実践講座第5回のお知らせ
12月22日(土) 13:00〜
◆社会保障制度改悪について
◆講師 山部 明子(社会保障研究家)
戦後社会保障制度が全面的に解体されようとしているなかで、その闘いは労働運動の中心テーマになってきている
16:30より講師を囲んで懇親会を予定いたしております(会費1,000円) |
労働学校通信(実践講座)
第4号 (2007.12.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル
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労働組合の本来の姿を示した
(第4回実践講座代表あいさつより−要旨)
韓国の労働運動から学ぶところがたくさんある。韓国の労働者たちも日本の労働運動を学ぼうとしている。戦後、この日本に労働者が権力をとるということがあり得る状況があった。その後の60年間は労働運動を叩きつぶす敵の攻撃と、それに対抗する労働者の闘いのせめぎ合いだった。
1980年代、レーガン、サッチャー、中曽根が登場し、「新自由主義」政策のもとで民営化攻撃が強行されていく。特に敵は国鉄分割・民営化攻撃に日本の労働運動を根絶やしにするという執念をかけて全力を上げた。日本の労働者階級は団結して対抗できなかったが、動労千葉がストライキを敢行し今も闘い続けて、国労も一応、国労という名前を捨てないで残っている。国鉄を中心とした不屈の闘争があったからこそ、郵政も民営化に20年かかった。20年経って日教組、自治労に対する攻撃に出てきた。日本の労働者も全部、やっつけられたわけでもない。いろんな闘いを継続してきたことが、今日ひとつのものとしてあらわれてきている。
韓国の民主労総の人たちは、日本の労働運動を自分たちの将来の姿としてみている。民主労総も連合みたいになってしまうんじゃないかという危機感が強い。だから今、一生懸命頑張らなければいけないと言って、連合化に抗して闘っている動労千葉に大変な関心を持って、ともに闘おうということでやっているという状況だ。
9月29日、沖縄で11万6千人という沖縄闘争史上最大規模の集会が行われた。これは沖縄だけの問題なのか。そうじゃない。労働者のいろんな怒りが一点に凝縮して起こったことだと思う。
本気になってけん引したのは沖縄県高教組という3千の労働組合だ。全組合員が地域に入って、ひとつの革命的情勢をつくっちゃった。だから労働運動をやろうということはそこにある。労働運動は右だと言う人が結構いる。冗談じゃない。闘う場のない労働者たちが労働組合という場を通して自分の力を発揮できる。労働組合の本来の姿はこうだということを今回の沖縄闘争は示したということだ。
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ひとりは万人のために 万人はひとりのために 交流の広場−闘いの輪(受講生の声) |
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◎ 受講感想・感想編
●単なる歴史ではなく組織戦略を考えさせてくれる話だったと思います。日本は企業別組合の限界が指摘されて久しいわけですが、連合結成時の産別一本化、この間の大産別化において、民主労総のような視点、論争がないというのは大きな問題点なのだろうと改めて認識させられました。
最後にふれられていた未組織・非正規の問題はやはり克服のむずかしい問題なのだなと感じます。私の労組は自治労県本部から非正規組織化のモデルケースとして取り組まないかと持ちかけられたのですが、執行部、書記局、全体の認識とならず断念する状況があります。
先日、動労千葉物販オルグを回る中で大変な現実を改めて感じた場面がありました。県労政課の何年か前の組合名簿を頼りにいくつか回ったのですが、「組合を解散した」「組合員はいなくなった」「支部は解体状態だった」「統合で分会組織がなくなった」などのケースに出くわしたのです。未組織のオルグなどという前に、組織→未組織になっていく。御用執行部打倒などという前に、執行部、組合すらなくなっていく現実! それでも「組合はなくなったけど、職場で回覧する」とか「支部再建のためになんとかしようとしている」という話も聞きました。絶望することはない。改めて中野代表の言葉「すべての端緒は困難である」を思い出した次第です。
●産別労組建設運動が(理想的に)進むと、その産別が団結して、全体でゼネストを行えるようなものになるし、組合員の意識も自分の企業に縛られないものになり、体制内労働運動を乗りこえる階級的労働運動につながるものだと思いました。
しかし、実際はそう容易でないようですね。たしかソウル大病院労組は、産別労組の主張にあわせると自分達がすでに勝ちとっているものを放棄せざるを得なくなり、結局、脱退することになっていました。(ただし05年秋の頃の話ですが……)
労働運動は結局、資本主義を超えるものをはっきり意識せずに、自分たちの権利の拡大を求めている限り、堕落していかざるを得ないのではないかと思いました。
●・今まで「産別」という言葉はよく耳にしたが、いったいそれがどういうものなのか細かいところまでは理解していなかったので、「産別労組とは何か」ということで、企業別組合と対比をして、特徴や問題点を聞けたのがよかった。
・現代自動車労組の産別労組転換への取り組みのところで、労働時間内に組合員教育ができることを協約で勝ちとったとありましたが、それはすごいことだなと思いました。
●ものすごくたくさんのことを短時間で講義して下さったのですが、あまりというか、少ししか入りませんでした。
韓国の労働組合組織率17%と低いと言われていますが、数が多いことにこしたことはないですが、あれだけ戦闘的な闘いを展開することはすごいですね。現代自動車労組が労働時間内に1年に前半4時間、後半4時間の労働組合の学習時間を勝ちとっていることがすごいですね。
これは何回かに分けて学習する機会があればうれしいです。
●産別労組運動が韓国の労働者階級解放を促進するものだとは思いますが、非正規労働者の増加、低賃金化に対しても、正規、非正規労働者が団結して、階級として闘っていければベストだと思いました。
●質問の多くも産別と非正規の関係に向けられていました。韓国の労働者にその質問をすると「労働者はひとつ」という答えが返ってくるのではないかと思います。(以前、「つるばらの会」の出版集会に参加した時の場面)答えとしてはそれにつきると思います。しかし、それをどう具体的にやっていくかということをもう少し考えていかなければならない。まずは「労働者はひとつ」の答えにこめられた思いが分かることが必要です。それを必死で追求しているからこそ即座に返ってきた答えであり、あらゆる分断策動に対して闘いを貫くために、どれだけ血と涙を流してきたかということでもあると思います。労働者は労働者としてひとつ、つまり労働者階級として団結をかちとっていくためにはどんな犠牲でもいとわないということだと思うのです。青年はそのことを「団結の究極の拡大が革命です」(3・18イラク反戦集会、6・9ワーカーズアクション渋谷)と表現しています。労働者は資本家の分断攻撃の中で、ほとんど敗北を強いられる。しかし団結を求めて闘うなかで、一歩ずつ団結を拡大していく。そこにこそ展望がある。資本家に勝利することと、労働者が団結することは同義です。そのカギは今日の講義でもありました。現代自動車には9つの労働者グループに分かれていたといいます。その中でどのグループが本当に大多数の労働者を組織していくのか。それは革命を意識的に準備していくことです。その労働者の組織=細胞を媒介として、労働者は革命においてひとつ、権力奪取においてひとつという闘いを推し進めていくということではないでしょうか。
11・4集会というのも、底ではそのような意義をもった集会であると思います。最も大衆的に最も革命的に。そのような闘いをやっていきたいと思います。
●「産別労組建設運動」は明らかに民主労総の中にさえある「体制内」的あり方を打破していくという組織論的命題を自らに突きつけるものとしてあったはずだ。労働組合とは何か、労働運動とは何か。そして労働者とは何かを問う運動であったろう。それは労働者の普遍性を問うものであったと考える。
「2・6社会合意」過程での民主労総中央のありようを見ると、「構造調整」→国家の破産(破綻)を突きつけられた時に、民主労総でさえそれを当然にも「よし」とする態度をとりえなかった。それほど「祖国防衛」観は根強いのだろうが、しかし数日後には代議員大会でその誤りを正す。ここに民主労総に結集する韓国労働者の底力を見た。
●韓国の労働運動についてナマの話を伺うのは初めてです。韓国の労働者の闘い−苦闘を身近に感じることができました。ただ、私の不勉強があり、講義の内容は大筋でつかめたかなという段階です。今回を機会に勉強を進めていきたいと思います。
意見というより印象になるのですが、民主労総の闘いが英雄的に粘り強く闘われつつある一方で、非常な苦闘を強いられているのを感じます。それは討論で出ましたが、正規職と非正規職の分断攻撃をどう打ち破って労働者階級としての団結をかちとっていくのかというテーマが、ひとつの例としてあると思います。
さらにまた核心的問題として、労働者階級の解放を実現するために労働運動はどう闘われるべきかというテーマが階級的理論として浮上してきていることを感じます。韓国−日本の労働運動−階級闘争が相互に影響しあい、助け合いつつ進んでいくことになると思います。私も韓国の労働者階級とともに闘い、共に勝利していこうと改めて気持ちを引きしめました。
●・初学習で産別労組の特質や問題点について、ほとんど知らなかったのですが、今回、民主労総の建設経過とあわせて具体的なイメージをもって知ることができました。
・韓国において労働運動の「横の連帯」等が法で禁じられていたことを知り、いかに資本にとって労働者の連帯が脅威的であるかということを見せつけられました。まさにブルジョアジーの墓堀人としてのプロレタリアート、という表現がぴったりであると感じます。
・前半、特に8ページくらいまでの概説的なお話がとりわけおもしろかったです。後半はかなり詳細にわたっていたので、復習が不可欠だと思いました。
●いつの時代も体制内との闘い。日本も韓国の労働運動も同じ局面にあると思った。戦闘的労働組合、原則を曲げない組合活動であるからこそ、必然的に体制内との闘いになると思った。
●・1987年労働者闘争がきわめて大きな闘いだったのだなと思いました。そこから出発して闘える組織を模索しているのかなと思いました。
・三つの潮流については、やはり戦闘的、民主的労働運動の中でも左派=階級的労働運動がしっかりヘゲモニーをとらないかぎり、体制内的にとりこまれていってしまう危険性を感じました。体制側もそこは必死にそうしているのだなと思いました。
・現在の情勢(世界情勢=日本情勢=韓国情勢)と韓国労働運動の課題という切り羽が、もうひとつ必要なのではないでしょうか。企業別・職能別→産業別労働運動へという脈絡だけでは、(ひとつの重要な流れであるとしても)少し狭いのではないでしょうか。
●他のどこでも聞くことができない、大変貴重な内容でした。1987年大闘争から数えても20年、民主労総発足からでも12年、このわずかな年月の間にこれだけの運動を作り上げたのは、まさに現場労働者、彼らの本当に粘り強い、献身的な組織化の努力、しんどい議論を乗り切るしぶとさが産別転換を成し遂げたんだと思います。大いに学ばなければいけない。
しかし、これだけの大運動を作りながら、革命を意識している活動家はまだまだ少ないと思う、というお話は意外な気がしました。非正規職の問題も決定的。
日本、韓国労働運動双方が抱える問題点を克服していくためにも、国際連帯闘争の重要性を益々強く感じました。
●私自身、労働組合活動をそれほどやっていたわけではないので、今日の講義はむずかしかった。
ただ、労働組合なしで働くのは、他人の助けなしで働くのはむずかしく、仕事自体、うまくいかないことが多いと思う。私自身、試験勉強などを他人の助けを借りずに独学でなんとかしようとすると、たいがい失敗した。自分だけが助かればよいと考えて行動すると、他人の協力が得られずに、失敗することが多い。だから仕事場でも仲間同士が助け合い、そのための組合があった方がよいのはよく分かる。
しかし、現実的に自分自身が組合をつくるにも作りづらい状況が多すぎて、ついつい組合をつくらないままでいる。
「お金で買える夢はたいした夢じゃない」と格好いいことを言ったとしても、「給料安すぎる」と思ってしまうのが現実だ。
格好いいことを言ったり書いたりするよりも格好いいことをすることの実行力が、今求められている。
労働運動では、私自身は本当に初歩的なことからやらなければならないが、基本的なことを本当に真剣にやらなければいけないのだろう。
ただ、労働運動のための労働運動としてではなく、まず、仕事そのものを真剣にやっていかなければ、労働運動はあまりうまくいかないだろう。
何はともあれ、基本が大切だ。今まで思い上がっていて、基本をおろそかにしていたと思うからだ。基本ができてないと必ず失敗する。
●中野さんが冒頭にアジッた!!「労働運動を、その拠点をたたきつぶす攻撃とそれに反撃する闘いのせめぎ合いの60年だった!!」「今年、郵政が民営化された。だけど国鉄の分割・民営化から20年、できなかった!!」「韓国民主労総は今、87年労働法体制を打破しなければならないと言っている。彼らも壁にぶち当たって、その展望をかけて動労千葉に学ぼうとしている」。そして「今年の11月集会は10回目の節目の年、8回とか9回とはわけがちがう!」と。
1)9月29日、沖縄で11万6千人が集まっちゃった!!(1985年プラザ合意、円を高くした)なんでだ!? あきらかに労働者たちがもうこれ以上、やってられなくてあらゆる問題が教科書に凝縮した!!3000人の高校教職員組合が全力ですべてを本気になってやった!!労組が1000でも2000でも3000人が本気で全員首をかけてやったら、ひとつの革命的情勢をつくっちゃった!! 労働運動は右、冗談じゃないよ!! 俺が指導すれば左になる、ということなんだよ!!いわば革命がおこった!「11・4はこの指止まれ!」と言っているんだ。みんな待っているという核心。あと1週間、1万人結集に向けて、何としても1万人を!!
2)韓国金属産別労組建設がどのような問題意識と戦略のもとに進められたのか、87年大闘争と民主労総の創立、そして97年IMF事態の流れの中で整理して講演された金元重先生の提起で改めて大づかみに民主労総の闘いをつかむことができました。ありがとうございました!!
●普段日本で「企業別組合」ということはあまり意識されていないと思います。闘うための〈産別転換〉になるか、非正規職の闘いとリンクするかどうかは今後の課題と伺っていましたが、当面する問題は「資本主義の枠内」なのか「革命」という問題がつながっていると思います。
実践で連帯して、闘っていきます。
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労働者学習センター事務局
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