動労千葉震災レポートNo. 27
6月19日、1,510名のデモが福島を席巻
―福島県教組、国労郡山工場支部、仙台市職労、農民、被災者、福島大学生―
「フクシマを返せ!田畑を返せ!未来と人間を返せ!」
6・19の福島集会は1500名の結集で、東電と国の現地対策本部を直撃し、その責任を地の底まで追及していくことを宣言した。
福島県教組が、教育労働者としての矜持にかけて集会に合流した。どんなに苦しくても、子供たちと保護者と共に、学校職場からあらゆる手段をもって立ち上がるという切々たる訴えがなされた。収奪者を収奪せよ!その一歩が踏み出された。
定検中の原発の再スタートを許すな!
すべての原発の運転停止と廃炉を強制しよう!
東電と国家の責任を徹底的に追及しよう!
福島第1原発1号炉の核燃料は完全にメルトダウンし、原子炉の底を溶かし、格納容器の底も破って、基礎コンクリートにめり込んで地中に沈み込みつつあるというのが、現状に最も近い描写だ。東電の激しい事実の隠蔽工作ゆえに、2号炉、3号炉の実態は霧に包まれているが、同様な事態が十分想定される。
この最悪の事態に対する唯一の現実的方策は、地中深くまでコンクリートの擁壁(地下ダム)を張り巡らせ、地下水の汚染を食い止め、汚染地下水の海洋流出を止めることだと言われている。
しかし何ということだろう!東電は、「このダム建設に1000億円はかかり、債務増で株価が下がるため株主総会が乗り切れない」として着工を拒否し、「地下水の流速は5~10cm/日なので海洋汚染にはあと1年間は余裕がある」などと放言している。そして、菅政権もそれに追随し、だれも信じない「収束工程表」に固執している。
また東電は、水素爆発時の緊急作業に従事した一部の労働者の内部被ばく線量を計測した。そして、自らの権利として検査結果の開示を求める労働者に対して、何と「今結果は教えられない。今後教えるかどうかも言えない」と言い放った!緩めた「被爆許容値」をもオーバーしているのが、その理由なのは間違いない。
一方、東京都知事・石原慎太郎は、「スリーマイル、チェルノブイリは人災、フクシマは完全な想定外の天災だ」と嘘八百を並べ立て、「復興に向け日本人は我欲を抑制せよ」とわめき散らしている。そしてその息子の自民党幹事長・石原伸晃は、反原発運動の高揚を身近に感じ、「集団ヒステリー状態になるのは心情としては分かる」などと恐怖を露わにした。
極めつけは、6月18日の海江田経済産業相発言だ。「水素爆発を防ぐため、原子炉建屋に穴をあける大型ドリルの配備」だの、「瓦礫の撤去のため、重機の配備」だのの愚にもつかない5項目が満たされるとして、定期検査中の21基の再スタートを促した。福島第一原発が人類史上未曽有の大災害として進展しているときにである。
「原発がなければ・・」と酪農家や農民が自ら命を絶ち、漁民は天を仰ぎ、工場の閉鎖で多くの労働者が街頭に投げ出されている。そして30万人もの福島の子供たちが、「安全である」という「国家のお墨付き」のもとで被爆を強制されている。
東電と菅政権は万死に値する。何が1000億円だ!何が株価だ!何が株主総会だ!
大震災を口実とした外注化、非正規職化の推進と、大失業攻撃を粉砕しよう!
全世界の労働者は、すべての原発と核の廃絶に向け前進しよう!
2011年24日
動労千葉・国際連帯委員会
6・19フクシマ大行動動労千葉 田中康宏委員長の発言
福島の皆さんに心からお礼の言葉を述べたい。
過日6月5日に国鉄1047名解雇撤回、原発や震災解雇と闘う労働者集会を呼びかけたところ、本当に大変な状況であるにも関わらず、福島や宮城からたくさんの同志の皆さんが駆けつけてくださったこと、本当にありがとうございました。
こんな困難な状況の中で未来と希望を失わずに闘おうという福島の皆さんに心から敬意を表したいと思います。私たちもこの闘いに絶対最後まで連帯して闘う決意です。
私はこう考えます。今起きていることは、生きぬくための、人間が人間として生きることができる社会をつくるための戦争なんだと僕は思います。絶対に負けてはいけない、これは戦争なんだと思います。
私は本当にすべてのことに怒っています。この国の政府はいったい何なんですか!
子どもたちや、何十万、何百万という人々を、その命を、日々奪っていて、それで東京電力や今の政府だけを守ろうとしている。自分を守ろうとするために命を奪う政府というのは何なんですか!
こんな連中、文科省も経産省も御用学者も、政府も、国民の一人もいない無人島にでも追放して、誰もいない国でも統治すりゃあいいんです。あとは僕らがやらなければいけない。私はそう思います。
だけど原発事故が起きなければそれでこの世の中はよかったのか。違ったと思います。これが起きる前から非正規だワーキングアーだ、地方の切り捨てだ、こういう形で労働者は本当に生きることができない、こんな社会だったんじゃないかと僕は思います。すべてを変えなければいけない。
その時に僕らに何ができるのかということを本当に考えました。この状況の中で何ができるのか。できることはたくさんあると思います。例えば絶対にあきらめないこと、絶対にこの社会を変えるまで私たち自身が闘いをやめないこと、この福島の皆さんの叫びを絶対に孤立させないこと、そのために全国で必死になって闘いの声を上げること、できることはやっぱりたくさんあるんだと思います。
それともう一つ、何ができるのか。私は労働組合に携わるものとして皆さんに心の底からお詫びしなけきゃいけないと思っています。労働組合のこの体たらくです。こんな現実がなかったら、こんなことは起きていなかった。本当に申しわけないと思います。
だから僕らはどんなに小さな闘いでも職場から、原発なんかに賛成するような労働組合ではなくて、人間が人間として団結をして生きていける、そういう社会をつくりあげる労働組合につくりなおさなけりゃいけない。私はそのことが核心だと思っています。
福島の皆さん、どうか本当に頑張ってください。私たちも絶対に全国から声を上げます。どうもありがとうございました。