労働学校通信

第8期No.03


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次回講座のお知らせ

6月21日(土)・7月19日(土) 各13:00〜
 労働者の生き方
 講師 森尾 誠(社会問題研究家)
 マルクス主義の復権に力を注ぐ。労働者は社会の主人公であることを明らかにする
*16:30より講師を囲んで懇親会を予定いたしております(会費1,000円)

労働学校通信 第3号 (2008.06.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

階級性がある

災害というのは、最初はあんまりよく分からないから少ない数を言う、結果としては膨大な数になる。おそらく、われわれの知るかぎりにおいては最大の災害になると思っています。この「四川省大地震」被災者総計1千万人と言われています。この災害についても、非常に「階級性がある」と思っています。そういう目で見るべきであると。
自然に対する対抗というのは、コンクリートで鉄骨を入れて丈夫なものを造ればいいというんじゃなくて、やはり自然だから、「自然によって守っていく」ということを考えなければダメなんだよね。だから山をやたらと崩したり、木を切っちゃったりしちゃうということは、災害の時はもろいわけですね。つまり鉄筋が入っていないからもろいんじゃなくて、自然を破壊しちゃったからもろいわけ。その自然の破壊というのは、ほとんど金儲けのためにやられている。この間の、われわれの歴史的な教訓だと思います。

これが核心だと

 08年の後半というのは、けっこう世の中は騒がしくなると思います。起こっている、事象・事象に対して、的確にそれを見抜く力、それが労働者に味方になるのか、大変なことになるのかということを見抜いて、それを闘いの中に生かしていくことが、本当に重要になってきています。
何が起こっても、全然それに対して何が起こったのかわけがわからないのでは話にならないからね。職場の中でも同じですけれども、そういうのが活動家の資質なんです。起こっていることに対してすべて1から10まで全部やろうといっても無理だから。
核心だと思ったことについて、これをデフォルメ(deformer・対象を変形させて表現すること)して設定するということが重要であって、だいたい労働者にとって都合の悪いことは取り上げない。  
労働者にとって都合のいいことだけ取り上げて、それで闘う、検討する、ということをぜひ、これから動労千葉の労働学校の中で学んでいってほしいと思います。今日も頑張りましょう。
(開校式代表あいさつから)

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)を随時発行しています

☆情報量(と、藤村先生+マルクスの気迫!!)が圧倒的で、中身についていくのでいっぱい、いっぱいでした。今日はあっという間に終わった感じがしました。このあと、少しずつじっくり今日の内容を消化して、自分の活動に役立てていきたいと思います。
 ふと疑問に思ったのですが、どうして「(徹底的)拡大ができないと資本主義は成り立たない」のか(「安定して、そこそこ成り立つ資本主義があり得ない」のはどうしてか)?なぜ右肩上がりでないと成り立たないのでしょうか? そこがちょっと分かりづらかったです。(講義中はかみ砕くのに必死だったので、フツーにノートとってましたが、ハタと気になり出しました)

☆労働力の再生産や3の(2)一日の労働時間を何時間とするか、について、私の身辺で聞こえてくる話を交えて、私の知人に、ある会社に勤めて5年目で手取19万の正社員がいます。仮にAさんとしましょう。この会社で正社員の公休は(契約上)8日です。1日の労働時間に決まりはなく、Aさんの場合、平均して10時間ほどで、残業代は出ません。Aさんは店舗勤務なので忙しいかどうかというのは月により日により異なっていて、忙しい月は満足に公休も取れません。(ある時、有休について聞いたら、公休も取れないのに有休なんて取れないよ、と話してくれました)Aさんのいる店舗はあまり業績がふるわないので、人件費をあまりかけられず、昨今相次ぐ不祥事からか、本部から達せられる仕事は増えていくので義務ばかりかさんでいきます。Aさんはしょせん低所得者にあたると思うのですが、生活費という点では(資本家の視点からは)充分だと見なされるかも知れません。たしかに餓死はしないでしょう。しかし、労働力の再生産という観点から言えば、不充分です。自ら好きにできる(休息できる)時間がなければ、人間は精神的にも肉体的にも疲労していき、壊されてしまいます。これは友人の職場での話になりますが、忙しいからと2ヶ月も3ヶ月も休みをもらえなかったアルバイトがいました。彼をBさんとします。(Bさんの扱いは法的にも不正なことですが、この会社では一時期、それが当然のようにされていました)資本家の側からすれば、生活に必要な程度の賃金は与えているから良いだろう。たくさん稼げるのに何が不満なのかといった所でしょう。忙しい期間中、Bさんは病気になっても医者にかかれず、激しいストレスもあって精神を病み、会社を辞めました。会社を辞めてからもBさんは人と顔を合わせるのも怖いような状態にされてしまったので、労働者として働くことができなくなりました。彼はもう労働力にはなりません。事実上の使い捨てですね。Aさんの話に戻ります。Aさんも休みが取れない時は生産力も注意力も下降していきます。労働力が低下すれば注意叱責されることが多くなって、ストレスが溜まっていきます。ですが、Aさんがどれだけ休日を奪われても、ストレスを受けても詰め込み作業させられても体調を崩しても賃金は定められたとおり19万で、働きはまったく比例しません。(余談ですが、昇給は年1回7000円ほど、長年勤め続ければ一応年収500万〈手取ではなく〉くらいになるし、転職に対して不安もあるので、辞めようとも思いづらいようになっています)私はAさんやBさんに対しての賃金がまっとうな額とは思いません。完全に資本家の都合です。建前では再生産費も含まれる、と言われても、それは今や偽りとなっています。資本主義が行き詰まってきた関係で、自分たちにとっても(効率的な面から)必要であるはずの労働者の休息まで奪う程、資本家は節操がなくなってきています。現体制内での和解などあり得ません。今こそ、生き残るため、人間としての権利を取り戻すために、われわれ労働者が権力を奪い取り、労働を中心とした社会を築いていかなければならないのだと思います。

☆今日の講義は熱が伝わってきて分かりやすかったと思います。前回からはじめて参加した職場の同僚は、前回は3分の2くらい寝ていましたが、今回は最初から最後まで寝ないで聞いていました。
 同僚が前回寝ていたので、今回は事前に待ち合わせて一時間だけ時間をとって予習・復習をしてから来ました。『賃労働と資本』に何が書いてあるのか、どのようなことを学ぶのかということを、概略説明しました。そのこともあったかも知れませんが、前回はいきなり連れてきたこともあって分からなかったかもわかりません。その上で講師の話が分かりやすかったことと熱があったのは間違いないと思います。『賃労働と資本』は、労働者にとっても日々の労働現場の話であり、現在進行形の分体験していることなので、やはりすぐに分かるのだと思います。
 質問に対する答えも鮮明だったと思います。質問者の人は『資本論』を読んだことがあるようですが、「賃労働と資本」の関係の当事者になったことがない人なのかもしれません。知識だけだと分からないものがあるのかも知れないと思いました。

☆賃金労働が「二重の自由」を前提にしていることが資本主義社会の仕組みを理解するうえでストンと胸に落ちる内容だった。
 1970年代に就職し、高度成長期といわれる時代に賃金労働者として働いていた頃、資本主義の構造を自分なりに理解しようとしても、なかなか実感として分からなかった。「資本家はものすごくもうけていて、それに比べて私たち労働者は本当に搾取されている」と、そのような受け売り的な考えはあったが、労働者階級と資本家の潜在的な非和解的構造が理解できていなかったと思う。
 今の時代、この2008年にいたって、資本主義の仕組みがむき出しになり、『賃労働と資本』の内容が現実を通してはっきりとつかみ取れるようになったと思う。
 マルクスの労働貯蓄制の批判も、年金や健康保険の現状が物語っていて、はっきりと資本の「だまし」が表れてきている。
 とてもおもしろい内容で、よく理解できました。ありがとうございました。

☆レジュメを読むと、第1回目の方も聞きたかったと思います。これまで『賃・資』をきわめて限定的なとらえ方をしていたのが、この間、あらためてマルクスが革命をアジっているものとして捉えるようになりました。
 労働者階級の歴史の中に人間のすべてが含まれているということに、心底同感!!

☆本日より初めての受講となります。同じ職場の労組の方に連れてきてもらい、何が何だか分からない状況ではありました。
 今まで私は分会長を2年やってきましたが、それは名ばかりで、何も組合活動などしていない状況でした。しかし、今年3月に登録ヘルパーさんが、利用者宅に向かう途中の事故に遭い、それを当局側は何もせず放置しようとしました。団交の申し入れなどを通し、先輩達に助言をいただきながら今も責任追及をしています。
 在宅部門の職場で、どうしても書類整理やパソコン入力が多く、ひどい時には深夜にも及ぶ残業をしていますが、今回の問題や、今日の講義を聞いても、自分が今までいかに資本、当局側に操られていたのかが分かりました。
 職場には信じられる人も多く、頑張っていますが、自分の働き方をもう一度ふり返ってみます。
 ありがとうございました。内容は難しいですが、蜜!!な講義でした。

☆久しぶりに『賃労働と資本』の学習をしました。のちの『共産党宣言』につながっていく、労働者と資本の非和解性や賃金奴隷制を解明している内容だと思います。(P6〜P11の数式は難しかったです)
 ところで労働力の価値が「等価交換」ということが、非常に階級を支配するトリックのように機能していますね。私の職場では「フレックス・タイム」のようなことが始まっていて、それに対する資本の答えは「一切のサービス残業はさせておらず、全員に時間外賃金を支給しているではないか」というもの。これに対してはあらゆる救済の拒否だとか、「資本の生産性向上は搾取の強化」ということで対決するしかないと思っています。
 「会社なくして労働者は生きていけない」という攻撃に対して、「団結」を対置するしかないと思っています。
 そういう意味では今日の講義は「団結論」を軸にして理論を展開してもらえると、もっと分かりやすかったです。
 最後に「マルクス主義=階級的団結」と締めてもらったのは圧巻でした。ありがとうございました。

☆今日は沖縄闘争に青年の多くが参加して教室には不在であった。質問時間、青年だったらどのように質問し、答えたか。私は講師の回答に「なるほど」と聞き入っていた。質問に対して「それは重要なことだ」ということから展開して、これまでの奴隷制、封建制、強奪、収奪とは違う、労働者が自らを労働力商品として売る物質的関係、これそのものが暴力であると展開していた。自らの価値通りに賃金を払え、これが体制内労働運動、しかし資本家に対しては、これだけ生きていくためには必要だから払えという関係である。価値通りに払えといっても資本家はあなたが生きていけるだけのものは払っているという。それだけ。賃金はそのような内乱的闘いの結果も含んで決められている。
 だいたい以上のような内容で展開されていたと思う。つまり、賃労働と資本の枠内でその範囲で考えるかぎり、労働者の解放はないということであると思います。今日の講義の結論部分。資本主義社会は最後の階級社会であり、労働者という革命的階級が登場したことが決定的なのだということが一番印象に残りました。労働者が生み出すものは賃金です。つまり、労働が疎外されているということの極端なところまできている。自分がこれだけ働いたからこれだけの賃金をもらえるというのは事実と180度乖離している。自分が労働をしているのは社会を成り立たせるためである。賃金の高低が問題だとなった時、そこが見えなくなる関係そのものが資本主義。実は団結して社会を自らのものに取り戻すためにこそ労働している。だから団結の基礎的形態が労働組合。賃金ということとも密接に関係している。この団結を拡大しないかぎりは、資本家の支配の強化のために一生懸命、お互いに生命をすり減らしあうという関係が強制される。団結は労働者の死活がかかっている。労働組合のあり方を変えることに労働者の死活がかかっている。

☆『賃労働と資本』はくり返し勉強しないといけないとあらためて思いました。資本の増大が労働者をよりいっそう、搾取する社会。それが自らの意思で自分の労働を売ると、そしてその対価としての賃金がある。一見平等であるかの装いをとって階級社会が貫徹されている。これを労働者階級の側から、この社会をひっくり返していく理論としてのマルクス主義。
 最後の階級的団結論や階級的なむき出しの関係に突き落とされるが、それによって真実をつかみ取る条件が生まれるという……今まさにそれだ。これからますますそうだと思いました。

☆資本主義の仕組みが古代奴隷制よりも中世封建制よりも、もっとも苛酷で「非人間的」であるという前提で、学習会をやってきました。(『宣言』の一章の史的唯物論のところもそうです)
 しかし、今日、(P19で)残された草稿の中にある「賃金制度の積極面」という項目は驚かされました。「革命的階級であるブルジョアジー」という『宣言』でのとらえ方と同じ意味ですが。
 階級なき社会をつくり出すことのできる唯一の階級=プロレタリアートを生み出しているという意味(最末期帝ではよりいっそう鮮明)、本当に積極的に捉えられます。
・賃金闘争を職場でどうやっていくかという観点から講義を聞いてきましたが、本質的なところで非常に“腑に落ち”ました。職場の賃金闘争という実践的な闘いの報告や質問などが一つでもあるととても深まると思いました。(今日は若者が少ないので、その点、残念でした)。

☆「賃労働と資本」の理論を理解しようとする気持ちが強くあって、学習としての学習を、としている態度が大きい。
 労働者階級の一員としての闘いによって、もっと認識させられなければならないと思っています。現場(職場)での闘いによってマルクス主義=革命(論)が理解されると思いました。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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