ギリギリまで裏切り妥結を画策した東労組
この現実は何なんだ!
われわれは、検修構内業務全面外注化攻撃に全力をあげて立ち向かい、昨年に続き、今年4月1日実施を再び阻止した。だが、東労組はこの3月、ギリギリまで外注化裏切り妥結に向けて動いていたのだ。別掲の東労組の「業務部速報」を見てほしい。
言っていることは、▼「整備会社を希望する人が少ないのは労働条件が悪すぎるからだ!」▼「委託会社において、所長が作業責任者を兼務している。安全や品質はどうなっているのか」▼「解明要求議論を通じて組合案をつくりだそう」ということだけである。全部外注化そのものは容認することを前提としたものだ。整備会社の労働条件を少し良くすれば外注化を認めていいのか! 委託会社に作業責任者を置けば外注化を認めるのか!「組合案をつくりだそう」などという言い方はまさに外注化を呑むということじゃないか! この団体交渉の「申入書」の表題自体「適正な業務委託体制の確立に向けた申し入れ」となっている。初めから外注化ありきだ。全てが現場の労働者をペテンにかけて外注化=下請会社への強制出向や、その後に来るであろう「転籍」に駆り立てようとするものだ。
外注化推進の「確認メモ」
しかも、東労組はそれに先だって、昨年12月27日、JR東日本と「確認メモ」を締結している。これも現場の組合員にはほとんど知らされていないが、「偽装請負」の解消を労使で合意した議事録確認である。偽装請負は外注化されたあらゆる職種・職場で蔓延しているが、それを表面上・形式上だけ、偽装請負ではない形を整えるものだ。言うなれば、労使一体で「偽装請負隠し」をやることを確認メモにしたのだ。
なぜこんなことをやったのか。外注化のネックになっているのが偽装請負問題だからだ。外注化を進めるためにこんな確認メモまで結んだのだ。
多くは、外注化したにも係わらず、業務の指示・命令がJRから行なわれている実態を隠すものだが、本来ならそういう業務は外注化することができない。それが法の精神だ。だが、それはそのままにして、形式だけは直接指示・命令していない形をとろうというのは完全に偽装請負隠しである。
外注化を取引材料に!
それと、もう一つ隠された問題がある。それは、JR東日本が、用済みになった東労組の切り捨てに踏み出したことだ。あわてふためいた東労組は、昨年末、自ら申し出て、年末もおし迫った12月27日に外注化に関する確認メモを締結し、「東労組切り捨ての労務政策さえ止めれば全面協力する」と泣きついたのである。こうして開かれたのが別掲の「業務速報」の団交だが、会社は木で鼻をくくったような回答しかしなかった。
現場の労働者の思いとは全く無関係に、東労組役員たちの生き残りのための政治的取り引きの材料として検修構内業務外注化問題が扱われていたのだ。本当に許せない。
4月からまた新たな闘いが始まる。業務外注化を絶対に阻止しよう。