労働学校通信

実践講座
第X期No.03


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第X期労働学校−第3回講座のお知らせ!
2005年8月20日(土) 13:00〜
 アメリカ労働運動の歴史とたたかい
 講師 増田 明生(国際労働運動研究家)
※16:00から懇親会を予定しております (会費1,000)
労働学校通信(実践講座) 第3号 (2005.08.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル

日本の労働者のみ未来にとって重大な歴史の転換点!
団結した力で教育基本法改悪−憲法改悪を阻止せよ

(田中委員長実践講座第2回あいさつ要旨)
 今日は大内先生に教育基本法、憲法改悪阻止に向けてということで、お話しをいただくことになりました。大内先生は学校の先生ですけれども、それ以上に教育基本法改悪反対の闘いの実践の先頭に立っている先生ということで、動労千葉としても本当に信頼を寄せて。共に闘いたいと思っています。
 今、教育基本法の改悪、これは憲法と完全に一体の法律ですから、この改悪はイコール憲法改悪という中身ですが、これとの闘いが本当に闘いの焦点になります。そして、それ以上に、皆さんご存じの通り「新しい歴史教科書をつくる会」という、つまりちょつと前までは軍服を着て右翼のような、ああいう連中だったのが、全社会の前面に飛び出して、戦争を賛美して、この前、私は実際に戦争をするための教科書だというふうに言いましたが、そういう教科書を振りかざして、一部の極右の運動じゃなくて、今の支配階級の中枢の運動となり、国会議員や地方議員が集まって決起集会を開いて、この教科書を東京で50%、全国で10%採択させる。これをやれば10年間で日本は変わるんだ。つまり戦争の中枢的な課題になっているというふうに考えています。これは単に「つくる会教科書」をめぐる、その採択をめぐる攻防ということではなくて、すべての労働者の中枢的な課題になっているというふうに考えます。向こう側の戦略も東京突破なんですね。しかも杉並の教育委員会で採択させることを、扉をこじ開けるその突破口にして、東京で教科書を採択させるということ、文字通り攻防戦です。
 中身は言いません。大きくこれは、今年から07年つまり憲法制定の60周年に向かって、今年、来年、再来年、この3年間が日本の労働者の未来にとっていわば歴史を変えるような、ここに我々が本当に団結した力をもってそれを阻止でることができるのかどうかが、日本の労働者の未来がかかったような攻防戦にいよいよ時代が入ったということなんです。

ひとりは万人のために 万人はひとりのために

交流の広場−闘いの輪(受講生の声)

◎ 受講感想・感想編

●自分の学生時代を思うとあまりの教育の変わりように驚きます。小・中・高とも先生が授業中に天皇制を批判したり、中学の社会科の先生は日本国憲法前文を暗記させられました。あの当時の先生(15年くらい前まで)はみな元気でした。今は教育現場だけでなく、他の職場も疲弊し、思考停止に陥っているということですが、私の職場では組合に対するあきらめの意識を強く感じます。労働強化と賃下げ、さらには組合がサービス推進を呼びかける中で、組合員は何をやっても言ってもムダと、何事にも問題意識を失っています。しかし、有事法制に続き、憲法改悪、教育基本法改悪が行なわれれば、私たち交通労働者が自分たちの子供を自ら戦地に送り出す状態になるかもしれません。このような悲しい事態にならないようにするために、職場で教基法や学校職場のことを話題にして、合理化、民営化反対と共に闘いをつくり出していかなければと思いました。
●教育の問題と労働組合運動は一見結びついているとは感じにくいが、民営化反対の闘い、反戦平和の闘いと教育の問題は根が同じだということに気がついた。今の教育が子供たちに競争と差別意識ばかりを植え付けた結果、他人や相手を思いやる心や命の大切さに気付かない子供が増え、未成年の凶悪な事件が増加するなど、社会に悪影響を及ぼしている。教育基本法を守る闘いとは、労働者が戦争に組み込まれないための闘いであると感じた。だからこそ労働者が、労働組合が「自分の課題」としてとらえ、闘いに立ち上らなければならないと痛感した。
●僕自身、管理教育に反発した人間だった。個性を重視する教育方針を掲げているのに、私服で学校に行ったら退学を脅迫する教師がいるような私立高校に通っていた。学校の個性のために生徒をつぶすようなひどい高校だったと思う。今回の講義を聞いてそのカラクリが少しわかった気がした。政治家たちはきれいごとを言って、現場にはまったく逆のことが押しつけられるから、個性教育とかゆとり教育は逆に個性とゆとりをなくしていくということになるのだろうと思った。
●「ゆとり教育」のため週5日制が導入されましたが、周りの先生方の話しを聞くと、大変忙しい、疲れる様子がうかがえました。−労働者の立場で見れば、国の構造改革と合理化の原因なのだろうと思いました。が、一般的な子供の親としては、週5日制が学力低下の原因なのかと思っていた部分がありましたが、客観的なデータが出ていないし、まだ3年ぐらいしか経っていないということを聞いて、納得しました。それよりも先生、子供の差別化、ランクづけが巧妙に国家権力から攻撃されている現状がわかりました。また、教育基本法と日本国憲法が一体のものである、戦争国家を構築するための改悪攻撃であることがわかりました。周りの人に話していきたいと思いました。
●「つくる会教科書」採択問題が山場を迎えているなか、6・22杉並区教委包囲行動に参加した。教育委員会の傍聴券をとるのに並んだところ、当たって傍聴することができた。当日の内容は、杉並師範塾の設置に伴う教育委員会処務規則の「改正」と、学校統廃合問題、各種委員の委嘱などであった。教科書採択問題については一言も出なかった。杉並区内ですでに教科書の展示会も開始されているにもかかわらず、一言も出ないというのは、8月上旬といわれる採択に向けて、教育委員会を非公開にして一気に決めてしまおうということなのだろうと思った。決してそんなことはさせないために、あらゆることをやっていく必要がある。
●教基法に関連し、教育現場で行なわれている「改革」の間題が、とても明確にすっきりとまとめてもらいました。その一番の目的は、従順な国民を育て愛国心を植え付け、いざというときに犠牲になる人材をつくるということはわかります。しかしどこまでの人が、どこまでの行政、管理職がその真のねらいのために動いているという目的意識で動いているのでしょう。「ゆとり」とか「個性化」とかの看板にだまされ本気で「子供のために」といって動いている役人が多いように感じています。こうした存在は大変やっかいではないでしょうか。戦争中だって本気で「お国のために」と思った人が多かったからこそ、間違った方向に突き進めたのだと思います。
●最近、「つくる会」教科書の問題などについて考えていて思うのですが、子供たちがこうした教育を受けることになること以上に気になることがあります。それは、こういう攻撃によって批判の声を上げず、沈黙あるいはそれに近い人達があまりに多いということです。僕は、「つくる会」教科書ではないですが、当時の人々が戦争についてどのように見ていたのか、考えてみることがあります。当時は「つくる会」教科書よりもっとひどい教科書で教育されていたわけですが、当時の日本人全員がそういう軍国主義教育で染まっていたわけではなく、むしろ積極的に戦争を支持していた人は、半数以下だったと思うんですね。むしろ黙つた人、消極的に支持した人の方が多かったと思います。ナチスドイツのドイツでも同じような事情だったと思います。ということで、僕は歴史を学ぶというのは、今のような状況に対しては、大したことないと過小評価したり、沈黙することではなく、本当にこれと闘うことだと思います。石原都知事、安部晋三その他が、中国や北朝鮮と戦争やれなどと勇ましいことを言っている連中は本当に許せない。本当に無責任だと思います。その意味で、教育の問題は将来の問題ではなくまさしく「現在」の問題だと強く感じています。
●「学校現場を一番知っている」大内先生だけあって極めて臨場感にあふれたすばらしい講演であった。便利と労働者の権利は両立しないこと、「選ぶ」ということは「選ばれるということ」であること、そして競争が結局は戦争を準備する最大の手段であることが極めて説得力あるものとして理解できた。第9条と第25条の関係の提起などは、まさに「内なる戦争と外への侵略戦争」との闘いの別の表現である。「教育基本法」・・・・・私も法文に目を通したこともなかった。2003年以降の闘いのなかで、今を切りひらいてきた講師の実践力に、これからの大きな展望を与えてもらった。
●とてもわかりやすい講演だった。子供の時からA・B・Cと差別選別し、Cの労働者を戦場に送り込むという話しは、現実味のある話しだと思って聞いた。教育現場で起こっていることと労働現場で起こっていることが戦争ということで結びついていることが本当にわかった。
●教育基本法の改悪の提起は、憲法改悪より知らない部分が多かったが、本日の講義でよくわかりました。労働組合運動を活性化させ、日帝小泉と対決し、差別排外主義を許さない闘いをしていきたい。競争原理の導入は戦争の元凶です。戦争反対!戦争と合理化は一体です。労働者が安心して働ける社会をつくっていきたいと思う。
●学校現場で働く教育労働者の誇りを大事にして、子供たちに対して責任ある教育を指導できる環境をできないものか・・・。将来の社会を担う子供たちの重要な時期に先生が不安をもって教壇に立つことが問題ではないでしょうか!労働者としての横のつながりを密にして、労働者が胸を張って働ける状況を垣根を越えて団結しようと思います。
●教育者の「労働者意識」と、「子供達を労働者としてどう育てる力」は、同じことだとわかりました。「この国にとって、都合のいい労働者を育てる為の教育」をこの国がなぜしたいのかというのは、4月の労働学校や基礎編で学んでよくわかりました。教育労働者は、「子供達が自分達で自分達に巻き付いた鎖をひきちぎる力」を子供達に教えることができる。そして、教育労働者は「自分達で自分達に巻き付いた鎖をひきちぎろうと闘う」。教育労働者の労働運動はこういうことなんだと思いました。“教え子を二度と戦場に送らない”っていうのはこういうことかと。
●教職員と子供が疲弊しきって、思考停止と絶望が蔓延する先に戦争がやってくるというお話しでしたが、私の友人(都の高校教員)はまさにそれです!“相好教育”(という名前でしたか?)の議論に疲れきり、「現場を知らないくせに何だ!」とやっぱり言っていました。だから大内先生が現場の状況の聞き取りを熱心にした上でお話しされる、ということの意味合いがよくわかりました。「なんでこうなっているのか」ということを徹底的に考えていくことが、自分(たち)の置かれている(実は)支配の構造が見えるための唯一の方法と思います。
●最初は4人からはじまったというこの運動が、日本の戦争への道に大きく立ちはだかっている。「やればできる」という大内先生の情熱が伝わる、いい講義でした。
●茶色の朝が広がっているのは東京だけではなく、神奈川や埼玉まで広がりを見せています。首都圏自治体から小泉の希望(?)する軍国主義国家へと浸食がはじまっています。「つくる会」教科書のような歴史をねじ曲げた本を使い洗脳していく危険性を教育基本法改悪が拍車をかけ、「お国のために」だけ埋め込む恐ろしさを改めて感じました。実際、私が小、中学校時代には朝礼で日の丸が揚がり、君が代を唄わされていました。もちろん、その時には何も考えず、国旗が揚がり、国家を唄うことに違和感をおぼえず、オリンピック等を見れば当然のように、日の丸・君が代が流れる。当時より、そんな洗脳状態(?)がありましたが、今回は、反対することは悪だ!までの状態にされるようです。われわれlま戦争を仕掛けて、罪のない人を平気で殺す人を育てたくはないし、子供を殺されたくもない。あらためて教育基本法改悪反対の声をあげていきたいと思います。
●教育基本法改悪は社会の原理、原則が転換すること、本当に恐ろしいものと感じ、勝負をかけるのは今だと切実に思いました。
「サービス」の論理を徹底することが、労働者の権利を剥脱する、との指摘は「目からウロコ」が落ちました。私は生協のパート(〜7月上旬)ですが、生協理事会が出してきた構造改革一次案(もう承認されましたが)には、昨年度に共同購入が出した赤字を解消するために、@、人件費を削り、A、本部従業員を200人滅らすことを目標とし、B、小型店舗の店長のパート化を推進する、C、「ダイエー」「7−11」などのライバル社との競争で勝ち残るためサービスを徹底する、などが出されました。これらが戦争協力とどうつながるのか、現実的にはイマイチピンときませんでした。(理論的には当学校でゴリゴリ言われていますが)、しかし、今日の大内先生の話しで「サービス」の論理を強調・強制することで、思考停止、あきらめ、「物言わぬ労働者」を次々と生み出している。御用労働組合員にどんどん変えられ、やる気と信念のある組合員・職員がどんどん切られていく情勢を助長しているのだと確信しました。
●根津さんの言葉の中に「私は私の生き方を子供達に示すことで教育に責任をもつ」とありましたが、私も私の生き方を子供達に示すことで親として、労働者として責任を持ちたいと気持ちを新たにしました。まず、職場で話しをし、家族会としても親組合と団結して、教育基本法改悪阻止にたちあがることで講演の御礼とさせていただきます。

労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197

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