労働学校通信

第[期No.07


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次回講座のお知らせ

11月15日(土) 各13:00〜
 現代日本のナショナリズム
 第1回 「改憲のイデオロギーとナショナリズム」
  第2回 「戦後天皇制とナショナリズムイデオロギー」
 講師 伊藤 晃(千葉工業大学教授)
 『無産政党と労働運動』(社会評論社)『転向と天皇制』(勁草書房)『日本労働組合評議会の歴史』(社会評論社)など著書多数。昨年、労働者学習センターから『戦争と労働運動』を出版

*16:30より講師を囲んで懇親会を予定いたしております(会費1,000円)

労働学校通信 第7号 (2008.10.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

こんなチャンスはない

 われわれが見る時には、もうすでに世界的な規模で資本主義の体制は二進も三進もいかないところにいっているんだと。
こういう体制に対して、一体どうしたらいいのか。結局、労働者が団結して、これをぶっ倒す以外に手がないということを、今回のアメリカの金融恐慌のとっぱじめに、われわれの回答にしなければいけない。そのことをいろんな意味で再確認、再確信しなければいけないと思います。
 そういう点で鎌倉先生のお話も、多くの労働者を組織する、そして敵と闘うための、武装する理論をわれわれの腹の中に確立するという立場で、話を聞いてもらいたいと思うんです。
『資本論』の話だから、資本主義というのはしょせん、こんなもんだということを原理的にやる講座です。こんなチャンスはない。資本主義というのはこうなるんだということを、ものの見事に証明しているわけだから。
 だけど世の中では、資本主義しかないんだと思っている人が圧倒的に多い。だから、これを起点にして、この資本主義を打倒して、こういう時代が起こらないような社会の仕組みをつくるために、労働者が団結して、労働者が権力をとり、支配階級になっていく以外にないんだと、確信を持ってもらいたいと思います。
 自民党の問題を軸とする政治の危機が深刻な形で日本を覆っていて、世界的には金融恐慌が吹き荒れていると。これを打開する主体の側の闘いを、目標もはっきりさせて、こういう闘いをやろうということを設定しています。後は成功させればいいということになります。
 ちゃんと学習して理論武装し、多くの労働者に力をつけて、闘いに参画させるということが皆さんに問われています。今日の講義を真剣に、自分の中に入れて、明日、職場に帰ったら、職場の中で「リーマンブラザーズがどうのこうの」と説明したら、「お前、いつからそんな偉くなったんだ」という話になって、みんなが「おおそうか、お前はそういうことが分かるのか」と言って一目置かれて、「あいつの言っていることだったらやってやろう」という話になります。ぜひ今の経済状況に卓越するような存在になっていただきたいということを申し上げて終わりにします。
代表あいさつから

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)を随時発行しています

感想文紹介

☆サブプライムローンについては週刊誌等で読んで理解していたつもりでしたが、今日の先生の話を聞いて、とてもよく分かりました。「資本の自由は人間を殺す」「人間カンバン方式」という言葉の中に先生の怒りが込められていて、熱気を感じました。
 末期帝国主義という言葉通り、もう資本主義は終わりです。労働力が再生産できない資本主義。サブプライムローンも本当に帝国主義の破産の極みです。先生がくり返し強調されていたように、家を買えないような、ローンを払えない労働者に家を売って、そのローンの返済を唯一の根拠にして証券を発行したというのは、信じられないことですが、それが末期帝国主義の姿なのだと思います。目先の利益と自分の利益のことしか考えない資本が、帝国主義の世界体制そのものを崩壊させたということですね。
 テキスト『資本主義とは何か』は非常に分かりやすく、『資本論』の内容をここまでコンパクトにまとめ、なおかつ今の現実のリーマンブラザーズの破産やAIGの問題など、タイムリーに解説していただきありがとうございました。こういう話を縦横無尽に展開できると、11・2の集会の組織化や駅頭の街宣でアジる場合もきわめて有効だと思いました。やはりきちっとした理論武装が労働運動をやる場合にも根底的な確信となります。

☆今日の講義を聞いて、私自身が思ったことは、資本家=(物)所有している、労働者=(物)つまり生産手段を持っている。資本家は私たち労働者を商品のように扱い、労働力を市場に流し、そこで資本家同士で競争し、国際競争で生き抜くためには、物を安く売り、よい物をつくる。だが、実際、単純にそうはいかない。資本家は利潤を追求する。じゃあどうすればいいのか。資本家はまず賃金を下げ、労働強化、差別、分断、そこを徹底的にやり、労働者同士で競争させ、利潤を得る。しかもそれが産業資本−賃労働の基本的関係のルールでやっているわけだから、たちが悪い。日本共産党はルールなき資本主義から、ルールある資本主義にすると言ってますけど、日共は大事なことを曖昧にし、いかにもルールのある資本主義にすれば、全て解決できる言い方をしているけど、また戻りますけど、産業資本−賃労働の基本的なルールでやっているわけだから、一応ルール通りでやっている。だからルールなき資本主義という論理はあり得ない。日共の言うルールある資本主義とは、EUみたいに労働者にアメを与える資本主義だということだ。私たち労働者階級が解放するには、一人一人が自分の拠点(職場)で、労働者が自身の体制内的な考えから訣別し、皆で団結し資本家どもに武器(団結)で労働者階級が資本主義に対し武力介入し、お前ら資本家階級がいなくてもやっていける闘いをやる。私自身がいつも思っていることは、資本家とは違うのだよ、資本家とは。むしろ私たち労働者がやつらを食わしてやっている精神で心得ている。(無理やりまとめてみました)
●今後の希望
 労働学校の基礎編の講座で、田中委員長を先生にしてほしいかな?

☆前回に引き続き、鎌倉先生の講義を聞かせていただきました。資本主義社会の中での実体経済はまやかしであり、誰かが支配することの中で、労働者が一番被害を受けていることが分かりました。鎌倉先生のお話の中で、「労働者は労働を売るのではなく、労働力を売っている」という言葉がありました。私は福祉の相談員をしていますが、ずっと「自分が何とかする」という誤った気持ち(まあ、この気持ちがないとやってはいられないのですがね……)で、かなりの残業をして、ヘトヘトになっていました。これは労働力の再生産ができない状態で、自分の時間もなく、文化・教養を高める時間を失っていたんだ!!ということがはっきり分かりました。それでも、今ある介護保険制度のなかでは、残業をしなければ絶対に終わらない。資本と国家の勝手な理想論の中で、やっぱり私たち労働者と年寄りが被害にあっているんだと思いました。
 新自由主義、資本主義社会の中で、どうやって生きていくのか、ということになりますが、やっぱり労働者が起ちあがって、それをぶっ倒し、やはり全ての人たちが安心して過ごせるには、公的保障しかないと思います。
 世界経済の流れと株価の流れ、サブプライムローンなど、全てがつながって、いずれは私たちのところに覆い被さってくることが、現実的ではないけれど、少しはわかったような気がします。難しかった……けど、ありがとうございました。

☆熱い講義にあらためて資本主義に対する怒りをかき立てられました。今、眼前で進んでいる世界−日本の状況が、資本主義の終わりを示していると思います。
 先生が強調されておられた新自由主義について、まったくその通りだと思います。医療、教育、介護など、本来、金儲けの対象にしてはならない領域を民営化して、資本の餌食にするなど、もってのほかです。まさに今、黙っていては私たちは生きていけない状況が到来しているということだと思います。
 金融恐慌に突入している今、さらに大きな嵐が来るという指摘、身が引き締まる思いでした。問われているのはこういう資本主義を打倒する私たちの闘い以外ないと思います。ともにがんばりましょう!

☆ 昨年も鎌倉先生の講義を聞いたのですが、今年はさらに今の新自由主義経済の腐敗した実態が明瞭になったと思いました。最後の資本主義の姿であると思います。
 労働者を破壊する資本に対して、労働者階級が団結して闘う時代が来ていると思われます。労働者階級が取って代わらない限り、資本は過剰資本としてさらに全世界を破滅し、労働者階級こそが打倒できる階級であるという確信を持つことができたと思います。今後も理論的にもさらに確信を持って人にも訴えることができ、組織することができるように学習をしたいと思います。
☆あらためて気づかされたこととして、資本主義社会下としての矛盾がじわじわと湧き出てきた折、規制緩和や労働者への低水準な生活賃金の強制等の新自由主義構造の拡大によって、私たち労働者が資本、しいては国家により生活力や人格の破壊をされているのだと分かりました。
 レジュメの終わりにある「すでに資本主義は歴史の担い手になり得ない。展望は社会主義の確立」の言葉そのものであると思う。ブルジョア権力の利潤形成、増加ではなく、労働者側への社会的地位の向上(生活水準や雇用の安定等)を強く訴えなければならないと思う。

☆こんな世の中は変えなければ、こんな社会では生きられない。こういう実感は、すごく多数の人たちの実感になっている。じゃあどうするの? 目ざすべき社会のモデルはあるの? 北欧の社会民主主義の方向とか、ボリビアの水の話とか、そういう改善の方向と、社会の根底的転覆の方向と、同じ方向で進んでいくことができることなの?
 今日の話で、巨大な虚構経済−結局は実体のない見かけほどに強力なものではないものだ、という実感を持ちました。つまり、私たちの力をつぶすことができるものが相手なんだ、ということです。
 労働者が政府に求めることのトップに景気の安定とか回復とかいうことがあります。実感としてのゆとりとか、希望とかいうことが、その内容だと思います。
 政府だけでなく、日共やその他ほとんどがやり方次第で景気の回復が実現できるかのようにあおっています。
 それは間違っている、ということが分かったかなと思います。

☆今回と前回の講義を聞いて、資本主義のあいまいさ、虚しさをよりはっきり知りました。これをどのように分かりやすく、かみ砕いて労働者に伝えるかが私たちの仕事ですね。

☆「資本主義のどこが問題なのか」が、イコール“変革すべき社会、変革しうる社会であること”だと提起され、今、この社会に変革の主体がある、新しい社会、歴史の基盤があるのだということだと思いました。
 サブプライムローンは本当に資本の末期的なありようを示した。新自由主義、規制緩和の中で、儲け第一主義、資本の本質をもはやなんの歯止めもなく全面展開する、ということの行きついた先として、等々貧乏人の労働者をも“もうけ”の対象としてだまし、奪い尽くし、破たんさせる。本当に許せない!と思います。こんな資本はしかし、だからこそ今、全面的に破たんしている。一刻も早く、労働者の社会、真の主体である労働者が真に社会の主人公となる、支配を奪い返すことが必要だと思います。
 「資本にルールを」と「賃金上昇すれば消費増え資本にとっても良い」と提案する共産党は、体制打倒しない、資本主義を否定しない、労働者を資本主義打倒の闘いを組織しないという動機から、マルクス主義を裏切っているということだと思いました。
 株式の擬制性は、資本の最終的な“理想の姿”ということでどうしても難しいですが、資本の矛盾を最大限爆発させるのが株であり証券なんだ、ということは分かりました!

☆私は福祉労働者です。国(資本主義)は儲からない福祉になんか、もうお金を使わないと、どんどん福祉切り捨てを進めてきています。
 障害者自立支援法もそうです。障害者がサービスを買う。買える金がない貧乏人は死ねとばかりのやり方です。将来を悲観して心中した人もいます。本当にこんな資本主義は絶対にひっくり返すしかない、と怒りばかりです。
 先日は老人施設で働く労働者が夜勤をまだうまくこなせないという理由で、退職に追い込まれそうになりました。私たちの組合に加入し、労働条件の改善を勝ち取ることができました。闘う労働組合をつくることの重要性を肌で感じています。
 今日の講義で本当に今、資本主義が最末期に入っていることもよくわかりました。
 新自由主義と闘うこと。世界中で今、労働者がストライキを起こしていますが、その世界中の労働者とつながっていきたいと思います。

☆今、とんでもない時代だと分かりました。労働者としての文化、スポーツ、教養を補償する賃金でなければいけない。労働時間の短縮が必ず実現するような運動をしていきたい。
 うまく表現できませんが、まずは賃上げ要求でがんばりたいです。

☆資本主義社会というのは、めちゃめちゃ矛盾をかかえた社会だと思う。資本主義の本質というか、生き延びるための条件というのは、労働者からの搾取だ、ということですよね。労働者からとことん搾取する。搾取することで儲けを追及するもの。資本主義はだから労働者の存在なしには成り立たない。
 だけど、資本主義と労働者は絶対に相いれない。どうしてかというと、資本主義のもとでは労働者は奪われつづける、搾取され続けるから。ここに資本主義の矛盾も弱点もあると思う。資本主義の弱点イコール労働者の強みということで、提起の中で“資本の自由の徹底は労働者を殺す”から変えなくてはならないとありましたが、私の感想は、そんなふうに“追いやられて追いつめられて起ちあがる”という感じではなくて、弱点(資本の)をつかんでいるのは労働者の側なんだということです。
 資本の自由=搾取の自由→できるだけ賃金を切り下げて労働強化して、とことん儲けを追求して、労働組合をつぶして……、だから資本の自由、搾取の自由と労働者をバラバラにするのは一体ですね。団結の問題も、もっと話してほしかったかな……。
 株とか擬制資本とか、聞いているうちになんだかよく分からなくなってしまいました。

☆勝利の展望、11・2へ!

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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