が許せるか!
断じて許せない
いったいこの命令は何なのか。断じて許すことができない。 18日、中労委は、繰上げ実施されたストライキを違法として141名の仲間たちを不当処分した、90・3スト支配介入事件命令を交付した。だがそれは、余りにひどい反動命令であった。 中労委は、まがりなりにも不当労働行為の救済機関であったはずだ。労働基本権を擁護するための機関であったはずだ。だがこの命令は、自らの手で自身の存在意味を否定し、放棄したに等しいものだ。否、それどころか、憲法を否定し、労働基本権を全否定するに等しい命令だ。
罵詈雑言のら列
内容は、会社側の主張を一字一句も変えず、そっくりひき写したに等しい代物である。 いわく、「入構拒否や組合事務所へのトタンフェンス設置は、業務の継続のために必要かつ相当な対抗措置だ」「繰上ストを正当化するほどの事情、即ち、ストライキの統制と実効性を確保するためにそうせざるを得なかったという緊急性、必然性はない」「直ちにストライキを行なえば、会社の業務の遂行に重大な混乱をもたらし、乗客にも多大な不利益を被らせることは、組合としても十分認識できたはずだ」「『暴言』や職場への滞留はその態様において軽いとは言い難い」「繰上ストは、その手続き、手段、態様においても、正当性を欠く」「本件処分については、その処分が重すぎることを窺わせる事情もない」……。 命令と言っても、こんな罵詈雑言のら列に過ぎない。ここには、労働組合法の精神や、労働基本権?スト権をいかに見るのかという観点など一片もない。 そうした最も重要な判断は、文字通り一言もないのだ。
反動司法以下!
今日、司法の反動化は眼を覆うばかりの状況にあるが、この命令はその反動裁判所すら恥じ入るような代物である。 JRは90・3ストに対し、別に損害賠償請求訴訟を起こし、動労千葉の組織破壊を画策したが、その裁判の反動判決ですら、三割の過失は会社側にあることを認めたのだ。 その理由には、「本件ストの具体的内容を通知した文書には、不当労働行為等があった場合には戦術を拡大する旨の記載があり、同旨の意志表示は、口頭でも伝えられていたのであって、かつ、本件措置(事前からの入構拒否や組合事務所の封鎖等)をとった場合、動労千葉がそれを不当労働行為と捉えることは十分予測しえた」「大きな混乱が生じたことについては、JRにも少なからず責任があるというべきである」「動労千葉が不当労働行為であるという判断は、……必ずしも動労千葉の独善的見解ではない」「本件前倒し実施は、……ストライキに関する労働協約が締結されていない状況で発生した突発的事態であること」等があげられている。 だが、中労委命令はこうしたことすら全面的に否定し、また一切無視した。
この間の判決も全てくつがえす
この間、資本の側がストを違法として争われた裁判では、次のような判決が出されている。
事業の公共性から直ちに争議行為の予告義務を帰納しようとする見解にはたやすく同調できない。……公共事業なるがゆえに相手方への予告を伴わないストが当然違法行為であるということはできない。(日航乗務員スト事件判決)
ストライキ中の労働者がその実効性を確保するためにピケ、あるいは座込みをもって使用者による車両の搬出を阻止しようとすることは必要不可欠の戦術であり、これを厳しく制限することは、このような業種の労働者の争議権を奪ったに等しく相当ではない。……(労働組合は)管理者をも含む適法な代替要員による操業の継続をも一定の限度で阻止する権利を有する(三國ハイヤー事件判決)
中労委命令は、ストライキ権に関するこうした一切の判断を覆したのだ。
スト権の全否定
否、覆したなどというレベルではない。職場に居ようとすることも違法だ、抗議の声をあげたことも違法だ、代替乗務員を確保でず、業務に重大な混乱をもたらしたから違法だ、乗客にも多大な不利益を被らせたのは違法だ、というのだ。 そもそも、労調法でも「争議行為とは、労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として、業務の正常な運営を阻害する行為をいう」と明確に定め、そして憲法で保障されているものだ。 労働基本権の擁護者たるべき中労委が、ストライキそのものに嫌悪感を剥出しにしてこの命令を書いているのだ。中労委は労働基本権解体の巣窟と化した。
一〇四七名闘争への挑戦!
90・3ストは、採用差別事件の地労委命令の履行を求めて起ちあがった闘いであった。この命令は、一〇四七名闘争の解体に向けた4党合意や不当逮捕など、この間の国家権力をあげた攻撃と一体の政治的反動命令だ。 怒りを抑えることができないる。われわれはこの反動命令を徹底的に弾劾する。スト圧殺攻撃にはストライキで反撃を!
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