JR東日本ー「休業命令」で団交 「休業命令は整理解雇の前段で実施」

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この間、動労総連合は、「休業命令」の就業規則への追加に関してJR東日本との団体交渉を行い、休業命令を追加した理由及び休業を行う場合の判断基準、対象職種や対象者の選定基準、賃金の取り扱い等について追及を行った。団体交渉の概要は、以下のとおり。

休業は、発令ではなく、毎月の勤務指定時に指定」

【「休業」の項目を追加する理由について】
組合 就業規則に「休業」の項目を追加する理由を明らかにすること。
会社 今回、あらためて1日単位で休業できる項目を追加することとした。待命休職もあるが、この場合は一定の期間を休職することになり、発令と発令解除が伴うことになりなじまないと判断した。
組合 休業は、発令行為ではないということか。
会社 会社が、勤務指定時に、休業を指定するという形になる。例を挙げれば、「〇月〇〇日、『休業』」という勤務を指定することになる。
組合 毎月、25日の勤務指定時に「休業」を指定するということでいいのか。
会社 基本的にはそうなる。しかし、当該の月に入り、急遽、「休業」を指定する場合もあると想定している。
組合 勤務認証はどうなるのか。また、他の勤務との違いは何か。
会社 勤務認証は、「休業」となる。勤務上の違いとして、これまでの休業は100分の60の賃金であったが、今回の休業は「100分の60以上」となっている。
組合 休業を実施する場合、どのような手順になるのか。
会社 いきなり休業を実施するということは考えていない。事前に休業する理由や賃金額等について説明を行う考えである。
組合 文書回答の「社員が安心して働ける環境を整える」とはどのような意味か。
会社 1年前には今の状況を予測することはできなかった。また、将来についても予測はできない。現状では、新型コロナで大規模な休業にはなっていない。しかし今後どうなるかは不透明でありわからない。その他にも将来がどうなるのかはわからない。それに備えるのが今回の目的である。
「社員の安心」とは、これまでは100分の60の賃金だったが、これからは「100分の60以上」の賃金を支払うということも含めて安心して働いてもらうことを考えている。
組合 社長声明の中でうたわれている「コスト削減」と今回の「休業」との関係はどうなっているのか。
会社 関係ないとはいわないが、会社とすれば今後も持続的に成長することが大事だ。今後、どこに投資するのか、どこに向かうのかを検討しなければならないと考えている。いずれにしても社員のことを考えて提案している。

休業を行う場合の判断基準を示すことはできない?

【「業務量の減少その他経営上の判断」の具体的判断基準について】
組合 「休業」は、「業務量の減少その他経営上の都合」となっているが、具体的基準は。
会社 明確に示すことは難しいと考えている。新型コロナもそうだが予測できなかった。たとえば経営が厳しくなって大規模な運休、業務縮小をせざるを得なくなった場合は可能性がある。
組合 「業務量の減少」とか「経営上の都合」という場合、何にでも使えるということになる。
会社 前項でも回答したが、事前に理由や期間、賃金等についてキチンと周知して進めていきたい。
組合 自宅待機と休業は同時に進めていくという考え方があるのか。
会社 業務量を維持するための要員を確保することは重要であり、感染防止のために自宅待機してもらう場合もあり、休業と平行して扱うこともあると考えている。
組合 新型コロナの場合、休業する場合は雇用調整助成金の給付を受けることも想定されるが、今回の場合はどう対応するのか。
会社 休業に紐づけて雇用調整助成金を考えている訳ではない。
組合 「業務の減少」という場合、どのようなことを想定しているのか。
会社 例をあげれば乗客の減少による大規模な運休であったり、駅での窓口閉鎖などあげたらキリがない。
組合 その他経営上の都合とは何をさすのか。
会社 これという形で明示に回答することは難しいと考えている。今回の場合「業務量の減少」と「経営上の判断」が別ではなく、ひとつのことと考えてもらいたい。
組合 休業を実施する場合、対象となる職種、人選の基準はどうなっているのか。
会社 将来的にどうなるか分からないということもあり、どの職種が対象になるのかも分からないと考えている。全職種での休業というだけを考えている訳ではない。場合によっては限定的な職種であったり、あるいは首都圏だけという場合もある。その時々の判断による。
組合 就業規則42条では、「業務量の減少その他経営上やむを得ない事由により解雇を必要と認めた場合は解雇する」となっているが、これとの関係はどうなるのか。
会社 今回の休業は、整理解雇の前段で行うと考えている。

休業時の賃金額は、そのときの状況により判断?

【「休業」の賃金を「100分の60以上」とした理由及び具体的額の判断基準について】
組合 休業を指定した場合の賃金を100分の60以上とした理由及び、支払額を決定する場合の基準はどうなっているのか。
会社 業務量の減少等により休業を行うことから、経営上の判断として100分の60以上とした。
組合 「100分の60以上」という場合、100~60までの幅があるが、何を基準にして具体的額を決めるのか。
会社 80、70、60あるいは減額しない場合もあるかもしれないが、判断はその時の状況により総合的に判断する。今回、「100分の60」の限定的だったものを「60以上」とした。
組合 乗務員に休業を命じた場合、適性は維持するのか。
会社 乗務員の適性は維持する。
組合 災害等への対応はどうするのか。
会社 休業の場合は、基本は呼び出さない。

期末手当の期間率ー適用する場合としない場合がある?

【期末手当の期間率の適用の考え方について】
組合 休業を命じた場合、期末手当の期間率への適用はどのように取り扱うのか。
会社 今回、会社が命じた場合、全てではないが、期末手当の期間率に影響が無いように取り扱うこともある。
組合 今の回答は、期間率を適用する場合としない場合があるということか。
会社 そういうことになる。
組合 その場合の判断基準は。
会社 先ほどの賃金と同じで、今ここで具体的に回答することはできない。
組合 年休の出勤率の関係はどうなるのか。
会社 休業は、出勤率の出勤としてカウントすることになる。
組合 組合としては、休業は必要ないし、行うべきではないと考えている。仮に行う場合は、事前に組合に説明を行うこと。
会社 組合の要求は理解した。

(了)

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