JR不採用問題に関する声明
平成14年4月26日
自 由 民 主 党
公明党
保守党
1.いわゆるJR不採用問題については、平成12年5月の与党3党と社会民主党の合意である「JR不採用問題の打開について」に基づき、自由民主党、公明党及び保守党は、人道的観点から、政治解決を図るべく、努力してきたところである。
2.この4党合意は、国労が「JRに法的責任がない」ことを組合員の総意として認めることを政治解決の前提条件としており、これは国労執行部も了解の上でなされたものである。そして、平成13年3月の4党協議会の場において、与党3党は、国労執行部に対して、「国労が同年1月の大会でJRに法的責任がないことを認めたとしながら、引き続き裁判によってJRの法的責任を追及する姿勢を堅持する」という矛盾と「組合員の総意として認めることが前提でありながら、組織内を統一できていない」という矛盾を指摘し、国労執行部からは、その2つの矛盾の解消に向けて努力するとの回答があった。
3.4党合意から間もなく2年が経過しようとしているが、これまで与党3党と社会民主党は、国労執行部による2つの矛盾の解消を辛抱強く見守ってきた。しかしながら、国労は、JRに法的責任がないことを認めたとしながら、引き続き裁判によってJRの法的責任を追及する姿勢を堅持するという言行不一致を未だに解消しておらず、さらには組織内をまとめるという点についても、4党合意賛成派が離脱する一方で、不採用関係者の約3分の1もの組合員が鉄道建設公団を相手取り新たな訴訟を提起するなど、むしろ矛盾は拡大している。このように、国労執行部が矛盾解消の責任を果たしていないため、4党合意による政治解決の前提条件は未だに満たされておらず、4党の協議は先に進むことができない現状にある。
4.にもかかわらず、国労執行部は、ILOに対して、「与党が鉄道建設公団に対する訴訟を言い訳として取り組みを先延ばししている」「4党合意の進展がないのは政府の責任であり、JR及び政党に対して必要な指導を行なっていない」などと、何ら根拠もなく与党・政府を非難して自らの責任を転嫁する申し立てを行なっている。その一方で、組合員に対しては与党・政府から解決案が出るが如く宣伝して彼らの期待感を煽っている。このような国労執行部の対応は、単に自らの延命策を図るものであり、与党3党と社会民主党の誠意及び組合員とその家族の信頼を裏切り、関係者のこれまでの努力を無にする行為であると断じざるを得ない。
5.従って、4党合意の進展の遅れは、ひとえに国労執行部が矛盾解消の責任を果たしていないことに帰せられるものであり、与党としては、政治解決が進展するためには、国労執行部が前述の2つの矛盾を早急に解消して4党合意の前提条件を成就する目に見えた結果を出し、これが関係者に評価されることが必要であるといわざるを得ない。この対応が4党合意から丸2年を経過する本年5月30日までに国労執行部においてなされない場合は、与党としては、4党合意から離脱せざるを得ない。
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