DC通信No.45
韓国の労働者の闘い・7月 国際連帯委員会 04/07 |
韓国の労働者の闘い(7月)動労千葉国際連帯委員会●鉄道・タクシー・貨物、下半期共同闘争準備(毎日労働ニュース7月30日付) 9月、共闘本部発足、10〜11月総力闘争 鉄道労組(キムヨンフン委員長)、運送荷役労組と貨物連帯でつくる貨物統合労組準備委(キムジョンイン委員長)、民主タクシー連盟(クスヨン委員長)は去る6月、運輸労働者共同闘争本部(準)を立ち上げ、今月に入って闘争企画団研修会、代表者企画団連席会議を開いた。 ●「公務員スト権、一歩も譲歩できず」(ハンギョレ7月30日18:26付) キムデファン労働部長官、不認定方針を固守/韓国労総委員長、大企業労組を批判 キムデファン労働部長官は30日、「下半期に公務員労組立法を行うが、スト権について政府は一歩も譲歩しない」と述べた。 ●地下鉄5労組、史上初の同時スト突入(民主労総機関紙「労働と世界」299号 7月26日付) 全国4大都市の地下鉄5労組が7月21日午前4時から一斉にストに入った。軌道連帯に所属する5つの地下鉄労組(ソウル・インチョン・テグ・プサン地下鉄労組と都市鉄道労組)は、スト突入の直前まで交渉を行い、人員増など争点に対する合意を試みたが、政府と公団が前向きな案を提示しなかったため、結局ストに入った。全国4都市の地下鉄労組の同時ストは史上初。 労組はストに先立つ大詰めの交渉で、当初の要求だった「30%の人員増強」から一歩退いて「総人員比16%増」を修正案として提示したが、公社側は「人員凍結」の立場を曲げなかった。(労組側は「16%の増員は、現在の作業組に各1名を加える水準であり、週5日制施行にともなう最低限の措置」だと説明している) これにともない20日夜1時頃に交渉が決裂したインチョン地下鉄に続いて、残りの4労組もスト突入の時点で交渉中断を宣言した。しかし労組側は、スト突入後も交渉窓口を開いておき、最大限、誠実交渉に臨む方針で、スト初日の21日も、それぞれ実務交渉と本交渉を行った。 軌道連帯共同闘争本部は21日朝、記者会見を行い「職権仲裁と強硬弾圧では問題は解決しない」とし、「イミョンバクソウル市長とノムヒョン大統領は誠実交渉に臨め」と重ねて要求した。軌道連帯はさらに、「今回のストを不法だとして非難するのは穏当ではない」とし、「軌道産業の公共性強化と雇用創出、青年失業の解消など労組の要求は公益に合致する内容」だと強調した。 諸労組はスト突入前日の20日夜、ソウル、プサン、テグにそれぞれ集まり、「前夜祭」を開いた。22日現在、ソウル・インチョン地下鉄と都市鉄道労組の組合員8千名がソウルのチチュク車両基地で、プサン(1600名)とテグ(900名)労組もプサン大とウォルビ基地でそれぞれストを行っている。 〔写真:地下鉄スト前夜祭。7月20〜21日、ソウル・チチュク車両基地〕 〔写真:代替人員として地下鉄に非常投入された軍。7月21日朝、ソウルのシンドリム駅にて〕
●4大都市地下鉄スト…非常体制稼働(ハンギョレ7月21日14:02付)
ソウル、プサン、インチョン、テグの4都市の地下鉄労組が7月21日午前4時を期してストに入り、各自治体が代替人員を投入するなど非常運送体制を稼働させ、さしたる支障もなく正常に運行された。 これにともない、地下鉄を利用して出勤する市民に大きな影響は出なかったが、ストが長期化した場合、電車の運行間隔維持と、非労組員である代替運転士の持続的な投入などに困難が生じ、運行への影響は不可避と予想される。 ソウル地下鉄公社と都市鉄道公社の労組は、前夜まで続けられた公社側との交渉に進展が見られないことから、この日、予定通りストに入った。これに対しソウル市と両公社は地下鉄公社の所要人員3438人の147%に当たる5070人を、鉄道公社の代替人員6467人をそれぞれ投入し、列車の正常運行を維持している。(後略)
ゼネスト宣言文
ソウル地下鉄労働組合、インチョン地下鉄労働組合、都市鉄道労働組合、プサン地下鉄労働組合、全国軌道2万労働者は、今日7月21日4時を期してゼネストに突入することを宣言します。 ゼネスト前夜祭を死守してくださった同志の皆さん、そして全国の2万軌道労働者同志の皆さん! われわれはこみ上げる怒りで、そして、あふれる感動の喜びでこの場に集まりました。われわれは、少し前まで、5社労働組合すべてが息詰まる交渉を行ってきました。しかし、職権仲裁と不法スト宣伝に頼る経営陣は、ついにこの時間まで、進展を示すいかなる案も提示しませんでした。 最後まで忍耐と対話で妥結の努力を尽くしてきたわれわれの期待を水の泡にしてしまいました。 われわれは今、歴史的な軌道労働者のストを宣言しました。 われわれの闘いはわれわれの未来を守る闘いであり、市民の安全を守る闘いであり、仕事の分かち合いという国民の要求と軌を一にした闘いであり、史上初めて全国の軌道労働者が企業を超えて共に闘う歴史的なゼネストです。 2万軌道同志の皆さん、勝利することを恐れるのはやめましょう。われわれの正当な闘いは必ず勝利し、指導部は必ず勝利に導きます。
●タンビョンホ「5年使ったハチマキ、ホソプ委員長に」(毎日労働ニュース7月21日付) 地下鉄ストの表情
○…ストに参加した地下鉄労組員は、それなりに特権を享受している。出陣式の会場からスト結集地に移動する際、料金の精算をせずに改札口を通過する一方、労組員のための終着地特別案内放送も流れた。 社内放送で「ストに参加中の労組員はヨンシンネ駅で下車です。ヨンシンネ駅まであと3駅です」という案内が流れた。また、クパパル駅止まりの地下鉄に乗っても、労組員の目的地であるチチュク駅まで列車は運行された。 ○…スト前夜祭に参加した民主労働党のタンビョンホ議員は、地下鉄労組のスト勝利のために、大切にしていた品物を贈った。タンビョンホ議員が1999年の金属連盟委員長の時代からズボンの尻ポケットに入れている「闘争ハチマキ」を地下鉄労組に贈ったのだ。 タンビョンホ議員は「軌道闘争に必ず勝利せよという意味」だと述べ、ソウル地下鉄労組のホソプ委員長にハチマキを渡した。そのハチマキには、当時の民主労総のスローガンだった「週40時間戦取」の文言が印刷されており、「週5日制、人員増強」戦取闘争を闘っている現在の地下鉄労組の状況と微妙にマッチした。 ○…21日のスト前夜祭で公共連盟のイホドン委員長が演説の途中に歌を歌い、組合員の歓呼を受けた。 「解放駅に着くときまで」という歌をうたったイ委員長は「軌道労組が公共連盟の傘下に全て結集して以降、一般の予想を破って短期間のうちにゼネストを行い、私も同志に対するサービスの意味で予想を破って歌をうたった」と述べた。 特にイ委員長は「解放駅に着く時まで」を選曲した理由について、「イミョンバク市長の別名はブルドーザー」だと述べ、「歌の歌詞に『散弾銃やブルドーザーでわれわれを止められるか』という内容があったのでうたった」と述べ、笑いをとった。
「高賃金」主張、マスコミ報道に怒り○…都市鉄道労組のアンホンギ駅務本部長は、スト出陣式で、参加者の少ないいくつかの支部をひき帰させる「剛胆さ」を示した。アン本部長は「参加組合員が30人を超えていない支部はストに参加できない」と述べ、「一緒にストをやりたければ、各支部に帰って組合員をつれてこい」と指針を出した。 アン本部長の言葉に、スト出陣式に参加した組合員らは激励の拍手を送り、駅務本部所属ではない他の支部が、出陣式に参加していない組合員に急いで電話をかける姿も演出された。 ○…チチュク基地廠に集まった組合員は、マスコミに非常に敏感な反応を示した。一部のメディアが事実をねじ曲げて地下鉄労組組合員の年俸を膨らませて報道したことが伝えられたからだ。(中略) ○…21日、組合員は各種集会や教育・文化行事でスト初日を過ごした。(後略)
●地下鉄公社、労組幹部25名を職位解除(ハンギョレ7月21日16:01付)
ソウル市地下鉄公社は7月21日、人事委員会を開き、ソウル地下鉄公社労組のホソプ委員長など労組幹部25名を職位解除する一方、同氏らを労働組合および労働関係調整法違反と業務妨害の容疑でソウル・パンベ警察署に告訴したと発表した。 ソウル市はまた、本社と現業部署長に公文書を送り、ストに参加した所属職員に22日午前11時までに復帰し勤務するよう通知せよと指示した。(後略)
●「市民の安全」のため地下鉄を変えよう(毎日労働ニュース7月21日付) ペクセンハク・ソウル地下鉄労働組合教育部長
われわれ全国地下鉄労働組合軌道連帯は、7月21日4時からゼネストを警告してきた。今回の全国地下鉄軌道連帯共同闘争の最大争点は何か? ソウル地域の1〜8号線で03年の1年間に85件の死傷事故が発生した。自殺が58件、墜落9件、ドアに挟まれ、あるいは列車の側面にぶつかる事故など、社会的貧困、疎外、失業問題により次第に増えつつある趨勢だ。99年の48件、2000年の43件、2001年と2002年のそれぞれ48件に比べると2倍近く増えている。 ソウル市は2002年12月9日、電撃的に1時間の延長運行を施行した。延長運行を強行しながら、安全のための必要人員や深夜時間の酔客保護など、いかなる対策もソウル市はとらなかった。 24時から1時へと運行が延長され、夜間に行われる施設点検が1時間削られた。延長運行を強行した当時、ソウル市は人員増強(技術分野205名)を約束したが、いまだに新規の増員はなく、32名のみが他の職種に転職した。 地下鉄を利用する市民の安全は、地下鉄を運行し、維持・管理・保守を行う人員数と直結する。また、障害者の移動権保障や乗客の道案内など、利用客に対する親切なサービスも人員と直結する。 1人常務制でなかったならテグ地下鉄惨事の様相も違ったものになっていただろうというのが市民団体や専門家の見解だ。一度に1000名を超す乗客が降りる列車を1人の運転手が責任を持って動かす1人乗務制が、運転手自らトンネルに飛び込み命を絶つパニック障害を引き起こしたという指摘だ。 ソウル市はすでに2000年にIMFを理由にソウル地下鉄1621名、都市鉄道1656名を削減している。現在地下鉄公社は「3年内に黒字経営」を通して2006年までに2773名を削減するという計画だ。人員削減の理由は、地下鉄の黒字経営のために労働者の総額人件費を削るというものだ。このような人員削減を、何の関連もない週5日制と結びつけて施行し、人件費を減らそうというのだ。 ソウル市は今年6月、出入りの記者を集め、「現行の不合理な人員構造および勤務形態を改善すれば今でも人員が余る」と主張し、人員削減の意志を露わにした。 また、ソウル市は03年度の公社の財務状態を説明し、「負債総額が3兆352億ウォン、経営赤字の累積額が4兆8763億ウォンに達する」とし、「労組の賃上げと人員増強要求は、料金をそれに見合ったものにしなければ不可能」だと主張する。まるで人件費が全ての赤字の原因であるかのように、そして「料金値上げ=賃上げ」であるかのように市民にねじ曲げて宣伝している。 一日に1千万名を輸送する庶民の足である地下鉄。今も安全事故が絶えず、いつ事故が発生するかも知れない状況にあって、人員削減で赤字を解決するというソウル市の発想は、第2のテグ惨事を招くおそれを生じさせている。 03年6月、公共連盟がハンギルリサーチに依頼して実施した「地下鉄の安全運行に関する国民世論」は、市民の大多数が、予算増加を伴ってでも2人乗務制を実施し、全てのホームに安全要員を配置することなどを望んでいるということを示した。 結局ソウル市民は、社会の公共性に基づいて地下鉄が安全に運行されることを望んでいるのであり、それにともなう人員増を望んでいると見るべきだろう。ソウル市は、いわゆる黒字経営に基づいて市民の安全を無視し、収益性の論理で接近するという発想を捨てなければならない。市民世論を無視してはならない。 先日の、一方的に押し通された大衆交通体系・料金体系の再編にも見られるように、庶民が利用する大衆交通である地下鉄を商売の論理で押し通すなら、イミョンバク・ソウル市長は市民のさらなる抵抗に直面するだろう。 先日の、施設老朽化と人員不足によるテリム駅地下鉄事故は、多くの市民を真っ暗なトンネルとタンサン鉄橋の上に1時間も縛りつけて恐怖に震えさせ、多くの市民にテグ地下鉄惨事を思い起こさせた。恐怖を感じた市民が線路に降りて激しく抗議する姿をイミョンバク市長は忘れてはならない。
●「脅されて行う『対話』は屈従に帰結」(毎日労働ニュース7月21日付) 民主労総「対政府闘争」本格化…イスホ委員長、剃髪断食ろう城突入
民主労総の7月21日の「第3波総力闘争」は、地下鉄とLGカルテクス精油のスト闘争と絡み合い、政府に狙いを定めた闘いにその性格が変貌しつつある。 民主労総はこの日、地下鉄5労組、科学技術労組、京畿道労組がストに突入し、LG精油労組、保健医療労組ソウル大支部、民主タクシー連盟チョンオ交通分会、テウ自動車労組、サンヨン自動車労組など未妥結の事業所がストを続けていると発表した。 民主労総は21日午後、ソウルの宗廟公園で、この日ストに突入した組合員など3千人が参加する中、決意大会を行い、政府の職権仲裁回付方針と公権力投入の脅しを糾弾した。 イスホ・民主労総委員長は「職権仲裁と拘束の脅しに直面している組合員と、イラク派兵強行を阻止できていない状況に対し責任を痛感する」と述べ、この日の決意大会のはじめに剃髪式を行い、断食ろう城を開始した。 イ委員長は「脅されて行う対話は屈従に帰結する以外にない」と述べ、「一連の事態に対し民主労総委員長として深い怒りと背信感を感じる」と剃髪断食ろう城の背景を説明した。また、「職権仲裁、公権力の脅しという政府の反労働政策とイラク派兵強行に対する抗議の表明として剃髪断食ろう城に入る」と述べた。 イ委員長は前日の記者会見で、労使政代表者会議に参加するかどうかについて、「何日か見守った後に参加するかどうか検討するしかない」と答えた上で、この日の剃髪断食ろう城を開始した。こうすることで政府に前向きな態度変化を求めたものとみられる。 しかし、社会的対話の枠組みへの参加を積極的に検討しているイスホ執行部の立場にあっての労使政代表者会議への不参加宣言は「最後の選択」と読まれかねないという負担も作用している。これにともない、代表者会議発足の当時、延期の可能性を含ませておいた点を念頭に、8月に決まる代表者会議の日程が一旦延期される見通しが高まっているものと伝えられている。 一方、民主労働党も21日、労働界のストに関する緊急声明を発し、「地下鉄ストはすでにかなり前から予告されていたものであり、政府と使用者が何の準備もなしに労働者に一方的な犠牲のみを強要し、週5日制を実施しようとしていることこそ問題の原因」だとし、速やかに対話に臨むとともに、公権力投入を通した事態解決ではなく、積極的な調停と対話に臨むよう要求した。
●公務員・鉄道労組「地下鉄スト無力化策動容認できない」(毎日労働ニュース7月15日付) 券売・安全管理、列車増便など代替人員投入拒否へ 軌道共闘本部が7・21ゼネストを予告している中、公務員労組(キムヨンギル委員長)と鉄道労組(キムヨンフン委員長)も代替人員投入拒否など連帯闘争に乗り出す方針だ。 ●民主労総、下半期政治スト推進(毎日労働ニュース7月14日付) 「イラク派兵撤回・FTA交渉阻止」要求…10月末に全組織で争議行為賛否投票 民主労総は7月13日、中央執行委員会を開き、10月末〜11月初めに争議行為賛否投票を実施する日取りを含めて、下半期事業計画を論議した。この日論議された内容は20日の中央委員会を経て8月末の代議員大会で確定される。 ●民主労総「派兵撤回野宿ろう城に積極参加」(毎日労働ニュース7月14日付) 徹夜ろう城後、15日「国会進入闘争」も イラク派兵に関連する物資輸送が始まり、国会に派兵再検討決議案が提出された中、民主運動陣営による派兵撤回闘争の動きも再び活性化している。 ●軌道共闘本部、19日から順法闘争(毎日労働ニュース7月14日付) 13日〜15日、夜間総会で決議 軌道共闘本部が、ゼネスト突入〔7月21日予定〕に先立ち19日から地下鉄の運行間隔に直接的な影響を与える順法闘争を開始する。 病院ストの先例に従えば「合法」有力…破局なら「社会的対話」の原点に 軌道共闘本部の各事業所の労使交渉が難航しており、21日に予告されたストが現実化する可能性が次第に高まっている。しかし、必須公益事業所である地下鉄の労組がストに突入した場合、職権仲裁回付へとつながる不法スト論争が再燃する可能性も少なくなく、大量解雇や拘束事態をくりかえしてきた例年の悪循環をどう避けるかに注目が集まっている。 病院ストの先例適用されるか 政府‐自治体の関係も主要変数 ●鉄道民営化、再浮上(毎日労働ニュース7月9日付) 政府「鉄道事業法」立法推進…労組「公共性低下し海外売却のおそれ」と反発 昨年、労使政合意で保留になった政府の鉄道民営化推進計画が、ふたたび浮上してきた。 ●軌道共闘本部4500名、全国で決議大会…5〜7日スト賛否投票予定(毎日労働ニュー 軌道労働者VS公社「人員増」めぐり一勝負共闘本部「週5日勤務‐職増やしに結びつけよ」、社側「現在の人員で十分」 改正された週40時間制勤労基準法が施行された7月1日、4500人の軌道労働者が週5日勤務と人員増強を要求して決議大会を開いた。 |