労働学校通信

第Y期No.05

次回講座のお知らせ

8月19(土)・9月16日(土) 各13:00〜
 資本主義とはどういう社会か
 講師 鎌倉 孝夫(埼玉大学名誉教授・東日本国際大学教員)
 マルクス主義経済学者。『資本論体系の方法』(日本評論社)、『資本論とマルクス主義』(河出書房新社)、
『経済学方法論序説』(弘文堂)、『「国鉄改革」を撃つ〜公社交通の再生』(緑風出版)など著書多数。
資本主義社会について全面的、体系的に明らかにする
*親睦会も楽しみです(会費千円)

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労働学校通信 第5号 (2006.08.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

帝国主義というのがわかる

 この1ヶ月ぐらいの間でいろんなことが矢継ぎ早に世界中で起きています。今日のテーマである「現代の帝国主義」ということについて、非常にわかりやすく、この事態がなんなのかということを考えれば帝国主義というのがわかるということが我々の身の回りでいっぱい起きてきています。
やはり東北アジアでなによりも常に緊張関係をうむ最大の根源は、日本を中心にしてアメリカ軍の基地があるということだと思うんだね。しかもこの過程でトランスフォーメーションと言って、日本の座間に司令部を置き、横須賀を原子力空母の母港にするとか、沖縄を再編強化するとか、いろいろやっているわけじゃないですか。
 ・・・・そういう問題じゃないんだよね。やはりアメリカの労働者たちとどうインターナショナルな連帯をつくっていくのか、団結をつくっていくのかということを抜きにして、戦争を止めることも出来ないし、この世の中も変えることはできないということを主張して、日本の中でも60年安保を契機にして、いわゆる新左翼運動というのは起こったんです。

「帝国主義論」−11月の闘争に向けて非常に重要

 そのことは今の北朝鮮のあり方もそうでしょう。唯一、核にしがみついている。気持ちはわからないでもないけれど。他にないから。あれで情勢が切り開かれるのか、展望が切り開かれるのか、ダメですね。
 今どうしたらいいのかという時に、それを主張していくという、そういう路線的というか理論的根拠をちゃんと勉強しなければいけないと思うし、帝国主義論の核心はそこにあると。
 「ミサイルが飛んできたらどうするんだ」というようなことをめぐって、必ずしもこの問題はそう簡単にいく問題じゃありません。多くの日本の労働者たちだってそれに巻き込まれかねない、ということも秘めていて、排外主義だとかナショナリズムだとか、そういうことに対する闘いというのは、非常に大変な闘いです。だから労働者が団結してそれにあたらないと、絶対にこれはものにならないわけであって、そのことをぜひ、帝国主義についての2回目の講義になりますから、今日は納得するまで討論して下さい。
(代表あいさつから)

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)を随時発行しています

感想文紹介

参加になります。はじめに分かりやすく熱い講義、ありがとうございます!
 マスコミの報道する表面上だけの(ねじ曲げられ省略された)事実に目を奪われていました。北朝鮮ミサイル問題、イラク戦争の本質、仕組み、よく分かりました。
 衝撃がデカすぎて、脈が上がりっぱなしです。ふるえが止まらない。怒り(悲しみ)それだけでなく、それを原動力として生まれる連帯、団結できるんだ……変えていけるんだ!!という希望!!!
 自分のように薄っぺらな事実しか知らない人には伝えなければ。
 先進国? 戦争国家じゃん。環境汚染国じゃないですか。ミサイル爆弾ボコボコ落としてエコロジーだのエコノミーだのほざくな。先進国が"途上国(または文明が開化してない国)"呼ばわりするところの人々。真の平和主義者って彼らのことでしょう? 自然と生きて家族と生きて仲間と生きて、考え方、価値観の違いを認める。旅人を受け入れる。歌をうたい、踊りをおどって愛し合う。それで十分なのに。
 そういう人達を見て、彼らのすべてを奪いたい……奪おうとする人々がいる。認め合い、思い合う人々を認めない。思うことができないひねくれ者。皆に愛されるような人を嫌う、そんな人。
 そうじゃない。皆違うけれど、違いを認めて。違いを知るからおもしろい。違いを超えて仲間になれるから、素晴らしい。そう思える人がもっともっと増えるように、まずは自分が学び、行動していこうと思います。

ラク戦争のむごたらしさはひどすぎる。人間は医学というのを発展させてきたのに、戦争という愚かなこともやる動物である。その戦争の原因は、石油のためであり、お金のためであったりする。だけど、お金はそもそも生きていくための手段であるし、お金は一部の人間にしか通用しない理屈である。他の動物や植物にはお金は通用しない。人間がお金のために血を流している愚かな結果になったのは、やはり資本主義、帝国主義のためにお金の力があまりにも強くなっているからであろう。そして、お金を基準にものごとを考えがちな世の中になっている。
 そのためにホリエモンや村上ファンドのような問題、資本主義社会特有の問題、戦争の問題、イラク戦争のような問題が起こってしまっているのだ。
 だけど、人間という動物は、医学という素晴らしい学問も発展させてきたので、「平和医学」という学問も発展させることはできると思う。
 それは労働者階級の国際連帯が自然治癒力となることなどである。人間社会を一つの生命体と考えれば、戦争は明らかに病気である。
 戦争という病気を治すのに、様々な方法が考えられるが、裁判所が「法律上の訴訟」でないとして、イラク派兵違憲訴訟に却下や棄却の事実上の濫用をしている以上、司法省が期待できない以上、選挙で自民党を落とすことを考えたり、大衆運動を発展させて反戦運動の国際連帯、労働運動の国際連帯こそが戦争という人間社会の病気を治す力になると思う。そのためにできることをまずやりたい。

さらながらの質問で申し訳ないんですが、あらためてはっきりと返答できる言葉を持つために質問します。
@資本家って……「資本を持ち労働者を雇って(労働力を買って)いる人」ですよね?!この資本っていくら以上とか、労働者をどのくらい雇っているとかあるんですか? 例えば個人経営で細々とやっている人達も資本家と労働者関係というんでしょうか。
Aプチブルジョアって……農家とか自分たちの財産(資本?)を持ちつつ、自分も働いている人達のことを言うんでしたっけ?! それとも資本家の中でとっても大金持ち(この大金の定義もよくわからないんですが)と、そこそこの金持ちみたいな違い? それこそ先述の個人経営者みたいな。
B帝国主義って……自国の領土や勢力を広げようとする侵略主義ってことで間違いないですか? 独占っていうのも、この考えの中から生まれてくるものなのか、それとも帝国主義=独占主義ってことで、その先に侵略があるんですかね?
C万国の労働者よ団結せよ!ではなく、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ!と言い加えているのはなぜですか。労働者(階級)に国境はないし、ということは抑圧民族も被抑圧民族もなくて、あえて「労働者と被抑圧民族」というふうに分けなくてもいいと思うんですが。
 先日、『白バラ』に関する著書(白バラは散らず)を読みました。"同じ命が奪われるなら、戦争に行って奪われるよりも戦争に抵抗して(運動を広げて)奪われ(た方がいい)よう"とする青年たちのまっすぐな強く誇らしい想いに心から共感しました。断頭台で『自由万歳』と叫んで死んでいったハンス。そうならない世の中を、今の私たちの時代に(2〜3年のうちに)作っていかないと、それこそハンス達の想いを受けついでいくことなんかできないと思いました。たくさんの質問スミマセン。

「基地攻撃能力」論について。私が思うことは、日本がこの考えを"正しい"としてしまうとしたら、北朝鮮が日本の各基地に本当にミサイルを撃ち込んでも、なにも文句言えないと思う。米軍が日本に拠点を移し、北朝鮮批判の嵐の中で一番その脅威をなしているのは北朝鮮ではないか。"攻められる前に攻めた"というのが正当防衛というのであれば、北朝鮮を責める資格はないと思う。

@「日本はアメリカに追随しているのではなく、戦争の道を選んでいる」というような言葉であらためて私たちが確認しておくべきだと感じたのは「日本は強国だ」ということです。去年、伊藤先生も講義で指摘していたことだと思いますが、「アジアの国を侵略しなければ自分たちが侵略されてしまう」なる被害者意識的思考の虚構を歴史家はきちんとあばいてほしいです。
Aヒロヒトが戦争責任について、「そういうことは文学のあや」と答えたことを知らずにいたのは不覚でした!!!ヒロヒトを墓場から引きづり出してなぐり殺したい!!
B前回の発言「もう革命しかないんだよ」について。この発言は講師は言うべきではないと思いました。もし、この言葉を3年前の私が聞いていたら、えらくひいてしまったと思います。この労働学校がすごいと私が思っていたのは、徹底的にマルクス主義の立場でいながら、生徒に価値観を植え付けようということが微塵もないことでした。生徒が自ら学習したことをつなぎ合わせれば、自分の道は「革命」の道に行き着く、と気づくことが重要であって、それを先生が言ってしまうのは、気持ちはわかりますが、ダメだと思います。「革命」の「か」の字も考えたことのない人間にとっては、あるいはそれに懐疑的な人間にとっては(かつての私です)自分で納得しないで言われると「力」が働いていると感じ、これは「洗脳の場か」と感じてしまうでしょう。今回の生徒にはそんなひ弱い人はいなかったでしょうが……御一考下さい。

争を止める力が自分も含めて我々労働者にはあるんだという自信がついたとても元気のでるお話しでした。最近は北朝鮮のミサイル問題が職場レベルでも話題になり、排外主義的意見が身近な仲間からも出ています。それがとても悲しいです。さらに悲しいのは「そうじゃないんだよ」と反論し、相手を説得させるだけの学習が自分にまだまだ足りないことです。これでは反論に出る勇気も出てきません。学習によって得るものは、理論武装もそうですが、それよりも勇気づけられることの方が大きいような気がします。自分の思い、やってきたこと、そしてこれから目指すこと、実現させたい社会のかたち、それらがすべて間違いではなく、継続して行動してゆくべきことなんだ!!とあらためて決意できます。本当にありがとうございました。

までもアメリカの動きが世界戦争を引き起こす元凶だと思っていましたが、今回の講義を聴いて帝国主義という視点が欠けていたことに気づくことができ大変有意義でした。
 イラク・中東においてアメリカが民族自決権を認めずに新植民地主義を行使して居座り続けるのは、アメリカ一国が中東の石油を失うことになるだけでなく、イスラエルやサウジアラビアの崩壊につながることで、やはりアメリカの国益を損ねることにつながるのであり、アメリカ一国の国益が世界の平和を脅かしている現実に憤りを感じます。そして、アメリカが世界に戦争を拡大していくことでしか今の体制を維持できないため、世界を戦争に巻き込んでいくという構図から、世界の平和のためには帝国主義を打倒するしかないと改めて思いました。
 さらに、日本がそのようなアメリカと一緒になってアジアに侵略戦争を仕掛けていかなくては日本経済が成り立たないと日本の経済界が考えているとしたら、まったく愚かなことであり、それを推し進めればすべてが敗者となるだけだと思います。
 世界の平和を脅かす帝国主義体制を打ち壊し、世界平和を維持するためにも、日韓米の労働者の連帯が重要であるならば、われわれ労働学校の生徒たちの存在意義は大きく、責任は重大であると強く感じました。

本主義に矛盾があるのはよくわかる。いくらでも矛盾を指摘できる。しかし、共産主義なら矛盾なく社会を運営できると楽観的に信じることはできません。パリコミューンやロシア革命で労働者が社会を運営できるってことを証明したのは言い過ぎでは? むしろ、人類が富を蓄積する手段を手に入れて以来、ずっと形は変えても支配階級と被支配階級が存在し続けた何千年もの歴史の中で、一度も実現したことのない階級的支配のない社会をこれからつくろうとしているのでは?
 まったくといっていいほど共産主義に実績はなく、本当に階級社会のない社会ができるのかと私は懐疑的です。
 革命に伴う犠牲、革命に続く恐怖政治は容易に想像でき(映画などの影響か?)、想像するだけでふるえてしまう程こわい。革命が成就→労働者が運営する平等で明るい社会などと楽観できないので、実際どう社会を運営するのか、構想を知りたい。
・資本主義の一部を変えてもダメ?
資本主義に修正を加えていったら、共産主義に修正を加えていったら、どちらも似たようなものになる……なんていうのも楽観的すぎるのでしょうか。共産主義の実際の社会、国家の青写真、たとえばどんな憲法を持つのか? 知りたい。

朝鮮はデポドンを飛ばして悪い国、めぐみさんを拉致して悪い国という宣伝によって、戦争しないとやられる、やってもいいように思いこまされていることに改めて気づいた。今まで日本が朝鮮人に対してやってきたことや、米国が今イラクにしていることなど考えれば、どちらがいいということはわかることだが、戦略的にそう思わせないようにやられている。憲法改悪の問題を正しい情勢分析によってまどわされないようにする必要があり、それを伝えていき、多くの人が連帯しなければいけないと思った。
 「日の丸・君が代」の問題がそれほど戦争に近い問題だと思ってなかったが、かなりさし迫ってきていることに、さらに努力して労働者階級の団結のためとり組んでいかなければと思った。

リラ戦→無差別殺人、罪のない人達をも殺す。
民族的抑圧……植民地にして、そこに住んでいる人達の名前まで変えてしまう。
陸軍第一軍団司令部が日本に、米4軍を統合指揮する。
 ・戦争が始まってしまう。
後方支援の自衛隊ではない。一緒に戦う。憲法改悪反対。自衛戦争は戦争ではない。
小泉の靖国参拝→戦争の始まる根本的な原因?
 小泉がいることこそが、戦争の原因?
 次の首相は誰がやるの?
 首相が替わってもそういう流れは変わらないのでは? どうなる日本。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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