民主労総は、改めて大邱地下鉄惨事の犠牲者の冥福を祈り、再発防止対策の次元にたって、今回の事故の無視できない原因として浮かび上がっている「機関士一人乗務制」」を何としても改善するよう求める。
これまで明らかになった惨事の原因は非常に複雑であり、対策も総合的でなければならないであろう。しかし責任をとると言えば再発を防げるわけではない。燃えない材料で列車を造ること、通信体系をたて直すこと、非難路を性格に確保することなど、現在検討されている対策とともに、何としても解決しなければならないことこそ、まさに「機関士一人乗務制」である。
大邱地下鉄は車掌を廃止し、機関士1名で列車を運行してきた。予想しえない事故が瞬時に発生した状況の中で、一人で数百名の安全を引き受けるのは不可能である。一人乗務制で事故を予防し、事故に最も賢明に対処するのは不可能だ。機関士一人で列車の運行、指令との通信、乗客の安全措置、ドアり制御を行なわなければならず、非常事態が起きればその全てを一人で完璧にこなさなければならない。労働者はこれに対して「非常事態に一人だと、安全措置をとれば通信ができず、通信を行なえば安全措置をとれない。もし二人いれば、乗客保護とドア扱いは機関士とは別の者が行なうことができ、それだけ措置は容易となり、非常時の対応も楽になる」と言っている。大邱地下鉄だけでなく首都圏の地下鉄全般が一人乗務制であり、最近は一般鉄道までも一人乗務制を推進している。
地下鉄公社と鉄道庁は98年から構造調整の名で費用を削減するために、「機械化・自動化」されたという理由をつけて、二人だった乗務員を一人に減らした。近くの日本をとってみても、一人乗務は旅客が多くない区間に限って制限的に施行され、それも通勤時間には車掌を乗せている。
すべてを安く、早くしようという経済理論は、総体的な安全不感症中毒を招き、ついに取り返しのつかない大惨事を引き起こしてしまった。数日前、湖南線の保守工事中に7名の労働者が列車に轢かれて死亡したのも、経済理論で鉄道人員を大幅に減らし、保守業務をすべて外注化したことをぬきには説明できないことである。いわゆる構造調整を掲げて乗客の安全と労働者の生命をおろそかにしてきた誤った政策を全面的に再検討しない限り、安全不感症を実際に払拭するのは困難な現状にある。鉄道労組が、21日から4日間「安全運行実施週間」を設定しているのはまさにこうした理由からである。大邱惨事を契機に「一人乗務制」をはじめ、乗客と労働者を害する誤った現実を改善する実践措置が取られるよう切に期待する。
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