「暴処法」、「共謀」ともに打ち破る大勝利
国労5・27臨大闘争弾圧公判判決(11/27)
11月27日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の判決公判で、ついに暴処法(暴力行為等処罰法)と共謀を完全に粉砕する大勝利をかちとった。東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)は、国鉄闘争支援者の向山被告に無罪、国労組合員6被告に罰金(未決勾留日数が換算され実質は払う必要なし)という判決を下した。
暴処法は、戦前・戦中と一貫して労働組合や労働運動弾圧のために使われてきた悪法だ。これを東京地裁をして「適用することはできない」といわざるをえないところまで追いつめたのだ。さらに、同じく「共謀」も認定することはできなかった。追いつめられた権力は、あくまで有罪にするために「暴力行為があった」として暴行罪による罰金刑を言い渡さざるを得なかったのだ。被告団はただちに控訴し、次なる闘いにたちあがった。
この勝利は、なによりも被告団と弁護団のねばり強い闘いと団結に基づいた完全黙秘・非転向の階級裁判として貫いた成果であり、11月集会5850名結集の力が切り開いた勝利だ。
報告集会に520名が結集
同日夕、東京・文京区民センターで直ちに報告集会が開催され、全体が勝利にわきたつものとなった。参加者は520名を越えた。
第1部では、被告団、弁護団、被告団家族からそれぞれ万感の想いを込めた発言が続いた。
被告団は、「資本と闘う階級的労働運動路線を確立した中での判決。1047名闘争の責任勢力になっていく」(富田被告)、「これからが始まりだ。職場生産点での闘い、特に解雇撤回闘争を闘っていく」(羽廣被告)、「「7年に及ぶ裁判は、階級裁判として国鉄闘争の未来をかけたものとして闘われた」(東被告)、「1年3ヶ月も勾留して罰金刑か」(小泉被告)、「尼崎事故を現場から糾弾していく」(原田被告)、「被告団、家族会の団結が勝利をもぎとった。暴処法無罪の地平は大きい。団結─自分たちの力に目覚めよ」(橘被告)、「完全黙秘・非転向の闘いをやり抜いたこと、新弁護団の結成が勝利を切り開いた」(向山被告)と、熱い決意を述べた。
弁護団も全員登壇し、1人ひとりが思いを込めた発言を行った。
鈴木達夫主任弁護士は、「暴処法を11月集会派の団結でついに打ち破った。完全黙秘・非転向の闘いは、原則的に正しいことを証明した。これから検修外注化攻撃の中で新たな懲戒処分攻撃との攻防にたとう」と訴えた。
検修外注化阻止決戦へ
第2部では、国鉄闘争陣形から決意表明が行われた。
国労闘争団員からは「1047名闘争は解雇撤回を主張しないことには勝利できない。階級的労働運動を再生するためには、原則を貫いて闘わなくてはならない。国労本部を打倒しよう」、動労千葉からは争議団を代表して中村仁君と繁沢副委員長が発言を行った。中村君は、「われわれがやってきたことは決して間違っていないということが証明された。1047名闘争は全国の人が応えてくれている。国労本部と組合員の間に大きな温度差がある。労働組合は労働者のためのもの。組合員を売り渡した国労本部がおかしいことを実証した。われわれが主流派になろう」、繁沢副委員長は、「JRでは、来年4月1日以降実施予定で検修の全面外注化攻撃がかけられている。管理業務を除くすべての業務を一括外注化しようとしている。これは出向・転籍に向かう攻撃だ。10春闘は、外注化阻止の闘いを軸に第3次ライフサイクル配転阻止、1047名闘争の正念場と結合し、年末からただちに闘いにたちあがる」と決意を表明した。同じく動労水戸、動労西日本、国労闘争団員、国労組合員は、口々にこの検修外注化阻止闘争が焦点になることを訴えた。
飛び入りで発言に立った高山俊吉弁護士は、「権力にとって、暴処法、共謀で有罪にできなかったことはどんなに打撃であったか。風穴を開けた。その力を私たちが持っている。この問題は、裁判員制度と直結している」と裁判員制度の破綻状況を明らかにした。
最後に、12月JR西日本と貨物への抗議行動を皮切りに来年4月尼崎闘争までの6ヶ月決戦にたとうという行動提起が宣言され、集会を終了した。