全面降伏の最後通牒
4月26日、自民党など与党三党は「JR不採用問題に関する声明」を明らかにした。
その内容は、込み上げる怒りなしには読めないものだ。5月30日までに裁判を取り下げ、闘う闘争団を切り捨てなければ4党合意は白紙に戻すという最後通告である。丸裸になって降伏しろというのだ。その口調はまるで命令だ。
政権政党がこれほど露骨に労働組合に支配介入し、ごう慢極まりない態度で居丈高に命令を下したことがかつてあっただろうか。これは正に国家的不当労働行為だ。だが、これこそが4党合意の本質だったのだ。4党合意は当初から、一旦はまり込んだらはい上がることのできないアリ地獄に国労を突き落とすために仕組まれた攻撃だったのである。事態は一点の曇りもなく鮮明になった。
これが声明の内容だ
与党三党の「声明」は次のように言う。
@ 国労執行部に対して、JRに法的責任がないことを認めながら、裁判を継続するという矛盾、組織内を統一できていないという矛盾を指摘し、国労からは、その二つの矛盾の解消に向けて努力するとの回答があった。
A しかし言行不一致は未だ解消していない。さらに賛成派が離脱したり関係組合員が鉄建公団を相手どって訴訟を起こすなど国労執行部は矛盾解消の責任を果たしていない。
B にもかかわらず、国労執行部は、ILOに与党・政府を非難して自らの責任を転嫁する申し立て行ない、一方で組合員に対しては与党・政府から解決案が出る如く喧伝して彼らの期待感を煽っている。このような国労執行部の対応は、単に自らの延命策を図るものであり、関係者の努力を無にする行為であると断じざるをえない。
C 従って、4党合意の進展の遅れは、ひとえに国労執行部が矛盾解消の責任を果たしていないことに帰せられるものであり、与党としては、国労執行部が目に見えた結果を出し、これが関係者に評価されることが必要であると言わざるをえない。この対応が本年5月30日までになされない場合は、与党としては、4党合意から離脱せざるをえない。
とるべき道はひとつ
何という内容か・・・!政府・自民党は初めから国労を自壊の道にひき込むために4党合意を仕組み、そして現在の組織の惨状を見すかしてさらに傷口に塩をぬり込むかのようにいたぶり、崩壊させようというのだ。「目に見えた結果をだせ」とは、あと1ヵ月のうちに裁判を取り下げ、闘争団の仲間たちを切って除名にしろということである。断じて許せない。
もはやとるべき道はひとつだ。4党合意受け入れの大会決定を直ちに破棄し、闘いの原点にたちかえることである。与党三党の「声明」を徹底弾劾し、怒りの声を結集して国労の闘う団結を回復することだ。よもや、これほどまでに理不尽な降伏要求を受け入れるなどという選択は、断じてあり得ないことだ。万が一にもそのようなことをしたら、その組織はその時点で死んだも同然である。
本部の責任は重大!
一方、このような事態を招いた国労本部の責任は重大である。伝統ある国労の組織と団結をここまで地に堕としてしまったのだ。4党合意など受け入れれば、組織に深刻な亀裂が走り、国労の団結はたちまち瓦解し、政府・自民党からは息の根が止まるまで攻撃されるのは、少しでも冷静に考えれば初めから判っていたことだ。率直にいってナメきられている。与党三党の声明でも「お前たちは組合員にウソをついている」「自ら進んで毒を呑んだのに自己保身にはるのは許せない」となじられているのだ。
国労本部に今必要なことは、この2年間あまりの経過を率直に自己批判し、その責任を明らかにして執行部を退くことである。
国労の仲間に訴える
4党合意に対する闘う闘争団の必死の決起は、国労の組織と団結をギリギリの地点で守りぬいている。この闘いがあったからこそ、事態は曇りなく鮮明に照らしだされたのだ。ある意味では政府・自民党はこの決起が、全国の労働者の怒りの声に火をつけてしまうのではないかと恐れているのだ。
全ての国労の仲間たちに訴える。闘う国労の原点にかえり団結しよう。闘いはこれからだ。卑劣な最後通牒に対し、例外なく全員が明確な態度表明を迫られている。必死の思いで起ちあがった闘争団の仲間たちとともに闘うのか、この攻撃に屈し自らの手で国労を潰すのか、今や問題はこのようにたてられている。
資本と国家が生き残るために労働者が虫けらのように犠牲にされる時代が到来し、多くの仲間が国鉄闘争に注目している。4月16日には新たな支援共闘会議も結成された。今こそ原点に!
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