大月事故  JR/革マル結託体制が招いた恐るべき実態

 

 それだけではない。職場を覆っている最大の問題は、これらの合理化こ要員削減攻撃一般にもまして、なによりも革マルと結託した異常な労務政策が生みだし、日々再生産している歪みである。
  列車運行や安全の枢要を損うべき輸送課・車務課が専ら労務政策を行い、運転経験もなく法規も知らない者が、JR総運の組合員であり、あるいは国労や動労千葉を脱退した者であるというだけで輸送指令に集められ、輸送混乱時の列車整理もできない者が、労務政策に熱心であるというだけの理由で運転部門の中心的ポストや運転関係区の現場長に抜擢される、そしてあくまでも士職登用差別を貫き、強制配転者を「塩漬け」にしつづけるためにのみ、駅業務の経験も車掌経験も一年未満の者を士職に速成養成する−このようなことが当たり前のようにまかり通っているのが今日のJRである。
 その結果、安全に対するチエツク機能、責任体制は崩壊し、それどころか、まともに列車を運行する能力すら崩壊してしまっているのが現在のJRの実態である。97年から99年にかけて生起した大月事故や、正常連行率が50%を切るような中央線を中心とした輸送混乱の多発、相次ぐシステムダウン等々の事態には、今日JR体制が陥っている深刻な矛盾が凝縮してあらわれている。「このままでは鉄道会社としてなりたたなくなる」という危機感は、今やJRの中堅幹部の間にも広がっているのが現実だ。

 

大月事故(1997年10月12日)に対する動労千葉の見解

 

 97年10月12日、中央線大月駅下り本線を約100q/hで通過中の特急列車に中線からでてきた入換車両が衝突し、7両が脱線、31名の乗客・運転士が病院に運ばれ62人が重軽傷を負うという事故が発生した。「死者がでなかったのは奇跡に近い」と言われる重大な事故であった

発生日時 1997年(H9)10月12日20時02分ごろ
発生場所 JR東日本 中央本線・大月駅構内
事故種類 衝突
概 要 大月駅通過中の特急「スーパーあずさ13号」に、入換時刻前に発車してきた回送電車(201系・4両編成)が衝突して両方の電車が脱線。 四方津−甲斐大和で不通となったが、14日7時過ぎに全線復旧した。回送列車の運転士が業務上過失傷害と業務上過失往来妨害の疑いで逮捕。起訴された
人的被害 62人けが
影 響 上下158本運休・5万4000人に影響

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