今年4月に千葉支社が作成した17年度実行計画の「厳しい経営環境」と題するページには、さらなる列車切り捨ての狙いがはっきり表れている。
「列車切り捨て」の結論ありき
そこでは、県内や沿線の人口減少を取り上げ、「人口減少に直面する千葉以東において、交流人口を増やすため、どの様に『コトづくり』をすすめるか」を「課題」としている。
しかし、沿線人口の調査は「千葉以東線区」といいながら「首都圏70~80㌔圏外」だけを切り離して行っている。同じ路線にもかかわらず、乗客の多い首都圏に近い部分を切り離しているのだ。
会社は、「経営資源の首都圏集中」「首都圏70~80㌔圏直通運転」を掲げ、それ以外の地域を切り捨ててきた。今回の調査も「70~80㌔圏」以外は、はじめから「乗客が少ないから列車を切り捨てていい」という結論ありきだったということだ。
鉄道切り捨てが地域を破壊
すでにJRは、ダイ改ごとに列車を切り捨てることを通して、地域での生活を破壊してきた。
例えば、14年のダイ改で久留里線は、列車が5時間以上も来ないほど削減された。そして、16年には君津市教委が久留里線沿線の3つの小学校と、4つの中学校の統合案を発表した。実際に、列車切り捨てが地域そのものを破壊している。JRは自ら地域を破壊していきながら、それをも口実にさらなる列車削減を進めようというのだ。
地域の生活より金儲けを優先
今年のダイ改でも、「君津・木更津系統分離」といって、内房線・館山駅~千葉駅間の日中時間帯の直通運転が廃止された。今回の実行計画の図を見れば、それが内房線・君津以南の分離・切り捨てにとどまらず、全面的な地域破壊への攻撃であることは明らかだ。
JR東日本は、毎年のように史上最高益を更新している。そして、大規模駅の改修工事やビル建設には巨額のお金を使い続けている。その一方で、地域の生活の必要とされている列車は、「儲からない」といって切り捨てる。鉄道の安全も公共性も無視し、利益を最優先に、コスト削減を進める。こんなことを許すことは絶対にできない。
5月21日に設立総会が開催された「内房線と地域を守る会」は、継続した運動と本格的組織づくりの努力を続けている。
われわれも、第2の分割・民営化攻撃粉砕、地域切り捨てのダイ改阻止、全面外注化・転籍強制粉砕にむけて、全力で闘いぬこう。