労働学校通信(実践講座)
第5号 (2004.01.10発行)
がんばろう労働者!たたかおう労働組合!ひろげようインターナショナル
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大きな橋頭堡を築いた、11・9国際連帯集会!
(労働者学習センター・中野代表あいさつ要旨)
何はともあれ11・9集会が一応大成功を治めた最大の要因は、アメリカのILWU、韓国民主労総、日本で動労千葉、港合同、関西生コン、これらの労働組合が一堂に会してやったということですね。僕の若い頃の総評労働運動なんかの国際連帯と違うところは、今のそれぞれの国において熾烈な闘いをやっている労働組合どうしが、やはり本当に国境を越えて連帯を深めないと、それぞれ闘いの展望を切り開けないというところから始まったわけね。だから昨年の7月にILWUローカル10から動労千葉に来ないかという話しがあって、その時に逡巡があったわけです。日本の外に出たことがないわけだから。ILWUは全米最強の労働組合と言われています。もちろん中には様々な弱点とか悩みも抱えていますよ。労働組合ですから。サンフランシスコ労働者評議会というのは全米で最も闘っている地区労で、こういうところから歓待を受けていいものだろうかと、たった500名しかいない労働組合が、一体これでいいのかということを悩みながらも、やはり歴史がひとつ大きく変わってきたなという、歴史ってこういうなのかなという感じがしました。つまりILWUと全然っきあいがないわけだから、インターネットの世界というのはすごいなというふうに、その時初めていたく感じ取ったということがあります。地球全体を一瞬のうちに駆けめぐっちゃうという、この伝搬力というのはすごいなと。そのあとただちに8月に、今度は韓国民主労総とつながりがまた偶然にできる。それで11月集会にこんな集まってもらおうじゃないかという話しになった。民主労組の場合、ノムヒョン大統領の大変な労働組合弾圧攻撃ですね。これとある意味では命をかけて闘っている。だけど大きな壁にぷち当たっている。これは間違いなく事実です。それで民主労総としても正式に国際的な連帯を求めていく必要があるんじゃないかということを決定して、それで当面、日本においてはどうするんだと、連合という労使協調組合が存在しているけれど、闘う労働組合なんかあるのかということで、房総半島の片隅に動労千葉という労働組合があって、分割・民営化にもストライキで闘ったらしくて、今年も春闘でストライキをやったみたいだというのがありまして、少数だけれど原則的に闘っている労働組合とまず共闘を始めようということを、民主労総が正式な機関決定をして、それで11・9に送り込んできたわけですよ。民主労総最大の拠点であるソウル本部から委員長、副委員長を送り込んだわけだから、当日はソウルで10万人集会があるという闘いの渦中に彼らは日比谷に来てくれた。動労千葉としても500の組合だから、うれしさ半分、これからどうしたらいいんだという不安半分という心境なんですよ。やはり歴史が、さきほど偶発的だと言ったけれども、ある種の必然性があると思うんです。問題なのは動労千葉が応えることができるのかどうかというで、この国際連帯を通してやはり組織の強化拡大、やはりわれわれが言っているように闘う労働組合をもう1回線結集させていくという、こういう闘いの出発点に11・9がならなくちゃいけないし、しなくちゃいけないと、こういう関係にあるんじゃないかと思います。いずれにしても世界情勢は刻々と大変な激動に向かって突き進んでいます。悪戦戦苦闘しながらもわれわれは潰されずに、ひとつの大きな橋頭堡を築いたと絶対言えるんじゃないかと思います。客観的に見てそういうことじゃないかと思っていますし、これをどういうふうに固めていくのかという作業はこれからで、これで来年は勝負になったと。日本の労働者はなにをしなければいけないのかということを、真剣に考える。そういう時機が到来したということだと思います。
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ひとりは万人のために 万人はひとりのために
交流の広場−闘いの輪(受講生の声)
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◎ 受講感想編
●地域的な組合運動をっくっていければいいという話しが印象に残りました。
●合同労組づくりの新鮮な話しを聞いて、とてもおもしろかったです。特に書記長時代の話しは、私も20代に中小企業に勤めていたことがあるので中小企業の労働者の実像というのはそうだと納得がいったと同時に、私の連合内自治労単組でも同じことが起きていると感じました。私の組合でも使用者=当局は、分会をまったく無視して、組合三役としか話しをしないです。何かというと専従している委員長と書記長を呼びつけて話しをするだけに終わっているという実態がある。そして中小企業でもないのに、前労組委員長が交渉のテーブルの当局側の一員にいるというのも同じですね。分会を飛び越えて、あまりにも労組幹部と当局の距離が近すぎて、御用組合に成り下がってしまっているというのも、本当に危機的状況です。
●中小企業のなかで労働者がたいへん苦労しているとき、時間をかけて取り組み労働組合をっくるために努力していることが少しわかりました。いろいろな労働組合があって、ひとつだけしっかり組織されてよい職場があってもだめであるという話しをされていました。たしかにその通りで多くの労働者、労働組合に一緒になって、多くの職場がよくなるように努力したいと思いました。そのためにも自分の職場だけでなく、他の職場や他の労働者との連帯の必要を感じました。
●「連合」加盟を決断との話しがありました。大きな組織を変えていくのは大変なことだと思いますビラの終わりのほうに書いてあるコミュニティ・ユニオンの3つの方針が大切であり、いいと思いました。非正規雇用労働者の組織化や団結の大切さが重要だと思います。
●日本の労働組合運動をどう再建するかという問題で、私たちはたんなる批判勢力であってはならないし、逆に労働連動を再建する勢力にならなければならないと思います。そのための基本的方針をもっていなければならないと思います。それはいろいろ考えられますが、1つは職場からの生き生きとした運動の構築、2つめは春闘の再構築、3つめは新しい地域間争の運動、4つめは未組織労働運動の組織などで、トータルしてそれらの総団結だと思います。これらの課題をどういうふうに具体化するのか、これが私たちに問われている中心問題だと思います。特に未組織労働者は、パー派遣労働者など圧倒的に多いので、これの組織化という点ではたいへん難しいと思っています。でも手をっけなければならない問題です。
●現在、労働者が置かれている状況は非常に厳しく、特に中小企業、零細企業に働く労働者は厳しいと思います。その現場において労働組合を結成し、労働問題に取り組むことは重要なことだし、拡大していかなければならない課題であると思います。しかし、なぜ連合に結集するのかというところが疑問です。今、われわれ労働者にかけられている攻撃は企業を守るために、資本主義を守るためには労働者はどうなってもかまわない。そのためには戦争でも何でもやるんだという攻撃です。そしてその邪魔者である労働組合、労働運動を解体するためにさまざまな攻撃・弾圧がかけられています。しかし連合はそれらの攻撃と闘うのではなくむしろ有事法制に賛成し、闘う運動をっぶす役割を担うなど、完全に階級移行しています。連合瓶津の理由として2点ほど述べておられましたが、いま進められている戦争政策、組合解体攻撃と闘う方針のない連合の中では、その要求を実現するのは無理ではないでしょうか。
●労働運動がめざすところというものを再度考えさせられる話でした。最近は、わざわざ「これからはきびしい状況になるので、一番たたかってくれそうなところに加盟します」と言って交流センターを選んでくれる組合もあるので、私たちはこれからも原則を貫く闘いをやっていく使命があると思っています。
●自らが、「乱暴な」やり方で組織化の方法を習得したなかで、多くの体験を積み、その体験から組織化は簡単だとおっしゃられるが、私も合同労組の一員として何年か経ちますが、組織化はむずかしいというのが実感です。組合加入は、「一労働相談」からがほとんどですが、私は担当していないので、私自身は組織化に取り組んでいないというのが実態ですので、むずかしいのかどうか本当のところは分かりません。そうして加入してきた、特にパート労働者の組織化には組合として取り組んでいますが、未だその組合員の職場の人を組織化するには至っていません。見せしめ的処遇を目の当たりにしていたり、そこまでは闘えないという理由です。殆ど職場丸ごと組織化に成功したところは、職場そのものを閉鎖されてしまいました。今は、上のパート不安定雇用労働者の組織化を重点化する方向で進んでいます。私も95年の日経連報告がどんどん押し進められている現状では、不安定雇用労働者の組織化、待遇改善こそが、今、重要な問題だと思っています。一番弱いところを強くすれば、それより強いところは大丈夫だからです。均等待遇ではなく、生涯所得からすれば、大幅に差別されているのですから、むしろ優遇待遇を求めるべきだと思います。簡単に組織化できるという話しで、元気をもらいました。
※通信No号訂正=本号が5号、前号は4号となります。
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労働者学習センター事務局
千葉市中央区要町2−8 DC会館 電話 043-222-7207 FAX 043-224-7197
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