3月23日、千葉駅ホーム乗務員詰所において、東労組銚子運転区分会長が、平成採用の若い組合員に暴力を振るいう乗務不能となる事件が発生した。
3月23日といえば、われわれが春闘ストライキに起ちあがる直前のことである。この暴力事件の発端も、動労千葉のスト対策のために東労組銚子運転区分会が開催した職場集会に被害を受けた組合員が参加しなかったことにあった。分会長が職場集会不参加を咎め、自ら激昂して暴力行為に及んだというのである。
この暴力事件について、動労千葉銚子支部や国労銚子運転区分会などが共同で発行したビラでは次のように提起されている。
現場のビラより
暴行を加えた理由を端的に言えば「思いどおりにならないから」…ということなのである。東労組の役員のなかでは「言うことを聞かない組合員はやられても当然」という常識が存在するらしい。現に「あれ(暴行事件)は大したことじゃない」と暴力を肯定する東労組役員もいるし、公然と正当化する動きさえある。
東労組役員であれば、暴力だろうが何だろうが許されるものだと役員自身が思っていること自体、始末が悪い。東労組内の多くの組合員はこうした現状に嘆息し、怒りをあらわにし、あるいは常識が通らないことの絶望感(あきらめムード)をもっている。一方で会社や管理者の姿勢に対する疑問も噴出している。東労組が夜半に地本・支部の役員をかき集め、今回の暴力事件をもみ消そうとして動いたのは明白である。そうした動きに対して会社も黙認、あめいは見方よっては東労組と協力して隠蔽工作をはかった、と思われても仕方がない。
東労組が「平和共存打破運動=職場破壊運動」を露骨に進めて以降、職場の中には不平・不満・不信が渦巻き、ありとあらゆる疑念が噴出している。「カクマルの常識は世間の非常識」という言葉があるが、まさにそのことを今回の事件でも立証した。東労組役員はこれまでも組合員に脱退強要などを含めて乱暴に振舞ってきた。労働者を恐怖で支配しようする犯罪性が「暴力」という具体的かつ最悪のかたちで示されたのである。いかに日常、善人の仮面をかぶって偽善的ヒューマニズムを語ってもその正体は知れたものだ。
タレ込み、密告…
自らの組合員を支配する手段として、東労組の役員が今職場で専らやっているのはタレ込み、密告である。自らの思いどおりにならない組合員の様々な行為を会社にタレ込むことによって、会社の手を使って支配し、あるいは見せしめにしようというのだ。例えば、東労組は「基本動作を守る運動」と称する会社まがいの運動を行っているが、役員自らは基本動作など守っていないにも係わらず、反発する組合員については、「誰それは基本動作をやっていない」とタレ込んだり、ちょっとしたミスを密告する等々である。卑劣このうえない。東労組の若手の組合員は役員のことを「ゲシュタポ」と呼んでいる。
これは労働者としては最も恥べき行為だ。労働組合の基本・原点は労働者の団結を守り、労働者の権利を守ることにある。だが東労組がやっていることは労働者を監視し、団結を売り渡す行為に他ならない。こんなことが続いたら、労働者どうしがタレ込み合うような悲惨な職場なりかねない。
革マル支配を守るため会社と一体化
なぜこんなことが横行するのか?その根っこにあるのは、東労組の革マル支配が大きく揺らぎはじめているという事態だ。東労組革マルは、一方で「おれ達は革マルじゃないから切り捨てないでくれ!」と泣訴しながら、他方ではこれまでより一層会社の手先となることによって、これまでのような会社との関係を何とか維持しようとしているのである。
それを最も鮮明に示しているのが、「シニア制度」の裏切りと、検修・構内業務や設備関係業務の全面的な外注化提案の裏切り妥結に他ならない。東労組は3月30日に検修・構内業務の全面的な外注化提案を何ひとつ修正もしないまま裏切り妥結し、設備関係の外注化提案も同じく「本社交渉を終了した」としている。
提案されているのは、まさに全面的な外注化である。検修や保線・電力・信通・建築職場で働く労働者のことなどどうでも良いというのだ。例えば設備関係では、会社はこの外注化で二〇〇〇名の労働者が出向になるといっているのだ。将来は関連会社に転籍となり、賃金も退職金もどうなるか判らないという可能性が強いというのに、そうしたことは一切隠して会社に忠誠を誓ったのだ。
こんな状態のなかで安全はどうなるのか、運転士をはじめ他職で働く仲間たちの権利や労働条件はどうなるのか、全てがひどい方向に向うことは間違いない。タレ込み支配と大リストラへの全面協力、これが東労組の正体だ。今こそ東労組と決別しよう。