国鉄分割・民営化からの26年間、「国鉄方式」での解雇や、民営化・外注化による非正規職化が全社会的に蔓延してきました。 次々と雇用が破壊され、権利が奪われていく。その全てが国鉄分割・民営化から始ったといっても過言ではありません。
国鉄分割・民営化は、20万人が職場を追われ、200人もの自殺者を出した巨大な国家的不当労働行為であり、労働運動の解体を狙った戦後最大の攻撃でした。それに対して、あくまで民営化反対を貫き、解雇撤回・原職復帰を掲げて闘われてきたのが1047名の解雇撤回闘争です。それは全労働者の生活と権利、未来をかけた闘いでもあり、全国各地で多くの支援の行動が生まれて闘われてきました。
しかし2010年4月9日の政治和解によって、国労本部など4者4団体は闘いの旗を降ろしました。この中で私たちは動労千葉の「国鉄闘争の火を消すな」の呼びかけから、新たに国鉄闘争全国運動を立ち上げ闘いぬいてきました。今回の裁判での前進は国鉄分割・民営化を曖昧にせずに闘いを継続したことの勝利です。さらなる雇用破壊が進行する中、今度こそ国鉄分割・民営化に決着をつけたいと考えています。
裁判所が組合差別を認定!
しかし解雇は有効!?
国鉄分割・民営化では、「国鉄を解体し一旦全員解雇。JRを設立し選別して再雇用」という方式がとられました。それによって解雇も採用差別も全て正当化されてきました。
今回の6・29地裁判決では、その不採用とされる基準そのものが不当な目的・動機によるもので、その基準がなければJRに採用されていたはずと認定されました。しかし、わずかばかりの賠償金のみで解雇は撤回させない、矛盾した判決です。
- 「動労千葉等、分割・民営化に反対する労働組合に属する職員を不当に差別する目的、動機の下に、本件名簿不記載基準を策定したと推認するのが相当」
- 「名簿不記載基準が策定されなければ、原告らは採用候補者名簿に記載され、その結果、JR東日本に採用されていたはずであるといいうる」
- 動労千葉 鉄建公団訴訟(解雇撤回・原職復帰裁判) 6・29東京地裁判決文より引用
動労千葉争議団長の高石正博さん。
「一審判決は、私たちが不当労働行為によって職場を奪われたことを認めた。不当労働行為を認めた以上、JRに戻すのが当たり前だ。自分たちの闘いが正しかったこと、JRに復帰するのが当然だということを裁判所に認めさせるために、今後ともご支援をお願いします。」