労働学校通信

実践講座
第Y期No.04


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第Y期労働学校−第4回講座のお知らせ!
10月28日(土) 13:00〜
 労働者の団結権を奪い去る労働契約法を斬る
 講師 斉藤 弘平(元総評オルグ)
※16:00から懇親会を予定しております (会費1,000)
労働学校通信(実践講座) 第4号 (2006.10.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

11・5集会1万人結集で圧倒的に成功させ、改憲攻撃を迎え撃つ勢力をつくろう

(中野代表実践講座第3回あいさつより−要旨)

 8月15日、民主労総ソウル本部から2名の同志が参加していろいろ交流をした。そこで彼らはこう言っている。「民主労総も今、幹部がだんだん右になってきている。これが一番危機なんだ」と。帝国主義の危機の中で労働者階級に激しい攻撃がかかってくる時に、労働組合の指導部に対して様々な攻撃がかかる。「魚は頭から腐る」と言っているが、資本の手先になっていくというのは労働組合の幹部からはじまる。それに対してどう闘いぬくかだ。
 核心は帝国主義は労働者に飯を喰わせられなくなった、戦争をやらなければ生きていけない体制だ、あとは打倒する以外ないという立場に立ちきるかだ。
 安部晋三という60年闘争も70年闘争も知らない、高度成長の波に乗ってやってきた世代が、今や一国の長になろうとしている。改憲を明示に出した首相が出てくる。マスコミの中にはこんなバランス感覚のない自民党でいいのかと嘆いているむきもある。われわれにとってはこの体制はもうダメなんだということをハッキリさせる時代がきたということだから悪いことではない。核心は労働者階級の団結をどうつくっていくのかだ。
 今、地方と都市の格差とか労働者の所得の格差などどうにもならないほど進んでいる。一方、東証一部上場企業の3分の1は創業以来最高の利益を上げている。もうこの体制を根本的に打倒していくということに腹を決めてやっていく以外ない、その力が労働者の団結にあるんだということだ。
 世界的にはいたるところで労働者の闘いがかつてない形態をとって激しく燃え上がっている。
 日本だって来るところまできたから、これを打倒する以外にない。それは黙って来るわけじゃない。それをやりぬく勢力をつくらなければいけない。11月労働者集会に1万人結集させないと、今世界で最も戦闘的な闘いをやっている民主労総の仲間たちやアメリカの仲間たちに顔向けできない。皆さんも伊達や酔狂で動労千葉の労働学校に来ているわけではないので、一緒にしゃかりきになって仲間を集めて、11月集会を圧倒的に成功させて、改憲情勢を迎え撃つ体制をつくらなければいけない。そういう意味で動労千葉の労働学校は大きな役割を果たさなければいけないと思っている。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)

◎ 受講感想・感想編

●民主労総については朴政権時代の暗黒時代にチョン・テイル氏が労働条件のあまりのひどさと、抗議しても改善しない現状に怒り、焼身自殺した(1970年)過程以降、現在の世界でも有数の闘う50数万の組合への変化について、大きく関心を持っていた。
 お話をうかがって、弾圧が朴政権下のみならず全斗煥時代もあったが光州蜂起をへた時代背景の中での労働者、市民、学生全体の力の気運と闘いの中で、妥協政策が生まれ、雨後の竹の子のように労働運動が広がる様を実感した。民主労総の労働運動を構築していく際、「小グループ」運動がキリスト団体を軸に行われ、広がっていったということは教訓的だと思った。
 日本の労働運動の現状は、労働貴族のもとの労使協調までも行かない形だけの所や、第2労務課に転化している所が多いが、1945年〜1950年〜1970年までは、それでも闘いがあった現状を変革していくのは、労働者の怒りの広がりを信念を持って受け止め、韓国で進めた“小グループ”運動のような下からの労働運動がやはり核になるとあらためて思った。

●韓国労働運動の歴史はつねに労働解放をかかげ、今現在もそれを掲げ続けて闘っている。1960年代、軍事独裁政権による労働運動弾圧に対して、韓国労総を結成して闘う。その後、1970年代にも労働運動に対するさまざまな弾圧の中、労組執行部の変質、御用組合化するなか、1970年最初の民主労組である女性労働者いわゆる中小の現場労働者による被服労組、闘う労働組合を結成。その後さまざまな闘争を経て、重化学工業中心の組合、労働者、知識人を中心としたオルグにより、ストライキを含む大闘争を展開して闘っている。今現在も民主労総の闘いは非正規職撤廃等の闘い、民営化と労組破壊に対し、断固闘っている。われわれ日本の労働者もこの闘いにいかに連帯していけるかが問われると思います。

●今、韓国労働運動がどんな課題に立ち向かっているのかという問題意識から、あらためて植民地化の労働運動から解放直後、さらに朴−全独裁政権下をたどりながら、87年労働者大闘争を見ることができて、視点の広がり、深まりを実感しました。
 元山ゼネストや米軍政下での労働運動を切り口にした朝鮮人民の闘いについては、あらためて学びたいと痛感します。日韓の歴史的な政治問題からのみ接近していた経過もあり、その場その政治問題の中で労働者階級がいかに形成されてきたのか。その現実に触れたいと思います。その点で支配者の政治的なおもわく(開発独裁)の中で、その結果、強大な労働者階級を生み出してきたことの痛快さ、これが必然なのだと確信しました。
 そして今、韓国の地で民主労総をはじめとする労働者人民が「労働解放」を掲げて闘いぬいていること、8・15靖国闘争をともに闘ったソウル地域本部の代表が、国際連帯を呼びかけたように、万国の労働者の普遍的な課題として連帯闘争があるのだと思います。その意味で、11月の共同闘争は昨年にもまして重要、1万人の力ある結集が本当に求められています。

●今回、金先生の講演を聞き、民主労総が出来るまでの韓国労働運動の重みを少しだけど理解できたと思います。韓国の歴史について勉強不足のため、これを契機にもっと勉強すべきですね。本当に一番近い国なのですが、われわれは今までこの民族に対し抑圧してきた歴史を直視しなければいけません。
 講演の内容はわかりやすかったですし、用意してくれたレジュメも内容が充実していて今後の学習資料として有効に活用したいと思います。
 これから私の職場で職場闘争を実践する上でも、あの朴や全斗煥といった極悪な連中の弾圧体制でも、意気軒昂と闘いぬいた韓国労働者の生きざまを我がものとしたいです。

●レジュメが非常な大作で驚き、かつ感動しました。時間がまったく足りなくて残念です。もっともっと転換点になるところの具体的な闘争の話を聞きたいと思いました。
 また、おそらく裏で影響している日本財界・政府の圧力の話も(一部出ていましたが)まざっていると、一段と迫力を増した話になっていくのだろうと想像させるものがありました。
 やはり韓国・朝鮮現代史の知識がかけているので、そこも本当は知りたいと思いました。ex.光州事件、金大中拉致事件etc.
 弾圧が国家権力によって露骨に行われ、激しいためか、それに抵抗する力も強力なんでしょうか。日本の労働運動が国鉄スト権スト敗北→国鉄分割・民営化→総評解体以降、「労使協調路線」派のみになっていった理由が知りたいと思いました。

●韓国の労働運動のことがよくわかりました。ありがとうございます。去年の11月に韓国に行って民主労総の集会に出て思ったのですが、民主労総はチョンテイル精神で運動をやっているのではないか、チョンテイルの精神は今でも俺たちの中に生きているということではないか、と思ったのですが、そういう理解の仕方でいいでしょうか。
 そしてもしそうだとしたら、労働者が争議の中で焼身自殺するのが今でも起こるというのは、チョンテイル精神の実践の延長上にあるのではないか、と感じるのですが、どう思われますか。

●韓国の労働運動については弾圧、抑圧面が伝えられることが多く、「カワイソー」−日帝資本が悪いんだ、というふうにかなり単純にとらえていたと思うのですが、戦後史の世界経済、韓国の政治状況のなかで、不屈に、チャンスをとらえては高揚していく力強さをいきいきと感じることができました。
 80年代、労働運動に飛び込んだ学生たちの様々な思いをもっと知りたい気がします。今夏、大邱市の学生交流イベントに参加する機会がありました。学生(私が話した)は、労働運動は暴力的になっている大衆の支持が離れていくのではないかと言い、昨年のプサンAPECの話なども「こわいよー」という感じでした。学生運動は退潮気味という現れでしょうか。大邱市はアパレル産業が中国にとって変わられる中、人口も減っているということですが、産業空洞化などがこれから問題になっていくと思います。日本ではすでに相当深刻化していますが……。

●ものすっごい勉強になりました。そしてとってもおもしろかったです。まだちゃんとわからないところもありますが、現場で闘って、もう一度勉強したいなって思いました。
 というのも、現場での闘いが少しずつですが、すすめばすすむほど、悩みも多くなり、その分得てきたものも多くなっているのでしょうが、どう闘いを進めていったらいいかということで、それまでとは違った悩みがどんどん出てくるようになります。そうすると本当に四六時中闘争のことばかり、労働運動のことばかり考えるようになります。そういう中で、今日の講義はたくさんのヒントをくれました。得た教訓&ヒントをあげます。
@小グループ活動という方法
 このやり方のすごさは「自ら問題を見つめ、自ら問題を解決していけるようにする意識化教育」をしたところだと思います。ここに労働者への信頼、人間の持つ力の本当の信頼があるように思いました。そして結果、労働者自ら立ち上がった。しかも「祈り」を教える人が、現実世界・現実社会を前に「闘い」を教えたというところが本当に感動したところです。これは、現場労働者が現実をつきつけながら、宣教者を獲得したんだと思います。この小グループ活動は、これから生かしたい闘い方です。
A国家保衛に関する特別措置法はアメリカの愛国法、日本の治安維持法、有事法……だ。労働者が社会を握ろうとするたたかいが労働運動なのだから、やっぱりちゃんとたたかっていくと国家の危機状態になるんだと分かりました。国家がふるえあがる。国家の危機は労働者階級のチャンスというのが別の側面から見えました。
 私たちの現場の闘いが拡大していって、ついには国家を震え上がらせる闘いになることをイメージして、迷ったら左、ちゅうことで闘っていこうと思いました。
Bあと、やはり徹底的に搾り取られている人たちの方がその怒りを爆発させたい!という気持ちを抱えていると思いました。もっともっと職場の怒りにコミットできる闘いを展開しなければと思いました。

●民主労総のたたかいはすばらしいと自分なりに感じていましたが、今回の講義で韓国の労働運動の歴史も含め、お話しいただきとても勉強になりました。そもそも韓国の労働運動も保守的(?)なところから出発したようですが、朴政権下のあまりにも強権的な体制の中でもあり、労働者がやむに止まれず起ちあがったと思うのですが、どうして日本と違うのだろうかと、つい思わずにはいられませんね。
 焼身自殺についても、“はげしい”なと、率直に思いますが“生命をかけて”までもたたかうという、労働運動への意気込みがそもそも違うのではないかと思います。
 民主労総がここまで頑張ってきているのは、当初は小グループ活動からはじまったとのことですが、日々の活動や学習会の積み重ね、そしてなんといっても指導部の指導のあり方が大きいと思う。執行部がパクられてもまたすぐに指導部を確立していくというところ。ぶれることなく、原則的にたたかっているからだと思います。

●民主労組の設立にはいろいろな経路があり、(キリスト教の小グループ活動)、私たちの労働運動にももっと柔軟に、しかし原則を曲げずに、考えなければならないと思った。

●この講義の中だけで長い歴史とたたかいをすべて把握するのは難しかったが、闘いと弾圧を何度も繰り返して今日まできたことがわかった。「小グループ組織化方式」の自らの問題を見つめ、自らの問題を解決していけるようにする意識化教育というのは、例えば自分の職場でできるようなことだと思いました。

●韓国労働運動は日帝植民地支配下にはじまり、解放後も米軍政下、軍事独裁政権下での苦難の歴史を経ている。70年代に学生運動に入った時、強烈なインパクトを韓国労働運動と民主化運動から受けた。とくにYH貿易事件−釜山・馬山暴動が印象に残っている。80年5月光州蜂起から86年6月九老連帯闘争、大宇自動車ストの過程は、85年蜂起戦に向かう過程と重なるが、光州蜂起を戦った学生たちがどうなったのかは分からなかった。しかし、この時期の韓国の労働運動の「爆発的戦闘性」と「民主性」に大いに鼓舞された。韓国学生、労働者との連帯のスローガンをかかげ、それなりに学習・研究いた意義は大きかった。日韓連帯は、最も重要なスローガンだった。かなり議論もした。
 今回の講義は1987年労働者大闘争(以後10年間)の部分が圧巻だった。韓国労働運動史それ自体をこれだけ深く学んだのは初めてだが、短時間で非常に分かりやすくまとめて提起していただいたと思っている。
 学生運動と労働運動の相互形式の円環構造をつくれたら……と思います。

●韓国は僕にとって近い(比較的)国だが、知らないことがたくさんある。韓国の労働者、労働運動がどう今を生き展望を持ち闘っているのか、日本とどう違うのか、知りたいと思ったが、歴史的背景の違いもあり、多少日本と異なるところはあっても似ている、共通点があると思った。
 日本にいると韓国人労働者によく出会う。日本の中でも生きるのはたやすくない。女性が多く、韓国の女性が非正規でしか働けないということを話していた。日本人が別の国に行ったらなんと言うのだろう。先生の話は眠くなったりしたが、客観的、論理的に話してくれた。細々したことや言葉が分からずに聞いていた。しかし、韓国の労働運動の全体的な流れは大まかに知ることができたと思う。韓国労働運動はマルクス主義なのか? 組合はマルクス主義なのだろうか?
 日本の問題、闘う組合が少ない、組合が労働者をいじめていくというような環境は、現状に対して民主労組が動労千葉と連帯して、階級意識的な存在として、この社会の舞台に立つにはどうすればいいか。僕はキリスト教が布教のために入ったのに、布教じゃなく労働者の組織活動をしていったことに注目するのだが、そこで労働者自身の自主的な闘いを支援したこととか、あまりにもひどい現場ということもあると思うが、日本に対し、韓国の労働者からのいろいろな発言が聞きたい。日本の労働者が本当に韓国の労働者と仲良く生きるために、どうするのかって。このままじゃ本当のところで仲良くなんかなれないんだって思う。対等になれるような労働運動をつくっていきたいし、日和らない、闘える運動となるために、いつもお互いを叱咤激励するような関係であるといいと思う。

●@連帯を求めるなら、相手をよく知ること。闘いの歴史からたくさんの教訓をつかみ取りたいと思いました。
A苦闘の中からこそいいものが生まれると。やはり、大切なのは路線−何を目指すのか−とつくづく感じました。
B「世界を知れ、世界を見よ」「世界を知る、世界を見る」−これだと。11・5へ、ガンバロー!!

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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