動労千葉は9月14日、10月1日からの県内最低賃金の改定にあたって、大幅な賃金の引き上げを求めてCTSと団交を行った。
組合からは「この間、コロナ禍とJR東日本の赤字を口実に徹底した賃金抑制が続いてきた。契約社員・パート社員の時給は、この2年半でわずか10円しか上がっていない。県内最低賃金との差は縮まるばかりで、10月1日の最賃引き上げで最低賃金を下回る事業所も出てくる。
毎月のように生活必需品の値上がりが続く中で『もう限界だ!』という声が各所から上がっている。CTSにおける大幅な賃金引き上げが待ったなしの課題となっていることは明らかだ。正社員についてもベアゼロが続いており、賃金引き上げが必要だ」と現場の切実な声を会社側に突きつけた。
最賃割れの事業所も
会社の回答から、10月1日の最賃引き上げで千葉県内=984円になると、①銚子・鴨川・館山の各事業所賃金(現在980円)、②さらに千葉県内すべての事業所の65歳以上の賃金(現在980円)がが最低賃金を下回るため改定が必要になることが明らかになった。
組合からは、最賃に引っかかる事業所だけでなく全事業所での一律大幅賃上げを求めた。さらに、「このまま放置すればCTSの賃金は社会的に陥没するばかりだ。千葉エリアの事業所賃金(1040円)ですら東京の最低賃金(10月から1071円)を下回ることになる。新規募集を再開したところで、まともに人が集まるわけがない。CTS経営陣は、本当にこんな現状でいいと思っているのか」と会社を追及した。
物価は30年11カ月ぶりの高騰
総務省は9月20日、8月の物価が昨年の同時期から2・8%上がったことを明らかにした。これは、消費増税の影響があった期間をのぞけば30年11カ月ぶりの水準だ。
中でも、都市ガス代は前年比26%、電気代が21・5%の値上げ。食料品は、食用油は39%、食パンが15・0%、外食のハンバーガーが11・2%、からあげが9・4%上がっている。生活に直結するものの値上げ幅がとくに大きく、低所得の者ほど打撃が大きい状況になっている。
専門家は「日本の物価上昇率は10月には3%台に乗るとみている。暮らしへの影響は社会問題化しており、日本企業も賃上げに動かざるを得ないだろう。賃金が上がって経済の好循環が回り始めるか、そうはならずに消費が落ち続けるか、今の経済は瀬戸際にある」(9月21日付朝日新聞)と警鐘を鳴らしている。
放置するのは賃下げだ!
賃金引き上げを求める申し入れに対してCTSは「JR東日本が赤字」「会社の体力がない」と賃上げを拒否しつづけてきたが、これ以上、現状を放置しつづけることは断じて許されない。物価上昇分を賃金に上乗せし、社員の生活を守るのは会社の社会的責任だ。賃金が現状維持なら、3%近く賃金が下がっていることと同じだ。
CTSは生きていけるだけの賃金を出せ。全事業所一律で、大幅な賃金引き上
げを行え!