感想文紹介
☆「動労千葉の反合運転保安闘争路線」を3回にわたり、2ヶ月学習した。初回、増田さんの講義があまりにも分かりやすく親しみやすかったので、実際の闘いの歴史は、理論よりもずっとexcitingで理解しやすかったからだと思いました。それでその次の布施さんの話を楽しみにしていました。2回目の彼の講義は衝撃的でした。「中野洋は俺たちが育てたんだ」と胸を張る布施さんの闘いの報告は、確かに中野顧問を超える迫力でした。現場で闘う中で、職場の労働者が支配権を握り、管理職にも勝手なことをさせないすばらしい職場の闘いの実践は目標とすべきです。
その中で安全を守ることが労働者自らの命を守る目前の課題だとすべての鉄道労働者に共通する体験から導き出された路線だと知り、感動しました。
今日の田中委員長の講義は、毎回の講義の始めに1時間あまりかけてぶつ大演説の補強詳細版のようで、非常によく分かりました。
「現場の矛盾を告発して、労働者の怒りを引き出し、具体的形を与えて運動を組織すること」。伊藤先生の分析と提起に布施さん、田中さんの現場の闘いの実践が重なって、これが職場闘争を組み立てる指針ですね。
4・9「和解」の反革命=戦後労働運動解体絶滅攻撃にどう立ち向かうのか? 資本の一切の矛盾の重圧にあえぐ職場から怒りを組織し、運動を組織し、団結して立ち上がることが、私たちの使命です。大恐慌情勢下、絶好のチャンスの中で戦後労働運動の限界をふみしだき、階級的労働運動を私たちの手で創造していきましょう!
☆田中委員長に初めてお会いして、お話しをさせていただいた時に、実際にお目にかかるまでのイメージがことごとく覆った。それまで抱いていたのは、“顔も体つきもいかつい、いっつもしかめ面をしていて、難しい用語や単語を用いて話し、ちょっとでも何か言ったら怒られそうな、人を論破するのが大好きなエラそうな人”といったものだった。(あまりに失礼ですね……)。
ところが実物の田中委員長は、細くていつもニコニコしていて、誰にでも分かりやすく話して下さり、気さくで、何も知らない私がする愚かな質問にも丁寧に答えて下さる、全然怖くない人だった。今日の講義を聞いて、過去には想像を絶するような痛い思いや苦労をされてきたのだと知り、それをさらりと語る姿がますますステキだと思った。
そんな委員長を見ていて似ていると思ったのは沖縄だった。沖縄は過ごしやすく、歴史についてよく知る人も知らない人も「めんそーれ」と迎え入れてくれ、あたたかいホスピタリティでもてなしてくれ、誰にも「また来たい!」と思わせてしまう魅力的なところだ。ただし、その魅力ゆえ、いろいろなところから狙われる。しかし、しっかりとした揺るぎのない強さがあるので、大切なことは決して譲歩せず守りぬく。それができるのは過去にとてつもない痛みを体験しているので、みんなが平和に暮らしていける世界の尊さの本当の価値が分かっているからこその強さだ。
真の魅力を持つところには強制しなくても飾り付けして引き立てなくとも、人は集まってくる。そして仲間を集めてくる。どんな攻撃もはね返す力が生まれ、強化されてゆく。こうして田中委員長は今日もファンを増やしていくのだった……。
☆前回、前々回の増田さん、布施さんの講演は、自分は聞くことができなかったのですが、動労千葉がどのような情勢に立ち向かい、どうやって労働組合的団結をつくりあげてきたのかということについて、田中委員長自身の経験、闘いと動労千葉の闘いの歴史を聞くことができて、非常にこれからやっていけるかも知れない!と希望の持てる思いがしました。
4・9和解が労働運動の息の根を止める攻撃だという、歴史的大きさがあらためて動労千葉の闘いの歴史から分かったと思います。だからこそ、労働組合も一から組織する=階級的労働運動を一から作りあげるということが問われている中で、動労千葉の教訓は本当に決定的なものだと思いました。
それは戦後労働運動が反合理化闘争を闘いぬいて勝利できなかったということを乗り越えて、動労千葉が確立した反合運転保安闘争路線を職場で実践することこそ、新自由主義攻撃を打ち破り、資本主義そのものを打倒する道だということだとあらためて実感できました。
6・13集会と国鉄全国大運動についても、そういった動労千葉の血のにじむような闘いから、あらためて位置づけ直し、自分としてもやり抜いていきたいと思いました。
講演の中ではとりわけレジュメ3pの『(10)求められている飛躍とは何か−階級的労働運動の担い手としては、われわれしか存在しえなくなった』部分や、『国鉄分割・民営化攻撃とJR体制下の反合・運転保安闘争』の部分で述べられていることが、ものすごく説得力がありました。とりわけ「時代認識=階級情勢に対する感受性を高め」「自らが労働者のおかれた現実、職場の現実への「怒り」を体現すること」「それに具体的な形、実践的な形を与えるためにどうしたらいいのか、徹底的に考え抜くこと」という部分が本当に重要だと思いました。
まずもって職場や階級情勢に対して、「自分はこんなこと許せないんだ。ふざけるな!」と怒りを体現することが本当に出来てきたかというと、日和ったり、貫けなかったりということがあったと思います。それも、マルクス主義をしっかりと自分のものにした時に怒りや確信が沸いてくるのではないかと思いました。
本日の講演の内容に学んで、2010年後半に向けて闘っていきたいと思いました。
☆1047名闘争解体攻撃を「日本労働運動の重大な危機」「歴史的分岐点」として真正面から見すえきることが出来るのか否かが問題だという点について、私自身まだまだそういう認識が出来ていないなと痛感する。やろうとする目的があまりに巨大で、この挑戦を「荒唐無稽なものとしてではなく、実現可能な展望として」持つことができずにいる。国家や軍隊の力は巨大に見え、われわれ一人一人の孤立は深いものに思われる。個人主義の時代に育ち、団結はおろか親友の一人さえ見いだすことが出来なかった人生をふり返り、今さら私に何が出来るだろうと不安になる。圧倒的多数者の団結。これが出来れば勝てるのは明らかだけど、その団結をつくることが現実味を持って可能だと思えないでいる。利害の一致による政治的な団結ではなく、仲間を裏切らないという関係性をどうやって圧倒的多数者の規模にまで拡大し維持してゆけるのか、想像することも出来ない。
もう一つ、「怒り」を表現することに抵抗感がある。怒りをあらわにしていいんだという風潮をつくり出さないと、駄々こねていると白い目で見られて終わる。知ることによって怒りがわくのと同時に、その怒りが独りよがりなものではなく、正当性のあるものだという理論を作りあげていくことで、抵抗なく怒りを表現できていくのかなと思う。知識を得ていくこと、学習することは大事だと思うので、労働学校をますます発展させていってほしい。反面、受講すること、闘争することは働く者にとって負担が大きいので、どれだけの人がついてこられるのかって単純に疑問に思う。私自身この運動に人生をかけるという肝が決まらないでいる。
☆泊まり明けで眠るかと思ったが、目が覚めた。
同じ業種の仕事なので、委員長自身と動労千葉の闘いの実体験が聞けたのは大きな力になると感じた。闘いはじめはつらかったとの話だったが、今自分も処分やらで、つらい時もあったが、職場の仲間数人が集まって会が出来たのはうれしかった。p4にあったように組合とは呼べない「会」ではあるが、「自分たちがつくった」「俺たちの会」……などの声があがり信頼関係が出来た。
私の職場も今回、新線開業のために人員不足を補うため人員増員となったが、すべてが非正規社員だった。会社も組合の「今回のみの処置」だったが、その結果ドア故障が起き、1両のみだが開閉できない車両が20分も営業運転していた。新線開業ばかりに目を向けたため、安全を軽視した結果、事故にはいたらないが様々なトラブルが起きた。新線も訓練不足という声があったのに、初回を迎え上司が「あーよかった」との声を聞いた時は怒りがわいた。その場にいた仲間も「なんて会社だ」と怒りをあらわにしていた。委員長が言っていたとおり、「今がチャンス」だ。新線開業にかけた数千億は必ず労働者から搾取される。その前に全力で仲間とぶつかろうと思った。
☆今回の反合保安闘争の総括は動労千葉のたたかいの総括としてすぐれていただけでなく、すべての職場で反合保安闘争を始める指導路線として提起されたという点に画期的な意義があったと思う。
その提起に応えて、ただちに質疑応答もそれぞれの職場闘争をどうとらえ、どう突破するかという討論となり、そこでの田中委員長の意見もまた大変勉強になった。なにより重要だったと思ったのは、まず職場で起こっていることを個人の問題や職能的にとらえるのではなく、全社会的=階級的な立場から捉えかえすべきだという点です。日常的な攻撃の現実化の中で活動家自身も攻撃の現実を認めさせられ、怒りを奪われているところからとらえ返すべきだという指摘と、それを受けてはっとする質問者の関係というのはとても大きな勝利であったと思います。
そして実践的にまずこの問題で職場討論から組織していくという方針が出されたのも大変鮮明な方針で、これも大変画期的な提起であったと思います。動労千葉のたたかいがついにすべての職場で始められる出発点がここにあると思いました。これなら自分の職場でも出来そうだと思われるのではないでしょうか。
さらにすべての産別や戦線で全国的に目ざすものを明らかにしていくべきだという提起も重要であると思いました。ジェット闘争の総括で組合全体が本気になる契機に三里塚闘争の意義だけでなく、米タン爆発事件を背景とする安全問題と船橋事故闘争の地平の結合があったというのは、なるほど!と思った。労働者の団結はいろんな水路があるというのも味わい深い総括だと思う。
分民の時、国労の場合は辞めたいという人をひきとめなかったことがよく「美談」(?)のように語られていたが、これについて動労千葉ではどう考えられているのかなと思った。結局、闘争方針がない以上、ひきとめることなど出来なかったということだろうか。
外注化は偽装請負になるという反撃は決定的だと思った。そう考えると、すでに外注化している保線や電気等ではどうなのだろうか。
☆1)レジュメをもとにもう1度きちんと学びなおしたいと思いました。特に今日の講義で田中委員長自身の国鉄入社以来の闘いについて、率直に語られたことは、今までの本や講演などでは接することのできなかったことについても明らかにされ、すごく勉強になりました。
2)そういう中で、分民の時のストについて、「クビを守るためのスト」ではなく「クビになるためのストライキ」として構えたのだと言いきれる動労千葉の地平=それが労働者の団結を守り、闘いを発展させる道だったこと、クビになったことで動労千葉の全職場に指導者が残った、というくだりは、あらためて分割・民営化と真正面から闘いぬいた動労千葉の闘いの地平にふれた思いがしました。
3)さらに「要求で団結」(これもかつてよく聞いたことだなあとあらためて思いましたが)から「労働組合とは一体何なのだ」ということが労働者にとって一番関心のあることだと、この点での団結の形成がいかに大事なのかということも印象に残りました。
4)最初引用された国労第8回大会の「反合闘争の綱領」の地平を完全にこえること=これが今の国労共闘として実践的に越えていかねばならない核心だと思います。
この国鉄全国大運動のるつぼの中でこそ、これも可能であるとあらためて決意できました。
この間の3回の講義のうち、2回(布施さんの講演とあわせて)出れたことを財産にして、自分ももっと学習し、なにより現場の労働者の怒りに肉迫できる内容と闘いをつくり出していきたい。 |