労働学校通信

第9期No.5


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*16:30より講師を囲んで懇親会を予定いたしております(会費1,000円)

労働学校通信 第5号 (2009.08.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

全金本山・菅原徹さん

 どうもごくろうさまです。今日はお話するべきことがたくさんあるんですけれども、世の中、経済的にも政治的にも財政的にも、あらゆる物が混沌としてしまって、これからどうなっていくのかということについて、いろいろ話をする必要があると思いますけれども、今日は動労千葉にとっても非常にうれしいことが起こりましたので、そのことをみなさんにご報告したいと思います。
 全金本山闘争という闘いをご存じだろうと思いますけれども、1970年以降、画期的な闘いの地平を切り開いた闘争です。こういう闘いは日本の戦後労働運動の中でもなかったでしょう。ほぼ30数年にわたって闘いつづけ、解雇撤回など勝利的にやりきったわけです。そして仙台、あるいは千葉などで勝利集会をやったわけです。もう長い闘争ですから、みんな年を食っちゃったけれども、もう一回職場に復帰して一生懸命に労働者として働いて、労働者というものはいかに大変かということを職場に復帰した本人たちも感じているみたいです。おそらく全金本山に入って、入った途端に争議が始まって、それで労働者としては争議が労働者であるという、そういう経験を積んだような、世の中にも希な存在として全金本山の労働者たちがいます。
 その全金本山の中で中心的に、この闘いのリーダーシップを発揮していた労働者に菅原徹君という人がおりまして、実は彼が3月8日、動労千葉が結成30周年の記念集会をここでやった時に亡くなられたんです。彼は3月8日に、自分がもっとも本山労組と同時に愛してやまない動労千葉の30周年記念なんだから、どんなことがあってもこの集会に参加したいということで、奥さんも相当悩ましたそうです。手押し車なんかも全部用意して、歩けなくても絶対出るんだといって、3月8日の前日まで主張していたんですよ。
 しかし、結果として3月8日の朝早く電話が仙台からかかってきて、残念ながら今亡くなられたという報告がされたんです。
 その本山の徹君の奥さんが、今日、自分の亭主が非常に愛して、連帯を込めてやまない動労千葉を一回でも見ておかなければ亭主に申し訳ないということがあったんでしょう。今日、ちょうど労働学校の日に偶然なったわけですけれども、この場に参加してもらいました。

 午前中、彼の四方山話もいろいろしながら、本山闘争の素晴らしさ、その中で培った多くの労働者が非常にたくましく成長したあり方、等々、何よりも当該である菅原氏という一介の本山の労働者がいかに階級的に、たくましく全体の指導をしてきたのかということをいろいろしました。
 それで動労千葉に対しても、カンパも頂きましたし、旦那が酒が好きで、酒で死んだというせいもありますから、奥さん、あんまり好きじゃなかったと思うんですけれども、お酒も持ってきてくれまして、仙台の酒、おいしいでしょう。あと牛タンなんかのつまみなんかも持ってきてくれまして、今日の動労千葉の労働学校に来ていただきました。
 僕は率直にいうと、非常にうれしいです。本当に3月8日のときも、自分が死ぬかどうか分からないという中で、俺は絶対に行くんだと言って、行こうとしたわけですよ。結果として来れなかったけれど、そういう気持ちを持つ労働者が1人でも2人でもいた。そういう労働組合を自分たちはみんなから助けられながら今までつくってきたということを、こんなうれしいことはないですよね。あんな組合、どうしようもないじゃないか。御用組合で、何かうまいことばっかりやっているじゃないかというふうに言われる労働組合が山とある状況の中で、あの労働組合はだんだん小さくなっているけれど、なんだかんだと言って踏ん張って今もって闘っている。うちの亭主はあの組合はいい組合だと言っていると。俺は死ぬ時にはあそこに行きたいという、そういう労働者が1人でも2人でもいるという労働組合をつくれたということについて、これまたみんなの協力でつくれたわけですけれども、非常に僕はうれしく思います。今日は感激しています。
 今日はぜひとも奥さんに、みなさんにご挨拶がてら、ちょっとお話をいただいて、全金本山という戦後日本の労働運動の中ではまれに見る闘争をやった名も無き労働者の労働組合です。それをやりきった普通の労働者、普通の労働者のかみさんがどういう気持ちでやっているのかということを、ぜひみなさんも学んでいただきたいと思うんですね。
 今日はいろいろお話しすることがたくさんありますけれど、おそらく講師の方が喋ることたくさんあるかと思いますので、また僕が余分なことを喋ってじゃましちゃうと申し訳ありませんので、あんまり喋らないで、今日はぜひ菅原さんの奥さんの話をしていただいて、それをみんなで受け止めるというふうにしたいと思いますので、ぜひご了解を頂きたいと思います。

仲間を信じて、仲間を頼って

 はじめまして。貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございます。ちょっと行かなければならないところがありますので、中座させていただきますけれども、その点、ご了解お願いいたします。
 今、ご紹介預かりましたように、亡くなる前日までみなさんと会ってお話ししたいと、千葉にくることを楽しみにしておりましたが、残念ながら亡くなってしまいまして、とても本人は無念に思ったことだろうと思います。個人的にもお世話になりました中野様はじめ、動労千葉の組合の皆様、支援の皆様にお礼を申し上げたくて、本日、娘と2人でまいりました。本当にありがとうございました。
 ちょっとお話しさせていただくのは、夫と私の出会いは1974年、労働争議の真っ直中でした。知り合ってその後結婚。3人の子供に恵まれました。労働争議というのはお金にしても、時間にしても、余裕が無くて、けっして安定した生活ではありませんでした。しかし、争議の過程で普通の生活では知ることのできなかったいろいろな方々との出会いがありました。お金にはかえられない闘う仲間の絆、友情、どんな圧力にもめげず意志を貫く強さ、さまざまなことを学びました。
 ところで組合という組織の中でも、それぞれの役割、分担があります。役割のある人、ない人、さまざまですが、それぞれの考え方で皆がまとまって組合ができると思うので、仲間を大切にしてほしいということです。本山労組の組合員のつながりは、34年間、共に闘いぬいた仲間だからこそ、今があると思っております。夫は不器用な性格がゆえに、与えられた役割を解決しようと悩み、日々深酒となり、大好きな酒が楽しい酒じゃなくて、辛い酒となって命を縮めてしまいました。みなさんにはそうなってほしくないです。辛いことがあったら、1人で悩まないで、仲間を頼って下さい。周りの人も任せっきりじゃなくて、手をさしのべてほしいと思います。
 本日、千葉にうかがい、皆様の前でお話しをさせていただいたことは、不慣れな私ですが、天国の夫もさぞ喜んでいると思います。どうぞ皆様、身体には充分気をつけて、ご活躍してください。本日はどうもありがとうございました。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)を随時発行しています

感想文紹介

☆今日は冒頭で全金本山闘争の菅原様の奥様、娘さんが前に出て下さり、奥様が辛いことがあっても1人で悩まず、仲間に助けを求めて下さい、お金にはかえられない闘う仲間との出会いがあったというお話しが、すごく実感が込められていて、印象に残り共感しました。天野先生の賃労働と資本の後半の講義も前回の復習を交えながら、とても分かりやすかったです。今の時代は会社(資本家)は労働者よりも株主など会社を守ること、維持していくことしか考えず、簡単に労働者の首を切り、生活できなくしてしまう、本当に許しがたい社会であることを痛感し、その社会をかえていくためには、労働者の団結しかないと思いました。大恐慌の行きつく先は戦争であり、TVや大新聞は肝心なことを報じていないということを感じますし、大多数の人々はそちらを信じてしまうと思うので、今、どういう時代なのか、ということを自分の身近な人たちから伝えていきたいと、今日の講義を聞いてあらためて思いました。
 田中委員長の言葉で感じたのは、今、自分が直面している職場で仲間をつくること、職場で苦闘の中からつくり出していくことの積み重ねが大切なのだとおっしゃっていて、本当にそのとおりだと思い、実践していきたいです。天野先生、『賃労働と資本』の講義、お疲れ様でした。ありがとうございました。来月の講義もいろいろなことを吸収していきたいと思います。よろしくお願いします。

☆賃労働と資本」の結論は労働組合であり、労働者の革命である。労働者を縛る鎖を引きちぎるには絶対なくてはならないものだと実感している。しかし、問題は内容だ!でも私たちには動労千葉という組合があるではないか。1500人の組合員が団結をして家族も含めてストライキに立ちあがる。現場の労働者を信頼して決断する執行部とのあり方は今こそ自分たちの内に取り組んでいくべきだし。今現在やっている事が「これなんだ!」とあらためて思いました。
 「資料の中に組合運動をとおして団結の素晴らしさ、階級的規律を学ぶ」とありましたが、私たちの「街」の今週1週間は、まさにそのような1週間だったと思います。「闘うためにどうするか」という事について話し合うことで団結し、団結した素晴らしさが味わえ、その中から規律を身につけるということです。
 そのことは国労5・27の被告団に対して弁護士たちが一同に「すがすがしい闘いだった」と表現していたことにも表されているし、「全金本山の菅原さんが訪ねて来てくれてうれしい!」と言っていた中野顧問にもあらわれていたと思います。
 でも今日一番の感想は、先生が共産党、不破と中曽根の対談に対し、怒りで言葉を詰まらせたことです。分割・民営化の張本人とマルクス主義をねじ曲げる共産党にたいし、私ももっと怒りを込めなければと思いました。そして、自分の中に持っている力と仲間の力とを引き出すような場(組合)をつくっていきたいと思います。

☆講師席には遺影がかざられていました。中野顧問は、そのことに触れられて話されました。となりの受講生に尋ねたら、「菅原さん」とのこと。中野さんのお話によると全金本山の労働者で、動労千葉と交流し、学ぶことを通して、全金本山の労働者たちが団結し、勇気づけられ、不屈に闘いぬき、最後に勝利をかちとったことなどを紹介されていました。中野さんが労働者の仲間=階級の兄弟を悼む思いとお言葉が温かく、感動的でした。そのあと、引き続いてつれあいさんと娘さんがお礼を述べたいとのことで、心に響く内容でした。
 「賃労働と資本を読む・下」ですが、前回に続いて熱っぽく提起され、通じるものがありました。いろいろ実例を出しながら提起し、説明もしておられましたが、「聞いているだけでは簡単に身につかない」ことを悟りました。やはり、「提起を受けた」うえで、自分が格闘しながら何度も何度も読み返すべきだと思いました。学んだことはいっぱいあります。例えば1917年のロシア革命は、21世紀の資本主義(新自由主義)=帝国主義は倒すことができ、世界史が社会主義への過渡であり、われわれが主人公をとなり、プロレタリア革命を実現することができると!それと2回の講義を聴いて、動労千葉の闘いと組織論=『甦る労働組合』にたえず立ち返り、そこから学び、くみつくした教訓の中にマルクス主義をつかみだして、具体的に引用し、提起しているところが重要であり、すばらしい講義でした。

☆何度か『賃労働と資本』の学習会に参加したことがありますが、結論部分は非常に印象が薄いというか、記憶が定かでなかったのですが、今日、“つづく”の未完で終わった“つづき”を手稿から再構成して提起されたのが非常によかったです。
 「賃・資」も「賃・価・利」と同じく、労働組合論、賃金闘争論と実践的かつ根底的プロレタリア革命の書であったことを再発見しました。
 労働者は、日常的な賃金闘争や職場闘争を闘う中で、資本家と全面的に争う能力を形成する、来るべき戦闘に必要なすべての要素が結合し、発展する−マルクスに向けた一本の糸となっている革命への意志が伝わる講義だったと思います。

☆今の組合がマルクス主義に絶対に触れない、持ち込まないことがいかに労働者の力を奪っていることかと思った。労働者の理論のない組合運動、資本主義救済の組合運動に労働者が魅力を感じないのは当然だ。
 ボーナスカットに対して、多くの人の反応は「不況だから仕方ない」「下げないとバッシングされる」「困るけどどうしようもない」というものだった。賃金による支配状態をそれ以外に方法がないもの、絶対的なものに感じている。「反対したらそれ以上に悪いことになる」というような、感覚が覆っている感じ。「賃金奴隷制社会が資本主義を支えており、その体制を打倒する以外にない。その力が労働者にある」というマルクス主義の立場があってこそ、この閉塞感を闘うエネルギーに変えられるんだと思う。職場で「賃労働と資本」の学習会をやりたい!とあらためて思いました。

☆「賃労働と資本」は学生の時に読んだと思います。「賃労働と資本」は小さな書物だが、とても重要なテーマがたくさんあるということが分かりました。この講義ではそれらを一つ一つ説明していきましたが、内容が厚く、とても一度では覚えきれませんでした。しかし興味が尽きず、とても面白かったです。もっとたっぷりと時間をとってゆっくりと講義をしたらいいと思います。
 前回の講義では剰余価値について説明していきましたが、今回の部分では階級と唯物史観についての講義でした。私がもっと話を聞きたかったのは、独占の説明と恐慌の説明です。ありがとうございました。

☆マルクス主義の中で労働者階級が資本主義社会の変革のカギを握るという中で、やはり団結革命やろうとは文章はたいへんよくわかりました。マルクス主義の内容は奥深いと感じました。マルクスを再度勉強して労働者の団結で革命をしていきたいです。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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