労働学校ニュース

No.05

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労働学校ニュース 
労働学校通信 第5号 (2001.8.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

〜闘う労働運動の新たな潮流を戦略型陣形にしよう〜
(労働者学習センター:中野代表挨拶より)

 労働学校も第4回を迎え、当初予想したよりも真面目に取り組んでもらっている。情勢的にはイタリアのジェノバでサミットが始まった。サミットとはドル基軸体制が変動相場制に変わり、世界に通用する貨幣の信用という体制を見せるために1980年代から始まった。
 今回のジェノバ・サミットアメリカのミサイル防衛構想、そして地球温暖化防止の京都議定書が俎上に上っているが、マスコミでも報道されている通り、決まらなかったことを表明するという、各々が勝手なことをやっていくことを承認するサミットとなっており、自分たちの利害を貫徹するということを含めてアメリカの動向を見る必要がある。
 ブッシュ政権の登場により、アメリカは世界戦略を変えている。今までは中東であったが、アジア・朝鮮半島に目標を向けている。戦争による痛みを知らない国・アメリカが明らかにアジアをターゲットにし、戦争によって打開する政策推進−こういう視点でサミットを見なければならない。
 そしてここに小泉が参加し、靖国参拝や集団的自衛権について言及している。小泉の言う「改革」の中身は経済諮問会議に拠っているが、日経連レポートが基礎になっている。そこでは司法改革までが上っており、民事、刑事についても基本的に変えると言っている。
 労働者の闘いは営業活動を阻害させるが、そのことによって刑事罰・民事罰の対象とならず免責となっている。また、スト権と言っても様々な規制がある。この「改革」が推進されれば、今後は会社前でビラを撒いたことをとって、営業妨害として逮捕するということも起こり得るということだ。事実、管理職ユニオンにもガサ入れがあった。
 資本主義が危機なるが故に最大の障害物が労組の団結と見ている証左だと言える。これが小泉の言う骨太の改革の姿だ。そうした意味では、連合の存立基盤が根底から揺り動かされる。本当の団結が形成されないと対応できない。
 戦後の労働運動は、アジア・朝鮮侵略戦争を契機とした驚異的な経済成長の基に成り立っていた。経済危機の時代では既成の労働運動は、そこでダメになった。そうした時にこそ強靭に闘い抜く団結のあり方、労働者のものの見方・考え方を身につけなければならない。闘う労働運動の新たな潮流運動を情勢に対峙できうる戦略型陣形としよう。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)

受講感想(一本立ち)編

●「申し送り」をしっかりと受け止めました。
●戦略・戦術を立ててやる。一本立ちでやるということが、強烈に印象に残った。
●失敗は当然だが失敗を恐れるということ、そして構想し、その結果を総括すること。改めて納得させられることであった。

◎受講感想(講義内容)編

●「戦略なくして総括なし」は心に感じた。
●100万中小未組織労働者によるゼネストの実現を絶対に実現させたい。そのためにオルグ活動、何よりも学習していきます。
●労組が社会的生産の管理を含めて全ての面で指導的役割を果たしえるということに共感した。
●経済闘争・政治闘争・思想闘争の三位一体の考え方は、その昔学習会的に確認したものの、改めて指摘されると、マルクス主義の半端な理解と真剣さの度合いの欠如が運動の手詰まりをも引き起こしていることに気付かされました。
●改めて労働者が社会の中心なのだと強く思った。

●マルクス主義が身近に感じられた。また、中小企業労働者の組織化に賛同します。
●社会への関心、変革への情熱、怒り、労働者の持つそのエネルギーへの信頼、人並み外れた強さ、青年のように、そうした情熱を抱き続けること。これが原点だということを改めて気付かされ、初心の大事さを教えられた思いです。

受講感想(社会主義)編

●自民党に改革を打ち出されている現状では、社会主義への道は程遠い。しかし確かに資本主義では労働者は豊かになれない。
●「すべての道は社会主義に通じている」という内容−そのためには労働者たちが団結し、動かなくてはならないと思いました。
●社会主義という問題を具体的なイメージが湧くようなものとして構想し、労働者に提起していくことの重要性は、社会主義、共産主義が何か悪い社会制度の代名詞のようにされている現状の中で、新鮮な感銘を受けました。
●労働者には社会主義しかない。全くその通りであり本当はチャンスの時であるが、現実には小泉や石原などの輩が出てきている。
●「結局、社会主義以外にない」という内容に大変感銘を受けました。大企業を社会的に所有すれば過当競争や商品価格や賃金などの多くを企業が奪ってしまう等の現代のおかしいところは消えるでしょう。
●「資本主義」「社会主義」といったイデオロギーについて個々に取り上げてみると、各々完璧なものではない。これからはイデオロギーを超越した人間根本の社会を創り出していかねばならない。
●資本社会に構造改革を求める中、社会主義や共産主義は余りにも想像的だと感じた。マルクス主義に共感できる面もあるが、何故にマルクス主義が腐敗したのか考え直すべきだと思う。

「つくる会教科書」編

●「新しい教科書」は古い教科書だとの指摘、支配者の歴史であるかは明確な表現と思います。

今後の要望編

●機会があったら、様々な実践例を勉強させて下さい。

労働学校=人間の発展の場
寄稿:村越 一郎

 「時間は人間の発展の場である。思うがままに使える自由な時間のない人間、睡眠、食事などによる単なる生理的な中断は別として、全生涯を資本家のための労働によって奪われる人間は、牛馬よりも哀れなものである。」
 マルクスは「賃金・価格及び利潤」の中で(岩波文庫99項)、このように述べています。別なところでも労働者は自己の解放を闘い取っていくためにも「自由な時間」が必要だと言うことを述べており、マルクスの強い一貫した考えです。労働者である皆さんが、この労働学校に毎月1回、1年間通い続けるということは、先ずはこの「思うがままに使える自由な時間」、即ち「人間の発展の場」を確保する闘いなのではないかと思います。労働者にとってこのような「時間」は労働者自身が闘い取らない限り、他人が与えてくれるものではないのだと思います。
 上の引用に続いてこう述べています。「労働者は、体を壊され、心を獣化され、他人の富を生産するための単なる機械である。しかも、近代的産業の全歴史の示すところでは、資本は、もし阻害されなければ、全労働者階級をこの極度な頽廃(たいはい)状態に陥れるためにしゃにむにの働きをするのであろう」と。
 がんばりましょう。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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