夜勤による休日減、使用者による一方的な労働時間変更、「臨時勤務」の指定による恒常的な残業の強制等の問題で
労働基準法違反で千葉鉄道サービスを告発
動労千葉は、8月19日、千葉鉄道サービスが、夜勤による休日の減少を解消するために、本年4月1日以降、所定労働時間の変更を一方的に行ったこと、それに伴い「臨時勤務」が指定され恒常的な残業が発生していること、職場代表に対する説明や就業規則改訂が行われていないことなどから、千葉鉄道サービスを労働基準法違反で千葉労働基準監督署に告発した。
京葉構内業務外注化阻止を職場から闘いに起ち上がろう!告発内容は別掲。
労働基準法違反に関する申告書
2011年8月19日
千葉労働基準監督署長 殿
申告者 (略)
違反者 千葉市中央区弁天1−5−1
白樺ビル10階
JR千葉鉄道サービス株式会社
代表取締役社長 後 藤 慎 悟
記
1.申告者と違反者の関係(略)
2.申告者の職責・業務(略)
3.労働基準法違反の内容
(1)違反者は、2009年4月頃から、千葉鉄道サービス京葉事業所で勤務するエルダー社員らに対して、「夜勤」の指定を行うようになった。
「夜勤」は、就業規則上、「始業時刻18時00分、終業時刻2時30分」であった。
ところが、「夜勤」が、特別休日(法定休日以外の労働契約による休日)にまたがる場合が発生した。このため、特別休日について2時間30分不足し、エルダー社員が再雇用される場合の労働契約条件であった年間休日数104日(当時 現在は109日)が取得できないという問題が発生した。
この問題について、申告者が所属する国鉄千葉動力車労働組合(以下「動労千葉」という)と千葉鉄道サービスとの間で数度にわたり団体交渉が行われ、この中で千葉鉄道サービスは、「休日労働分の割増賃金(100分の135)を払っているから問題ない」と回答した。
しかし、エルダー社員制度により再雇用された際の労働契約の条件には、年間休日数は「104日」(現在は109日)と明記されていることから、労働契約に基づき休日数が付与されなければならいはずであり、対立のまま推移した。
(2)違反者は、本年3月、就業規則の一部改訂に関する説明を行った。(説明の詳細は略)
(3)7月29日、動労千葉と千葉鉄道サービスとの間で、改めて「夜勤」に関する団体交渉が行われた。その中で千葉鉄道サービスは、「夜勤」の内、特別休日にまたがる場合には、18時00分から24時00分までを所定労働時間とすること、24時00分から2時30分までは「臨時勤務」にするとの回答を行ってきた。そしてこの取り扱いは、4月1日から行っているとの回答であった。
しかし、このような取り扱いについては、前記(2)の就業規則改定に伴う説明でも一切行われなかった。
さらに、4月以降も、千葉鉄道サービス京葉事業所の職場代表である申告者に対して、「夜勤」に関する労働時間の取り扱いを変更する旨の説明等は一切行われていない。
違反者の対応は、労働契約上の休日付与義務違反を解消するために行われたものと考えられるが、こうした労働時間の一方的な変更は、下記のとおり労基法に違反するものである。
(4)違反者は、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用しており、この場合、「使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない」と規定されており、違反者の対応は労基法第32条の2に違反する。
また、今回の労働時間の一方的変更については、前記(3)のとおり就業規則改正時やその後においても職場代表である申告者には説明されておらず、しかも就業規則改定もれていないことから、労基法89条に違反する。
さらに、通常の業務をこなすために所定労働から外した「臨時勤務」は、恒常的な残業を認めることとなり、時間外・休日労働の「本来臨時的なものとして最小限にとどめるべきもの」と規定する労基法32条及び36条に違反する。
4.労働基準監督署に求める対応
3項に記載した事実の確認と、違法行為に対する権限の行使を求める。
−以 上−
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