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年月 日 No. |
幕張構内事故
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左の写真は、内房線・千倉駅2番線の千葉方の枕木である。現場からの報告で寄せられた写真だが、枕木が完全に朽ち果て、原型をとどめていない。こうした箇所は千倉駅ばかりでなく他にもある。
レールの締結ボルトが脱落したまま長い間放置されている箇所など無数にあると言ってもいい状況だ。われわれは直ちに枕木交換等を行なうよう申し入れているが、これまでの交渉のなかでも、回答はつねに「安全上特に問題がある状態ではない」と言い張るというものであった。枕木1本、ボルト1本で直ちに危険なわけではないというのだ。
こういうことが平然と言えるとは、JRは鉄道事業者としての自負やプライドすら失ってしまったということだ。仮に、直ちに危険ではないとしても、鉄道事業者だとするなら、口が避けても言ってはならないことがあるはずだ。安全はコツコツと地道な努力を積み重ねることを止めたときに確実にむしばまれ、いつか尼崎のような大惨事に行き着く。
最大の問題は、枕木が朽ちていること、レールが異常磨耗していること、締結ボルトがヌケ落ちていることについてJRは知らないわけではないということだ。現場の労働者は、まる投げ的に外注化され、巡回周期が大幅に延伸された状況のなかでも、必死に安全を守る努力をし、報告をあげている。しかし、あまりに行き過ぎた要員削減やコストカット政策の下で、保守する体制が無くなってしまっていることである。だから「たかが枕木1本」「ボルト1本」という発想でいつまでも放置されることになる。
輸送の大混乱をもたらした線路の隆起問題も、わずか2ヵ月余りの間に、同じことをやって同じ過ちを3回も繰り返すというのはあまりに異常だ。その一方、現場の声は処分をもって徹底して封殺する。こんなことを繰り返していたら間違いなく第2の尼崎事故に行き着く。