ＤＣ通信　NO.1 宮島義勇/出版を祝う

DC通信No.1　「宮島義勇」出版を祝う
03/01/24

「撮影監督宮島義勇さんを偲び、出版を祝う会」

『「天皇」と呼ばれた男　撮影監督宮島義勇の昭和回顧録』

発起人　（五十音順）

兼松凞太郎　川又　昂　熊井　啓　　黒木和雄　黒澤　満　合田佐和子　崔　洋一　　坂口真人　実相寺昭雄　新藤兼人　仙元誠三　高橋康夫　高村倉太郎　土本典昭　仲代達矢　　中西夏之　中野　洋　西岡善信　蜷川幸雄　　深尾道典　降旗康男　　八木信忠　若松孝二
協　賛　　日本映画撮影監督協会、日本映画テレビ技術協会、キネマ旬報社
（上写真　祝う会で挨拶する中野顧問）

　１月24日都内で、「撮影監督宮島義勇さんを偲び、出版を祝う会」が宮島さんを知る多くの映画監督・俳優・映画製作関係者らのよびかけで開かれた。（発起人参照）
　98年に亡くなられた宮島監督は、85年より13年間、動労千葉のフィルムを撮り続け、その死の直前まで動労千葉の事務所に通い、『鉄路に生きる　第４報』を制作するためにフィルムの編集を行っておられた。そしてこれまでの自分の撮影したフィルム・版権をすべて動労千葉に寄贈して下さるほど、動労千葉に期待をよせ、信頼して下さっていた。この宮島監督の全仕事・生涯を描いた本が出版されるにあたり、開催された会に動労千葉も参加した。
　キネマ旬報社の開会あいさつのあと、往年の宮島監督を偲んで、土本典昭映画監督、降旗康男映画監督、崔洋一映画監督らよりあいさつが行われた。
　あいさつも映画関係者がほとんどのなかで、唯一労働組合で参加した動労千葉からは中野洋前委員長があいさつし、「晩年は、動労千葉の映画を完成させるために動力車会館に日参された。倒れられたとき、動労千葉に通うために体力をつけるためウオーキングをしていて、それから帰った直後と聞いて、驚くと同時に、ここまで思われて労働者冥利につきるとたいへん感動した。宮島監督は生前、『効率化と利便性の世の中ではいい芸術はできない』といわれ、芸術の世界には門外漢である私も、なるほどと思った思い出があります。資本主義は戦争をしなければ生きていけない時代に入った。労働者が本当に頑張らなければいけない時と肝に命じている。」と宮島監督の霊前に決意を新たにした。

（崔　洋一監督と歓談する中野顧問）

宮島義勇・監督作品～動労千葉ストライキの記録

ビデオ　俺たちは鉄路に生きるビデオ（記録映画）
俺たちは鉄路に生きる！～動労千葉ストライキの記録～
１９８５年１１月～１９８６年３月
宮島義勇・監督作品（上映時間・１時間50分）
国鉄分割・民営化に異議あり！！
鉄路に生きる労働者の叫び。
製作／動労千葉闘争記録製作委員会・らんる社

（動労千葉で販売しております。案内　/　メール）

俺たちは鉄路に生きる　製作＝国鉄千葉動力車労働組合

俺たちは鉄路に生きる　製作＝国鉄千葉動力車労働組合
1986.06.02
110分カラー　１６ミリ
監督/撮影 ................　宮島義勇

俺たちは鉄路に生きる　第２報　製作＝国鉄千葉動力車労働組合
1986.12.18
120分カラー　ワイド
監督/撮影 ................　宮島義勇

俺たちは鉄路に生きる！　製作＝国鉄千葉動力車労働組合
1987.09.26
110分カラー　１６ミリ
監督/撮影................　宮島義勇
助監督 ................　渡辺幸雄

（毎日新聞２００３年１月１２日東京朝刊/今週の本棚　から）

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「天皇」と呼ばれた男
宮島義勇・著、山口猛・編＜愛育社・７６００円＞
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　小林正樹監督の「人間の條件」や「切腹」「怪談」の仕事で映画史に大きな足跡を残した亡き名キャメラマンの回想記。

　昭和四年、二十歳の時に松竹蒲田に入ったというから映画と共に生きてきた職人肌。ただカメラをまわすだけでなく照明にも注文をつける。監督にも遠慮なく意見をいう。そのためにいつしか「宮島天皇」と畏怖されるようになった。

　左翼映画人としても知られた。戦後、共産党に入党。東宝争議の時は組合の先頭に立った。一九五〇年代に今井正監督の「どっこい生きてる」や山村聰監督の「蟹工船」などの独立プロ作品が多いのはそのため。

　五〇年、中国に密航し、ひそかに周恩来に会ったというのに驚く。戦後左翼映画史にもなっている。（川）

「撮影監督宮島義勇さんを偲び、出版を祝う会」

『「天皇」と呼ばれた男 撮影監督宮島義勇の昭和回顧録』

『「天皇」と呼ばれた男　撮影監督宮島義勇の昭和回顧録』