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パン段摩耗に伴う輸送混乱―
検査から報告したにもかかわらず、指令の記録がない?

千葉支社団体交渉(6/28)報告
車両故障につながる事態を危険とも感じない指令をつくった会社の責任は重大だ!

 6月28日、千葉支社において、4月13日に発生した総武本線・松尾駅で発生した336Mのパンタグラフ段摩耗発生に伴う交換ー大幅な輸送混乱に関する団体交渉が行われた。
 しかし、このパンタグラフ故障に関しては、指令の指示・通告に関する重大な問題がはらんでいた。

千葉派出からの報告後、459kmも走行後に交換作業

 当該列車については、前日(12日)の444M(211系)時点ですでに段摩耗が確認され、検査派出による交換作業が行われるはずだったのだ。
 444Mが千葉駅に到着した際(12時14分)、千葉駅検査派出の担当者が、マイク不良による交換作業を行っていたところ、車掌から「パンタグラフから異音がするので見てほしい」旨の要請があり、下り方運転台にあるパンタグラフを目視で確認したところ、2カ所の段摩耗を発見した。派出担当者は、千葉駅での折り返し時間がないこと、段摩耗については銚子までは大丈夫だと判断し、銚子駅での派出検査による交換を要請する旨を車掌に告げるとともに、指令に対して、パンタグラフに段摩耗があるが、銚子までは走行できると判断したこと、銚子でのパンタグラフ交換が必要である旨の報告を電話で行ったのだ。
 しかしその後、指令から銚子駅の検査派出に対しては何らの連絡も行われなかったためにパンタグラフ交換は行われず、千葉駅発車後から459km走行後、松尾駅において段摩耗により走行不能と判断され、パンタグラフ交換作業が行われ、115分遅れという大幅な輸送混乱が発生したというものだ。(列車の状況は、別図参照)

指令は、検査担当者からの報告を聞いていない?

 団体交渉において千葉支社はは、指令からの指示が行われなかったことについて、次のような回答を行ってきた。

会社 指令は、マイク交換については無線の記録があるが、パンタグラフに関する交信の記録がなく、確認できない。指令も、パンタグラフのことについては覚えていないということだった。
 千葉駅の検査派出担当者が、段摩耗があるが走行可能と判断したこと、銚子駅での交換要請を行ったことについては他の者も聞いており、連絡したことは確認した。

 会社は、派出担当者が連絡したことは確認していながら、指令では記録がないから連絡を受けたかどうか分からないという回答を繰り返すとともに、13日に松尾でパンタグラフの段摩耗による交換作業があったことを聞いた段階で「そのような話があったような気がする」と担当の指令が思い出したようだとの回答を行ってきた。

「パンタグラフ」と聞いても危機感を持てない現状

 この問題は重大な問題だ。派出担当者が連絡している以上、指令に連絡がいったことは確実だ。会社は、「走行可能と判断した」との報告を受け、そのままになったのではないか」との回答も行っているが、それですむ問題ではない。「パンタグラフ」や「段摩耗」と聞いた段階で、今後、パンタグラフの故障が起きる可能性があること、次の交換場所はどこなのか等を考え、即座に指示・通告するようでなければ、本来の指令の役割を果たしているとは言えないのだ。マイクの交換作業も重要であるが、「パンタグラフ」と聞いた瞬間に安全上、パンタグラフの方が優先するという感覚を持たなければならないはずだ。
 結局、今回の事象では、現場から報告が上がったにもかかわらず、指令からの連絡が行われなかったためにパンタグラフ交換のために起電停止等をおこなったために115分という大幅な輸送混乱となったのだ。
 千葉支社は、今回の事態を受けて、指令には連絡を徹底すること、列車運行上、支障を来すような報告が上がった場合には、優先して記録等を行うことを指示した殿回答を行ってきた。
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